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罠
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「え、えーっと……勝と匠は、まだ、かな……」
気まずい空気が耐えられず、美姫はまだ来ていない男子二人の名前を挙げた。
「あー、あいつらには買い出し行ってもらってるから」
そう言った途端、玄関のチャイムが鳴った。
「はいはーい」
礼音が立ち上がり、ガラス戸を開け、去って行った。
あとに残された女、3人……
「……美姫、礼音から誕生日プレゼント……もらってたんだ」
久美のいつもより低い声が静まった部屋に響く。ガラス戸の向こうからはくぐもった話し声とビニール袋の重なり合う音が聞こえてきた。
「ただの友達としての誕生日プレゼントだってば。深い意味はないから…」
「こんな高価なネックレス、なんの意味もないわけないじゃん!」
え、そう…なの?
きょとん……とする美姫に、「もう、いい……別に、美姫が悪いわけじゃないし」と久美がそっぽを向いた。
ガラス戸が思いっきり開けられる。
「メリクリーーーっす」
勝と匠は、もう既にビール片手に飲み始めていた。
「ちょ、ちょっとぉー!!私だって飲みたかったけど、みんなが来てからと思って待ってたんだからねっ!」
麻子の勢いに押されて、勝が慌ててキッチンへと逃げ込んでビールを持って帰ってきた。
「じょ、女王さまぁ、ご献上ものでございやすぅぅぅ」
「なぁにが、女王様よ」
「まぁまぁ、じゃあ、最初にみんなで乾杯しよーよ!」
勝と匠が入ってきたことでその場の雰囲気が和やかになり、美姫はホッとしつつ、麻子を宥めた。
せっかくみんなで集まってるんだから、楽しく過ごしたいな……どうか、険悪な雰囲気になりませんように。
『かんぱぁーいっ!!!』
缶をぶつけ合う音が響き、それぞれの飲み物に口をつける。そう言えば、缶から直接飲み物を飲む事も大学に入ってから初めてしたのだった、と美姫は思い出した。
「美味しい……」
桃のチューハイを手にして、その喉越しと甘さに嬉しくなって思わず笑顔になる。
「かぁわいいなぁ、美姫ちゃんは……」
気づくと、礼音が美姫を真っ直ぐに見据えている。その視線とぶつかるのがこわくて、わざと目を逸らして久美に話し掛けた。
「じゃ、男性陣が買い出ししてくれたから、私達は鍋の準備始めよっか……」
いつもなら冗談のひとつだと軽く受け流していたのに、久美から礼音のことを好きだと告白されたことで、礼音が自分に掛ける言葉が久美の気を悪くするのではないかと美姫は気を揉んでいた。
気まずい空気が耐えられず、美姫はまだ来ていない男子二人の名前を挙げた。
「あー、あいつらには買い出し行ってもらってるから」
そう言った途端、玄関のチャイムが鳴った。
「はいはーい」
礼音が立ち上がり、ガラス戸を開け、去って行った。
あとに残された女、3人……
「……美姫、礼音から誕生日プレゼント……もらってたんだ」
久美のいつもより低い声が静まった部屋に響く。ガラス戸の向こうからはくぐもった話し声とビニール袋の重なり合う音が聞こえてきた。
「ただの友達としての誕生日プレゼントだってば。深い意味はないから…」
「こんな高価なネックレス、なんの意味もないわけないじゃん!」
え、そう…なの?
きょとん……とする美姫に、「もう、いい……別に、美姫が悪いわけじゃないし」と久美がそっぽを向いた。
ガラス戸が思いっきり開けられる。
「メリクリーーーっす」
勝と匠は、もう既にビール片手に飲み始めていた。
「ちょ、ちょっとぉー!!私だって飲みたかったけど、みんなが来てからと思って待ってたんだからねっ!」
麻子の勢いに押されて、勝が慌ててキッチンへと逃げ込んでビールを持って帰ってきた。
「じょ、女王さまぁ、ご献上ものでございやすぅぅぅ」
「なぁにが、女王様よ」
「まぁまぁ、じゃあ、最初にみんなで乾杯しよーよ!」
勝と匠が入ってきたことでその場の雰囲気が和やかになり、美姫はホッとしつつ、麻子を宥めた。
せっかくみんなで集まってるんだから、楽しく過ごしたいな……どうか、険悪な雰囲気になりませんように。
『かんぱぁーいっ!!!』
缶をぶつけ合う音が響き、それぞれの飲み物に口をつける。そう言えば、缶から直接飲み物を飲む事も大学に入ってから初めてしたのだった、と美姫は思い出した。
「美味しい……」
桃のチューハイを手にして、その喉越しと甘さに嬉しくなって思わず笑顔になる。
「かぁわいいなぁ、美姫ちゃんは……」
気づくと、礼音が美姫を真っ直ぐに見据えている。その視線とぶつかるのがこわくて、わざと目を逸らして久美に話し掛けた。
「じゃ、男性陣が買い出ししてくれたから、私達は鍋の準備始めよっか……」
いつもなら冗談のひとつだと軽く受け流していたのに、久美から礼音のことを好きだと告白されたことで、礼音が自分に掛ける言葉が久美の気を悪くするのではないかと美姫は気を揉んでいた。
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