28 / 108
僕の崇拝する帝王
2
しおりを挟む
「夕貴、いい子で待っていましたか」
涼しげな声と視線で問われると、僕の熱はそれに反比例して上昇する。
「はい、創一様」
妖艶な笑みを向けられ、心臓を鷲掴みされたように胸が苦しくなる。
カツ、カツ、カツ……と革靴を響かせながら近づく度に、鼓動が壊れたように速くなる。
「会いたかったですよ、夕貴……」
ベッドの縁に座っている僕の頬がサラッと撫でられ、小さく震える。
「僕も、会いたかった……」
創一様が前傾姿勢になり、ゆっくりと端正な顔が寄せられる。僕は潤んだ瞳で見つめながら、唇が重なる瞬間を待ち侘びる。
「口づけが、欲しいのですか」
あと僅かで重なるという刹那、創一様が静かに尋ねる。
「創一様、欲しい。キスして……」
創一様の口角が上がり、ゆっくりと唇が重なった。
かと思ったら、すぐに離された。
「ぁ、やだ……もっと、欲しい」
思わず声を上げた僕の頬が包まれる。
「どんな風に、口づけされたいのですか」
「全身が痺れて、蕩けるぐらいの……刺激的な口づけを……」
「口づけを……?」
「ハァッ……くだ、さい」
それなのに創一様の顔が離れていく。
すっと姿勢を正し、僕を見下ろした。
「では、服を脱いで頂けますか」
「はい」
僕はシャツのボタンに手を掛け、ひとつずつ外していく。これから起こることを想像すると、期待に手が震えた。
「ハァッ、脱ぎ終わりました」
一糸纏わぬ姿になると立ち上がり、創一様に見てもらう。
創一様の視線がだんだんと下に下がっていき、硬さを増してきた男塊を認め、クスッと笑みを溢す。
「まだ触れていないというのに、もう興奮しているのですか?
夕貴は淫乱ですね」
「だって……」
『淫乱』という言葉に反応し、僕のそこはますます硬くなり質量を増していく。
創一様の手が伸び、僕の肌に触れる。
「私に全て、委ねて下さい」
「ッッ……はい」
創一様は、奉仕するサディスト。我儘な僕の欲望を満たす為、快楽を引き出し、愛を与えてくれる。
だからこそ、僕は彼の前で躰も心も、その奥底にある肉欲も曝け出し、委ねることが出来る。
創一様の唇が重なり、清潔な中に男性のセクシーさを感じさせる香水が鼻腔を刺激する。
「ハァ……ン……」
僕の目尻から涙が溢れ、頬を伝う。
唇の輪郭を舐められて吐息を吐くと、舌が隙間から差し込まれる。創一様の舌が僕の舌を絡みとり、強く吸われると、下半身がジンジンと疼く。
「ンンッッ」
舌に歯を穿たれ、痛みと快感で脳髄が痺れる。
唇が離れると、創一様が赤い縄を取り出した。
「ベッドの真ん中で、鏡に向かって膝立ちになりなさい」
僕は素直にベッドへ移動して壁一面が鏡になっている前に膝立ちになり、両手を揃えて差し出した。
「夕貴の白い肌には、真紅がよく似合いますね」
創一様は縄を二重にして鼻の近くに寄せると、そこから香る蜜蝋の匂いを嗅いだ。それから僕の手首に巻きつけ、2周させて手の間から手前に出す。長い縄と合わせて結び目を作った。
あぁ、創一様の手で束縛されていく……
僕は彼の鮮やかな手捌きに見惚れながら、鏡に映る自分の姿に陶酔し、これから躰を緊縛される快感に打ち震えた。
創一様が僕の背後に移動し、縛った縄を引っ張り上げると蜜蝋の匂いが一段と濃くなり、恍惚とした。
僕の両腕が頭を通って後ろに回る。手の自由を奪われて緊縛されている姿を目の前にし、背後に創一様の気配を感じ、体内の血液がドクドクと激しく脈打つ。
背中の中心に縄が下ろされ、胸の下をぐるっと一周し、後ろで結ばれる。すると今度は胸の上を縄が一周し、再び背中で結ばれている気配を感じた。
「滑らかで陶器のような肌ですね」
「ッハァ……ぁ……」
創一様の色香を纏った声と縄がギュッと縛られる感覚が絶頂を呼び起こし、僕の男塊がピクン、ピクンと震え、先端から厭らしい蜜が溢れ出す。
胸の上と下を周っていた縄は背中で交差するように結び付けられ、それを引っ張り上げるとそれぞれの腕に巻きつけられる。
ガラガラ……と音がする。
創一様が、天井に取り付けられた滑車のフックを下ろした。
手首の間に通された縄に赤いゴム縄の先にあるフックをしっかりと引っ掛けて引き上げ、膝立ち出来る高さに調節した。
完全に上半身の動きが封じられた僕は、絶対的な支配者を乞うように見上げた。
涼しげな声と視線で問われると、僕の熱はそれに反比例して上昇する。
「はい、創一様」
妖艶な笑みを向けられ、心臓を鷲掴みされたように胸が苦しくなる。
カツ、カツ、カツ……と革靴を響かせながら近づく度に、鼓動が壊れたように速くなる。
「会いたかったですよ、夕貴……」
ベッドの縁に座っている僕の頬がサラッと撫でられ、小さく震える。
「僕も、会いたかった……」
創一様が前傾姿勢になり、ゆっくりと端正な顔が寄せられる。僕は潤んだ瞳で見つめながら、唇が重なる瞬間を待ち侘びる。
「口づけが、欲しいのですか」
あと僅かで重なるという刹那、創一様が静かに尋ねる。
「創一様、欲しい。キスして……」
創一様の口角が上がり、ゆっくりと唇が重なった。
かと思ったら、すぐに離された。
「ぁ、やだ……もっと、欲しい」
思わず声を上げた僕の頬が包まれる。
「どんな風に、口づけされたいのですか」
「全身が痺れて、蕩けるぐらいの……刺激的な口づけを……」
「口づけを……?」
「ハァッ……くだ、さい」
それなのに創一様の顔が離れていく。
すっと姿勢を正し、僕を見下ろした。
「では、服を脱いで頂けますか」
「はい」
僕はシャツのボタンに手を掛け、ひとつずつ外していく。これから起こることを想像すると、期待に手が震えた。
「ハァッ、脱ぎ終わりました」
一糸纏わぬ姿になると立ち上がり、創一様に見てもらう。
創一様の視線がだんだんと下に下がっていき、硬さを増してきた男塊を認め、クスッと笑みを溢す。
「まだ触れていないというのに、もう興奮しているのですか?
夕貴は淫乱ですね」
「だって……」
『淫乱』という言葉に反応し、僕のそこはますます硬くなり質量を増していく。
創一様の手が伸び、僕の肌に触れる。
「私に全て、委ねて下さい」
「ッッ……はい」
創一様は、奉仕するサディスト。我儘な僕の欲望を満たす為、快楽を引き出し、愛を与えてくれる。
だからこそ、僕は彼の前で躰も心も、その奥底にある肉欲も曝け出し、委ねることが出来る。
創一様の唇が重なり、清潔な中に男性のセクシーさを感じさせる香水が鼻腔を刺激する。
「ハァ……ン……」
僕の目尻から涙が溢れ、頬を伝う。
唇の輪郭を舐められて吐息を吐くと、舌が隙間から差し込まれる。創一様の舌が僕の舌を絡みとり、強く吸われると、下半身がジンジンと疼く。
「ンンッッ」
舌に歯を穿たれ、痛みと快感で脳髄が痺れる。
唇が離れると、創一様が赤い縄を取り出した。
「ベッドの真ん中で、鏡に向かって膝立ちになりなさい」
僕は素直にベッドへ移動して壁一面が鏡になっている前に膝立ちになり、両手を揃えて差し出した。
「夕貴の白い肌には、真紅がよく似合いますね」
創一様は縄を二重にして鼻の近くに寄せると、そこから香る蜜蝋の匂いを嗅いだ。それから僕の手首に巻きつけ、2周させて手の間から手前に出す。長い縄と合わせて結び目を作った。
あぁ、創一様の手で束縛されていく……
僕は彼の鮮やかな手捌きに見惚れながら、鏡に映る自分の姿に陶酔し、これから躰を緊縛される快感に打ち震えた。
創一様が僕の背後に移動し、縛った縄を引っ張り上げると蜜蝋の匂いが一段と濃くなり、恍惚とした。
僕の両腕が頭を通って後ろに回る。手の自由を奪われて緊縛されている姿を目の前にし、背後に創一様の気配を感じ、体内の血液がドクドクと激しく脈打つ。
背中の中心に縄が下ろされ、胸の下をぐるっと一周し、後ろで結ばれる。すると今度は胸の上を縄が一周し、再び背中で結ばれている気配を感じた。
「滑らかで陶器のような肌ですね」
「ッハァ……ぁ……」
創一様の色香を纏った声と縄がギュッと縛られる感覚が絶頂を呼び起こし、僕の男塊がピクン、ピクンと震え、先端から厭らしい蜜が溢れ出す。
胸の上と下を周っていた縄は背中で交差するように結び付けられ、それを引っ張り上げるとそれぞれの腕に巻きつけられる。
ガラガラ……と音がする。
創一様が、天井に取り付けられた滑車のフックを下ろした。
手首の間に通された縄に赤いゴム縄の先にあるフックをしっかりと引っ掛けて引き上げ、膝立ち出来る高さに調節した。
完全に上半身の動きが封じられた僕は、絶対的な支配者を乞うように見上げた。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
イケメン幼馴染に執着されるSub
ひな
BL
normalだと思ってた俺がまさかの…
支配されたくない 俺がSubなんかじゃない
逃げたい 愛されたくない
こんなの俺じゃない。
(作品名が長いのでイケしゅーって略していただいてOKです。)
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
大親友に監禁される話
だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。
目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。
R描写はありません。
トイレでないところで小用をするシーンがあります。
※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
【R-18】♡喘ぎ詰め合わせ♥あほえろ短編集
夜井
BL
完結済みの短編エロのみを公開していきます。
現在公開中の作品(随時更新)
『異世界転生したら、激太触手に犯されて即堕ちしちゃった話♥』
異種姦・産卵・大量中出し・即堕ち・二輪挿し・フェラ/イラマ・ごっくん・乳首責め・結腸責め・尿道責め・トコロテン・小スカ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる