<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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ーー4時間前

「美姫、準備できた?」

 扉を開けると、久美が顔を覗かせた。久美は大学に入ってから初めて出来た友達で、同じ寮住まいということもあり、親しくなった。幼馴染の薫子のように何でも話し合えるほどの仲ではないが、大学のことに限らず、日々の生活において『普通』の女子大生の有り方について教えてくれるので、幼稚舎から高等部まで金持ちの子息令嬢が通う学園にいた美姫にとっては、とても有り難い存在だ。

「うん、迎えに来てくれてありがと。わぁっ、久美、そのワンピめちゃめちゃ可愛いねっ!」

 美姫は久美の服装に目を向けた。久美は普段はカジュアルな服装をしているが、今日はグレーのモヘアのミニワンピースに真珠のネックレス、シルバーラメのクラッチバックと白のロングコートを手に持ち、特別気合いが入っているようだった。

「へへっ、一応クリパってことで、それなりにオシャレしてみましたっ♪」

 美姫といえば、大学に行く時と変わらない、ダボッとしたカシミアのセーターにショートパンツ、厚めのレギンスを履いていた。秀一の知らないところでドレスアップするのは何となく気がひけたし、今日は親しい友達だけの集まりだからと思い、普段通りの服装にすることにしたのだった。

 高価なものは、秀一から誕生日プレゼントでもらったピアスのみ。先週、ようやく念願叶ってピアスの穴を空けてきたばかりだった。今日は集まりに礼音もいるので、先日もらった銀色の熊のネックレスをしていた。

 こういう時しかつける機会ないし、今日は秀一さんは地方公演で会うこともないから、いいよね……

「じゃ、行こっか」

 美姫は玄関脇のクローゼットからダッフルコートを手に取り、扉に手を掛けた。今日は、サークル仲間でも特に仲のいい友達6人で集まって、礼音の家でクリスマスパーティーをすることになっている。

 まだ12月に入ったばかりだが、クリスマス間近では田舎に帰る子もいるし、サークルやゼミ、バイトや同窓の友達との飲み会などで忙しくなるこの時期、都合がつきやすいように早めにしよう、ということになった。

「今日、鍋パーティーだって。クリスマスって感じしないよねー」

 久美は言葉とは裏腹に、嬉しそうな口調で言った。

「大勢で集まる時は、鍋がいいよ。温まるし、私、好き」

 みんなでわいわいできるのって、いいな……
 家族や友達と集まって鍋を囲むなんてそんな経験、大学に入るまでしたことなかった。

 やはり自分は一般の家庭とは違っているのかと、美姫が少し哀愁を感じていると、久美が思い詰めた口調で話し掛けてきた。

「美姫…って、さ……」

 そう言った後で、久美は言葉を詰まらせた。

「え、なに……?」
「……」

 な、なに?急に、どうしちゃったの!?

 異様な雰囲気に包まれて美姫は居心地悪さを感じた。

 ま、まさか...秀一さんとの仲を気づかれたんじゃ......

 先日秀一と大学の近くで待ち合わせしたところを見られたのかもしれない......そんな思いで全身にひやりと冷たい汗を感じる。

 久美がようやく重い口を開いた。

「礼音と……付き合ってるの?」

 え……?

「そんなわけないじゃん!」

 ドキドキしちゃったよ……そう、だよね...秀一さんのことなわけ、ないよね。

 美姫は秀一との秘事が露呈したわけではないとわかり、心から安堵した。

「そ、そう…なの?なんか……サークルでもいつも仲いいし、付き合ってるのかと……思ってた…」
「まさか!だって、私には…」

 『秀一さんがいるんだから…』と、喉まで出かけた言葉を美姫は飲み込んだ。

「っと……他に、好きな人いるし……」

 危ない、危ない……

 久美は焦る美姫には気付かなかったようで、安心したように大きく息を吐いた。

 あれっ?……もしか、して?

「久美、礼音のことが好きなの?」

 久美は、明らかに肯定と分かるほど顔を赤らめた。

「そうだったんだ……全然、気付かなかった……」

 自分も秀一のことを全く話していないにも関わらず、親しくなったと思っていた久美から突然礼音が好きだと聞かされて、美姫は少し寂しい気持ちになった。

「私……恋愛って得意なタイプじゃないからさ。いつも礼音、女の子に囲まれてるし……遠くで見てるだけ、だったんだけど……
 最近、礼音が美姫と親しくなって、私もそれで話すようになったから……もし、美姫が礼音のことを好きじゃないなら……頑張ってみようかな、って」
「いいじゃん、いいじゃん!頑張って!私も協力するしっ、ふふっ」

 久美から恋の相談されるなんて、嬉しいな。私も秀一さんのこと、久美に話せたらいいのに……

「でも、礼音は……美姫のこと、好きかも……」
「えっ、そんな訳ないじゃん。思い過ごしだよー。礼音って女の子みんなに優しいじゃん」
「そう、かな……うん……でも、頑張ってみる。クリスマスも近づいてるしねっ」
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