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僕の優しい貴公子

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『やっぱり、ロイヤルが入れて?』

 僕はロイヤルから自身を引き抜くと、ドサッと彼の横に仰向けになった。半身を起こしたロイヤルを、下から窺うように見上げる。

『怒ってる?』

 僕の突然の心変わりに、どんな反応をするのか見てみたかった。

 ロイヤルは不機嫌な様子など微塵も見せず、にこりと微笑むと、僕の躰を跨いで軽く口づけた。

『まさか……ユーキの我儘ぶりには慣れてるからね。それに、可愛いお姫様の望みを叶えるのが僕の役目だから』

 ロイヤルは僕を、甘やかしすぎるんだ。だから僕は、際限が分からなくなってしまう。

『僕の望みは……ロイヤルが理性を失うぐらい、僕を求めてくれることだよ』

 ロイヤルはクスッと笑みを浮かべ、僕の頬に唇を寄せた。

『ユーキといる時は、いつも僕の理性なんて脆く崩れ去ってしまうよ。欲しくて欲しくて、堪らなくなってしまうんだ……』

 ロイヤルがローションを手にし、ボトルの蓋を開け、高い位置から掌へと落とす。たっぷりと溜まったローションを掌で温め、擦り合わせると、薄くなっていた薔薇の匂いがまた部屋の中を満たしていく。

『ユーキは薔薇のようだ。美しさと麗しさに気高さとプライド、我儘を併せ持ち、棘で持って僕の心を突き刺す』

 トロトロに蕩けた蜜でコーティングされた長い指が、僕の淫穴を探る。

『ッハァ……薔薇は、嫌い?』

 答えを知っているのに聞くのは、その言葉が聞きたいから。

『大好きだよ……』

 指が肉襞を押し退けながら突き進む感覚に、ゾクゾクと背筋に何本もの線が入った。

『ッハァ……』

 ゆっくりと時間をかけて解されていくそこ。ローションの熱と僕の躰の奥から生み出される熱が、全身を犯し始める。僕の疼きが高まり続け、もうそんな優しい愛撫じゃ物足りなくなってくる。

『もういいからっ!!……ハァッ、ハァッ……は、やく……入、れて……ハァッ……』

 膝をたてた脚を更に広げ、誘うように腰を上げてヒクヒク物欲しげに痙攣しているそこを見せつけた。

『ユーキが痛くならないように、優しく優しく抱くつもりなのに……いつだって君は、僕のそんな思いを一瞬でなし崩しにしてしまうんだ』

 ロイヤルの高貴な瞳の奥に、野生の灯火が浮かび上がる。

『加減、出来なくなりそうで怖いよ……』
『ロイヤル、理性を忘れて求めてって言ったでしょ。ほら、僕を欲しがってよ……』

 抱かれることで、愛されていると感じられるから。

 僕はロイヤルの凶器にも似た獰猛な欲塊を掴み、厭らしく蠢く自らの入口へと誘い込んだ。

 けれど、僕のそんな誘いなんか必要なかったんだ。だって、彼の猛りを掴んだ途端、ロイヤルの理性はブチ切れて、一気に僕の淫穴を奥まで突いたんだから。

『ハァッ!!あぁ!!もっと!!もっと激しく!!奥まで突いてぇ!!』

 僕の声に煽られるように、ロイヤルの腰の動きは一段と激しさと速さを増す。

「mmm, jeez……You make me crazy……(んぅぅ、ヤバい……君は僕を狂わせる……)」

 ロイヤルは玉のような汗を浮かべ、眉を顰めて堪らなくセクシーな表情を見せた。
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