＜本編完結！AS開始＞【R１８】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

After Story１ ー甘く蕩かされるハロウィンー

１

「子供たちが来た時のために、お菓子とか用意した方がいいですか」

　メインストリートを散歩していた美姫は店先で売られている巨大なかぼちゃを見かけ、今日がハロウィンだったことを思い出し、秀一を見上げた。

　秀一は美姫の視線の先を見つめ、それがハロウィンのことを指していると知り、答えた。

「ハロウィンはケルト人ゆかりのお祭りなので、オーストリアではハロウィンの慣習はありません。
　ただ、近年は少しずつ影響を受けてかぼちゃやハロウィン関連の商品が売り出されているようですが、オーストリア人にとっては、翌日１１月１日のAllerheiligen（アラーハイリゲン：万聖節）の方が大切なのですよ」
「アラーハイリゲンって、どんな行事なんですか」

　秀一はある店の前で立ち止まった。そこには、モミや松などで作られた飾りとキャンドルが売られている。

「親族が集まって御墓参りをする行事です。ここに売られているようなものを、墓前に供えるのですよ」

　そう、なんだ……日本のお盆、みたいなものなのかな。
　それにしても、秀一さんって本当になんでも知ってる。　

　美姫は感心しながらも、少し残念な気持ちになった。

　外国に住めば、可愛い子供たちが家々をまわる「Trick or Treat?」が見られるのではないかと楽しみにしていたからだ。

　そんな美姫の気持ちを汲み取ったのか、秀一は店先で売られていた大きなかぼちゃを持ち上げた。

「でもせっかくですから、ハロウィンの気分だけでも味わいましょうか」

　にこりと笑みを浮かべた秀一に、美姫は花の綻んだような明るい笑顔で返した。

「はい！」



　秀一さんとハロウィンを過ごせるなんて、楽しみだな……