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After Story3 ー怖いぐらいに幸せな……溺愛蜜月旅行❤️ー
DAY1ー9
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少し前を歩いていた秀一が振り返り、手を差し伸べた。ここから、階段がある。
「うっかり足を滑らせて骨折でもされたら、せっかくの旅行が台無しになってしまいますからね」
「な、なりませんっ!!」
そう言いながらも、美姫は秀一の手をしっかり取り、ピーコックブルーの絨毯が敷き詰められた階段を導かれるように上っていった。
階段を上がった先にはローテーブルとベッドにもなる長カウチが置かれており、その先はカーテンで仕切られていた。
同じくピーコックブルーのカーテンを開くと、大きなキングサイズのベッドが鎮座している。ここが、マスターベッドルームのようだ。
ベッドの背後にウォーキングクローゼットが取り付けられており、まさしく歩けるほどの収納スペースを有していた。鏡台も備わっている。
ベッドの隣がバスルームとなっており、ジャクジー機能のついたゆったりとしたバスタブが透明なガラス越しに覗いた。
これじゃ、お風呂に入ってるところ秀一さんに見えちゃう。
一瞬そう思ったが、秀一が家にいる時には常にふたりで入るので、見えていても見えていなくても関係ないことにすぐ気がついた。
バスルームから出て、ベッドルームへと戻る。ここから下の眺めが一望出来るのは、なんとなく落ち着かない気分だ。リビングの奥のカーテンを見つめていると、隣に立つ秀一が美姫の腕を抱いた。
「ここには広いバルコニーがあるんですよ」
「えっ、そうなんですか? 見たいです!」
まだ船内の探検をしていない美姫にとって、どんな様子なのかを知るいいチャンスでもある。わくわくした表情の美姫にクスリと笑みを見せ、秀一は彼女をリードしてバルコニーへと案内する。
「風が気持ちいいっ」
バルコニーの扉を開けると、白い幾何学模様のカーテンがふわりと揺れた。海風独特の塩気を含んだ風に頰を撫でられ、太陽がいつもより近くにあるような気がして美姫は目を細めた。階下からは陽気なラテン音楽が響いている。
躰をゆったりと横たえるビーチチェア、広々とした5人がけのカウチ、ローテーブルが配されたバルコニーから下を覗くと、バスケットコートとテニスコートが眼下に広がる。1人の男の子が懸命にバスケットボールをシュートしていた。
そこから目の高さを上へと持っていくと、ジップラインがあり、その奥にはサーフ用のスライダーがある。子供のはしゃぎ声や騒めき、暖かい空気に触れ、バケーションに来たのだという高揚感をより一層演出してくれる。
「これだけではありませんよ」
秀一の言葉に、美姫は振り返った。
ローテーブルを通り過ぎた秀一の姿が見えなくなる。ここは角部屋となっており、バルコニーはこの面だけでなく、もう片側のサイドへと続いているのだ。
そこは、最初に見たベッドルームの正面となっていた。グレーの角ばった1人がけのカウチが2つ、ラブソファのような可愛いらしい丸いデザインのカウチが1つ置かれ、それぞれのカウチには白と青のストライプ柄のクッションが置かれている。
その奥には大柄な男性でも4人でゆったり入れるほどのジャクジーがあり、既に湯が溜められ、ブクブクと泡が立っていた。
「海を眺めながら、お風呂を楽しめますよ」
「素敵……」
その向かいに広がっていたのは、タンパ港の景色だった。
この船と同じく出港を待つ豪華客船やクルーズ船が何十隻も停泊している。メキシコ湾岸を挟んだ奥には銀色のビル群が林立している。なだらかな山並みの緑と太陽に反射して輝くシルバーのビル群、そして海の青のコントラストがなんとも美しい。
たった数秒歩いただけで、こんなにも景色が変わるなんて……
美姫は手摺に凭れ、風に悪戯される髪を撫でながら、タンパの街並みを見下ろした。
「うっかり足を滑らせて骨折でもされたら、せっかくの旅行が台無しになってしまいますからね」
「な、なりませんっ!!」
そう言いながらも、美姫は秀一の手をしっかり取り、ピーコックブルーの絨毯が敷き詰められた階段を導かれるように上っていった。
階段を上がった先にはローテーブルとベッドにもなる長カウチが置かれており、その先はカーテンで仕切られていた。
同じくピーコックブルーのカーテンを開くと、大きなキングサイズのベッドが鎮座している。ここが、マスターベッドルームのようだ。
ベッドの背後にウォーキングクローゼットが取り付けられており、まさしく歩けるほどの収納スペースを有していた。鏡台も備わっている。
ベッドの隣がバスルームとなっており、ジャクジー機能のついたゆったりとしたバスタブが透明なガラス越しに覗いた。
これじゃ、お風呂に入ってるところ秀一さんに見えちゃう。
一瞬そう思ったが、秀一が家にいる時には常にふたりで入るので、見えていても見えていなくても関係ないことにすぐ気がついた。
バスルームから出て、ベッドルームへと戻る。ここから下の眺めが一望出来るのは、なんとなく落ち着かない気分だ。リビングの奥のカーテンを見つめていると、隣に立つ秀一が美姫の腕を抱いた。
「ここには広いバルコニーがあるんですよ」
「えっ、そうなんですか? 見たいです!」
まだ船内の探検をしていない美姫にとって、どんな様子なのかを知るいいチャンスでもある。わくわくした表情の美姫にクスリと笑みを見せ、秀一は彼女をリードしてバルコニーへと案内する。
「風が気持ちいいっ」
バルコニーの扉を開けると、白い幾何学模様のカーテンがふわりと揺れた。海風独特の塩気を含んだ風に頰を撫でられ、太陽がいつもより近くにあるような気がして美姫は目を細めた。階下からは陽気なラテン音楽が響いている。
躰をゆったりと横たえるビーチチェア、広々とした5人がけのカウチ、ローテーブルが配されたバルコニーから下を覗くと、バスケットコートとテニスコートが眼下に広がる。1人の男の子が懸命にバスケットボールをシュートしていた。
そこから目の高さを上へと持っていくと、ジップラインがあり、その奥にはサーフ用のスライダーがある。子供のはしゃぎ声や騒めき、暖かい空気に触れ、バケーションに来たのだという高揚感をより一層演出してくれる。
「これだけではありませんよ」
秀一の言葉に、美姫は振り返った。
ローテーブルを通り過ぎた秀一の姿が見えなくなる。ここは角部屋となっており、バルコニーはこの面だけでなく、もう片側のサイドへと続いているのだ。
そこは、最初に見たベッドルームの正面となっていた。グレーの角ばった1人がけのカウチが2つ、ラブソファのような可愛いらしい丸いデザインのカウチが1つ置かれ、それぞれのカウチには白と青のストライプ柄のクッションが置かれている。
その奥には大柄な男性でも4人でゆったり入れるほどのジャクジーがあり、既に湯が溜められ、ブクブクと泡が立っていた。
「海を眺めながら、お風呂を楽しめますよ」
「素敵……」
その向かいに広がっていたのは、タンパ港の景色だった。
この船と同じく出港を待つ豪華客船やクルーズ船が何十隻も停泊している。メキシコ湾岸を挟んだ奥には銀色のビル群が林立している。なだらかな山並みの緑と太陽に反射して輝くシルバーのビル群、そして海の青のコントラストがなんとも美しい。
たった数秒歩いただけで、こんなにも景色が変わるなんて……
美姫は手摺に凭れ、風に悪戯される髪を撫でながら、タンパの街並みを見下ろした。
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