151 / 1,014
誘惑 ー大和視点ー
7
しおりを挟む
「んんっ!!」
美姫の言葉で、大和は急に現実に引き戻された。
これじゃ、あの変態ヤローと一緒じゃねぇか。もう美姫を悲しませるようなことは、俺はしねぇって、決めたんだ……
パンティーを一気に引き上げ、腰を少し持ち上げて履かせた。一瞬美姫はビクンッと腰を揺らし、「んふっ...…」と声を漏らしたが、なんとか耐えた。
レギンスを履かせるのはあまりにも過酷そうなのでやめ、ショートパンツだけ履かせることにした。
コートがあるし、ここからタクシーに乗って俺のマンションに向かうだけだから、それほど問題ねぇよな……
ようやくショートパンツを履かせ終えた頃には、大和は全身汗だくだった。
来た時に使ったタクシーはもう帰してしまったので、別のタクシーを呼ぶことにした。すると、タクシーを呼んだ時点でちょうどスマホの充電が切れてしまい、電源が落ちた。
タクシーが来る間、ベッドの下に転がしてある男をどうするか考える。
警察に引き渡すわけにはいかねぇしな。ま、ここまでされればきっともう美姫には手を出すことはねぇだろうし……
もし、また美姫に手を出すことがあれば…その時は容赦しない。
美姫は未だ媚薬の熱に侵され、短く荒い息を吐いていた。
いつまでこの誘惑に耐えきれんだ、俺は。いや、耐えなきゃいけねぇんだ……
大和は、美姫の苦しげでいて色香のある呼吸を静かに睫毛を伏せ、味わった。
美姫は自分で立つどころか手足を動かすこともままならないので、大和が抱きかかえてタクシーに乗り込むことになった。目的地を運転手に告げ、車が走りだす。
「彼女さん、病気かい?」
50代後半に見える頭髪の薄い、人の良さそうな運転手が心配そうに美姫を覗き込む。
「えぇ…まぁ……」
大和は曖昧に頷いた。腕の中では美姫が苦しそうに喘ぎながら、大和に身を委ねる。美姫の熱が伝わり、美姫の匂いに包まれ、美姫の華奢な躰を感じる。
この時間が、永遠に続けばいい……
思わず、そんな虚しい願いを胸に抱いてしまう。
だが、時はそんな思いを嘲笑うかのように無情に過ぎ去り、タクシーは目的地である大和のマンションの前へと到着した。
タクシーの中ではかなり我慢していたのか、少し落ち着いてきたかと思った美姫の呼吸がマンションの中に入った途端に激しくなった。
「ハァッ...ハァッ...…」
「あともう少しだ、がんばれ...…」
気の利いた台詞が思いつかず、小学生並みの言葉しか掛けられない自分が情けなくなる。
ようやく部屋の前まで着き、鍵穴に鍵を挿そうとした途端、手から滑り落ちてしまう。
何やってんだ、俺は……
美姫を抱いたまま腰を屈めて鍵を拾おうとすると、美姫に覆いかぶさるような形になり、また大和の中の欲情が燃え上がる。
このまま美姫を押し倒して蹂躙したい……
ガチャッと扉が音がし、隣に住んでいる若い男が中から出てきた。大和はビクッと背中を震わせ、急いで鍵を拾って起き上がった。
「こんばんは……」
男は小声でそう言いながら、大和の腕の中で呼吸を乱す美姫を眼鏡越しに一瞥し、一瞬驚いたような表情を見せ、歩き去って行った。
美姫の言葉で、大和は急に現実に引き戻された。
これじゃ、あの変態ヤローと一緒じゃねぇか。もう美姫を悲しませるようなことは、俺はしねぇって、決めたんだ……
パンティーを一気に引き上げ、腰を少し持ち上げて履かせた。一瞬美姫はビクンッと腰を揺らし、「んふっ...…」と声を漏らしたが、なんとか耐えた。
レギンスを履かせるのはあまりにも過酷そうなのでやめ、ショートパンツだけ履かせることにした。
コートがあるし、ここからタクシーに乗って俺のマンションに向かうだけだから、それほど問題ねぇよな……
ようやくショートパンツを履かせ終えた頃には、大和は全身汗だくだった。
来た時に使ったタクシーはもう帰してしまったので、別のタクシーを呼ぶことにした。すると、タクシーを呼んだ時点でちょうどスマホの充電が切れてしまい、電源が落ちた。
タクシーが来る間、ベッドの下に転がしてある男をどうするか考える。
警察に引き渡すわけにはいかねぇしな。ま、ここまでされればきっともう美姫には手を出すことはねぇだろうし……
もし、また美姫に手を出すことがあれば…その時は容赦しない。
美姫は未だ媚薬の熱に侵され、短く荒い息を吐いていた。
いつまでこの誘惑に耐えきれんだ、俺は。いや、耐えなきゃいけねぇんだ……
大和は、美姫の苦しげでいて色香のある呼吸を静かに睫毛を伏せ、味わった。
美姫は自分で立つどころか手足を動かすこともままならないので、大和が抱きかかえてタクシーに乗り込むことになった。目的地を運転手に告げ、車が走りだす。
「彼女さん、病気かい?」
50代後半に見える頭髪の薄い、人の良さそうな運転手が心配そうに美姫を覗き込む。
「えぇ…まぁ……」
大和は曖昧に頷いた。腕の中では美姫が苦しそうに喘ぎながら、大和に身を委ねる。美姫の熱が伝わり、美姫の匂いに包まれ、美姫の華奢な躰を感じる。
この時間が、永遠に続けばいい……
思わず、そんな虚しい願いを胸に抱いてしまう。
だが、時はそんな思いを嘲笑うかのように無情に過ぎ去り、タクシーは目的地である大和のマンションの前へと到着した。
タクシーの中ではかなり我慢していたのか、少し落ち着いてきたかと思った美姫の呼吸がマンションの中に入った途端に激しくなった。
「ハァッ...ハァッ...…」
「あともう少しだ、がんばれ...…」
気の利いた台詞が思いつかず、小学生並みの言葉しか掛けられない自分が情けなくなる。
ようやく部屋の前まで着き、鍵穴に鍵を挿そうとした途端、手から滑り落ちてしまう。
何やってんだ、俺は……
美姫を抱いたまま腰を屈めて鍵を拾おうとすると、美姫に覆いかぶさるような形になり、また大和の中の欲情が燃え上がる。
このまま美姫を押し倒して蹂躙したい……
ガチャッと扉が音がし、隣に住んでいる若い男が中から出てきた。大和はビクッと背中を震わせ、急いで鍵を拾って起き上がった。
「こんばんは……」
男は小声でそう言いながら、大和の腕の中で呼吸を乱す美姫を眼鏡越しに一瞥し、一瞬驚いたような表情を見せ、歩き去って行った。
0
お気に入りに追加
345
あなたにおすすめの小説



義妹のミルク
笹椰かな
恋愛
※男性向けの内容です。女性が読むと不快になる可能性がありますのでご注意ください。
母乳フェチの男が義妹のミルクを飲むだけの話。
普段から母乳が出て、さらには性的に興奮すると母乳を噴き出す女の子がヒロインです。
本番はありません。両片想い設定です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる