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乾いていく蜜
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大地の四十九日法要の為、大和と美姫は菩提寺である寺院へと向かった。
警察では、大地の死は完全に自殺として処理されていた。司法解剖が決まった後、大地の死が大瀧に関わっていることが分かり、上層部から圧力がかかって捜査を中断させられたという黒い噂も伝わっていた。
大和は大地の死の真相をなんとか暴きたいと思いつつも政界のことは全く分からず、かと言って父や兄にも頼りたくなく、時間が経過する中でますます真相は闇に包まれていった。
大蔵は経済産業大臣として忙しい日々に身を投じ、京香は大臣の妻になって夫婦同伴のパーティーが増えたため、来栖財閥相談役としての仕事は減らし、そちらに専念するようになった。
大樹は公設第一秘書として変わらず大蔵の元で働いており、次回の選挙では大樹も衆院選に出馬されるのではないかと囁かれている。
大和はそんな彼らとは一線を置き、あれほど親しくしていた大樹とでさえも絶縁状態となっていた。大和が彼らに会うのは、告別式以来となる。
四十九日法要には告別式の時よりも更に参列者は少なく、ごくごく身内だけの小さな集まりとなった。告別式には顔を見せていていた大瀧の姿もそこにはなく、大地の恋人であった優子も出席していなかった。
美姫から優子に連絡することは躊躇われ、優子からもなんの便りもなかった。
読経し、法話の後に僧侶が退場した。
京香の希望により大地の墓は羽鳥家代々のものではなく、個人の墓を建てることになった。だが四十九日法要までに間に合わなかったため、墓への納骨は1周忌に行うことになった。
法要がひと段落したところで会食となるのだが、大和はその前に席を立った。
「美姫、帰るぞ」
「ぇ、でも......」
絶縁状態とはいえ、大地の四十九日法要でせっかく会えた羽鳥家の人たちと義理であっても最後まで過ごした方がいいのではないかと美姫は考えていた。
「だい兄の法要は終わったんだ。俺たちがここにいる理由はもうないだろ?」
美姫にではなく、そこにいる両親や兄に聞かせるように大和は冷たく言い放つと、さっさと出て行った。
美姫は躊躇いつつも、皆に頭を下げた。
「失礼致します」
それから、急いで大和の後を追った。礼節を欠くようなことはしたくなかったが、大和の機嫌を損ねるようなことの方が避けたかった。
警察では、大地の死は完全に自殺として処理されていた。司法解剖が決まった後、大地の死が大瀧に関わっていることが分かり、上層部から圧力がかかって捜査を中断させられたという黒い噂も伝わっていた。
大和は大地の死の真相をなんとか暴きたいと思いつつも政界のことは全く分からず、かと言って父や兄にも頼りたくなく、時間が経過する中でますます真相は闇に包まれていった。
大蔵は経済産業大臣として忙しい日々に身を投じ、京香は大臣の妻になって夫婦同伴のパーティーが増えたため、来栖財閥相談役としての仕事は減らし、そちらに専念するようになった。
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四十九日法要には告別式の時よりも更に参列者は少なく、ごくごく身内だけの小さな集まりとなった。告別式には顔を見せていていた大瀧の姿もそこにはなく、大地の恋人であった優子も出席していなかった。
美姫から優子に連絡することは躊躇われ、優子からもなんの便りもなかった。
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「ぇ、でも......」
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「だい兄の法要は終わったんだ。俺たちがここにいる理由はもうないだろ?」
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「失礼致します」
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