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After Story3 ー怖いぐらいに幸せな……溺愛蜜月旅行❤️ー
DAY1ー10
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秀一の気配が近づく。隣に立って肩を抱かれるかと思っていたが、背中からふわっと抱かれた。彼の腕の間に挟まれ、甘く情欲的な芳香に包まれる。美姫は逞しい秀一の腕に寄り添った。
こんな風にして七日間も秀一さんを独占できるなんて、夢みたい。
一緒に暮らし始めてからも秀一は常に多忙で、1週間に1日はゆっくりとふたりで過ごす日を作る努力はしてくれているものの、長い間ふたりきりで過ごすことなどなかった。
考えてみれば、ふたりだけで長い時間一緒に過ごしたのは……あの、長野での山荘にいた時だけだった。確かに美姫は秀一といられて幸せだったが、それは薄い硝子のように儚く脆いものだった。現実からの逃避行であり、この先の未来は闇に包まれていた。
ピアニストとしての道を捨ててまで美姫への愛に生きると覚悟したのに、夢の中で彷徨うまでにピアノを強く求めた秀一。ピアノへの愛を捨てられないのに、それを必死に否定し、破壊する秀一。そんな彼が悲しくて、自分の存在が疎ましくて、いっそのこと愛する人を手にかけて、自らも命を断とうとまで思い詰めた……
あの時には、まさかこんな幸せな未来が待ち受けているなど、予想もしていなかった。
「秀一さん……私、本当に……幸せっっ」
生きていて、良かった。秀一さんが隣にいてくれて、良かったっっ……
込み上がる感情が喉を熱くし、絡ませる。
「美姫……」
秀一の手が美姫の肩におかれ、くるりと正面へと向けさせられる。彼の唇が目尻に溢れて今にも零れ落ちそうになっている水滴に触れ、掬い取る。ねっとりとした舌の感触に、美姫の感傷が一気に吹き消された。
「泣き虫は、いつまで経っても治りませんね」
だがその口調は柔らかく、慈愛に満ちている。
秀一さんも、もしかして私と同じことを考えていてくれたの?
顔を上げると、美しいグレーの瞳に自分の泣き顔が映った。と思った瞬間、
唇が重なった。
「ンッ」
「貴女という人は……もっと焦らそうとしても、耐えきれなくさせる。困った人だ。ッハァ……」
一旦顔を上げた秀一が美姫の耳元で囁き、ゾクゾクと縦に線が走る。耳朶を軽く噛まれ、ぷるぷると震える。
「ンンフッ!」
な、んで……
困らされてるのは、私の方なのに。
耳殻を尖らせた舌でなぞられ、爪先から頭の先まで電流がピリピリと走る。
「ハゥッ……だ、め……ッハァ」
「だめな反応では、ないでしょう?」
耳孔に秀一の舌が入り込み、ピチャピチャという水音が鼓膜から脳へ直接響く。
「ン。ンクッ……」
膝がガクガクと震える。触らなくても分かる。花弁が震え、その深奥から蜜が蕩け出していることが。
背筋がしなり、突き出した胸の先端が硬く尖ってくる。愛しい人に与えられる快感を求めている。
脳髄に届く水音は、淫らな欲望を増長させていく。
「泣き虫なのも相変わらずですが、感じやすいのも……相変わらず、ですね。
フフッ、違いました。以前よりも感じやすくなったのですよね、私の調教のお陰で」
愛撫の合間に囁かれ、ドクンと花芯が震える。小さなさざなみが起こり、やがてそれがドクドクと迫ってくる。
お願い。これ以上耳元で囁かれたら、私……
美姫は縋るように秀一の腕を掴んだ。
こんな風にして七日間も秀一さんを独占できるなんて、夢みたい。
一緒に暮らし始めてからも秀一は常に多忙で、1週間に1日はゆっくりとふたりで過ごす日を作る努力はしてくれているものの、長い間ふたりきりで過ごすことなどなかった。
考えてみれば、ふたりだけで長い時間一緒に過ごしたのは……あの、長野での山荘にいた時だけだった。確かに美姫は秀一といられて幸せだったが、それは薄い硝子のように儚く脆いものだった。現実からの逃避行であり、この先の未来は闇に包まれていた。
ピアニストとしての道を捨ててまで美姫への愛に生きると覚悟したのに、夢の中で彷徨うまでにピアノを強く求めた秀一。ピアノへの愛を捨てられないのに、それを必死に否定し、破壊する秀一。そんな彼が悲しくて、自分の存在が疎ましくて、いっそのこと愛する人を手にかけて、自らも命を断とうとまで思い詰めた……
あの時には、まさかこんな幸せな未来が待ち受けているなど、予想もしていなかった。
「秀一さん……私、本当に……幸せっっ」
生きていて、良かった。秀一さんが隣にいてくれて、良かったっっ……
込み上がる感情が喉を熱くし、絡ませる。
「美姫……」
秀一の手が美姫の肩におかれ、くるりと正面へと向けさせられる。彼の唇が目尻に溢れて今にも零れ落ちそうになっている水滴に触れ、掬い取る。ねっとりとした舌の感触に、美姫の感傷が一気に吹き消された。
「泣き虫は、いつまで経っても治りませんね」
だがその口調は柔らかく、慈愛に満ちている。
秀一さんも、もしかして私と同じことを考えていてくれたの?
顔を上げると、美しいグレーの瞳に自分の泣き顔が映った。と思った瞬間、
唇が重なった。
「ンッ」
「貴女という人は……もっと焦らそうとしても、耐えきれなくさせる。困った人だ。ッハァ……」
一旦顔を上げた秀一が美姫の耳元で囁き、ゾクゾクと縦に線が走る。耳朶を軽く噛まれ、ぷるぷると震える。
「ンンフッ!」
な、んで……
困らされてるのは、私の方なのに。
耳殻を尖らせた舌でなぞられ、爪先から頭の先まで電流がピリピリと走る。
「ハゥッ……だ、め……ッハァ」
「だめな反応では、ないでしょう?」
耳孔に秀一の舌が入り込み、ピチャピチャという水音が鼓膜から脳へ直接響く。
「ン。ンクッ……」
膝がガクガクと震える。触らなくても分かる。花弁が震え、その深奥から蜜が蕩け出していることが。
背筋がしなり、突き出した胸の先端が硬く尖ってくる。愛しい人に与えられる快感を求めている。
脳髄に届く水音は、淫らな欲望を増長させていく。
「泣き虫なのも相変わらずですが、感じやすいのも……相変わらず、ですね。
フフッ、違いました。以前よりも感じやすくなったのですよね、私の調教のお陰で」
愛撫の合間に囁かれ、ドクンと花芯が震える。小さなさざなみが起こり、やがてそれがドクドクと迫ってくる。
お願い。これ以上耳元で囁かれたら、私……
美姫は縋るように秀一の腕を掴んだ。
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