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乾いていく蜜
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打ち上げパーティーを終え、最後の1人を見送り、スタッフに挨拶をして自宅に戻ったときにはもう夜遅くになっていた。
大和、大丈夫かな......
心配しながら扉を開けると、玄関から何か臭う。それと同時にビーッとけたたましい音をたてて、火災センサーが鳴った。
何があったの!?
美姫は慌てて靴のまま駆け出した。中に入るとキッチンから白い煙がモクモクと出ている。痛みで目を押さえながら、煙に向かって声をかける。
「大和、どうしたの!?」
煙の中に入ると、大和は火災センサーに向かってタオルを扇いでいた。
「ごめ......美姫のプレゼン成功お祝いしようと思って、ビーフシチュー作るつもりだったんだけど、気づいたら鍋焦がしててセンサー鳴ってた」
それを聞き、美姫の躰から力が抜けた。
「もぉ......何かあったんじゃないかって、心配したよ......」
まだ心臓がドクドクなっているのが全身に響いていた。
センサーが鳴り止むと、焦がしてしまった鍋はそのままに、大和が常備しているカップラーメンをふたりで食べることになった。
「ごめんな、美姫。心配かけちまって......」
謝る大和に、美姫は微笑んだ。
「大和がなんともなくてよかった。それに、初めてカップラーメン食べられたし」
「えっ、おま、カップラーメン食べたことねぇの!?」
「うん、家にいた時は佐和さんが作ってくれてたし、大学は寮生活だったからご飯ついてたし」
「おまえってお嬢様だったんだな」
「何、それ。今更?」
「ハハッ、だな......」
たとえ大和が無理をしていると知っていても、なにげない会話が嬉しかった。
食べ終わったカップラーメンの器を片付けようとすると、大和が美姫の腕を引き、抱き寄せた。
「美姫......ほんと、ごめん。今日、行けなくて......」
大和の言葉に、今日一日大和がいなかったことへの寂しさが溶かされていく。
「気にしないで。分かってるから」
微笑んだ美姫の髪を大和が掻き上げ、柔らかい唇に自らの唇を重ねた。美姫は内心動揺しつつも大和の唇を受け入れ、それに応える。
ゆっくりと何度も唇が重なった後、吐息と共に大和が漏らした。
「もっと、お前に触れたい......」
「うん......」
大和が美姫を抱き上げ、寝室への階段を上ろうとすると、美姫は小さく声を上げた。
「ぁ、シャワー......」
「このままでいいから」
大和の言葉にドキドキしつつ、美姫は素直に従った。
大和の逞しい腕に支えられながら、ゆっくりと美姫の躰がベッドに横たえられていく。美姫の心臓が高鳴り、期待が高まっていく。
こうして肌を重ねるのはいつぶりだろう......
大和が求めてくれる、その想いに応えたい。
精悍だけれど、影を背負った切ない顔が近付くと、美姫は瞼を閉じた。
大和、大丈夫かな......
心配しながら扉を開けると、玄関から何か臭う。それと同時にビーッとけたたましい音をたてて、火災センサーが鳴った。
何があったの!?
美姫は慌てて靴のまま駆け出した。中に入るとキッチンから白い煙がモクモクと出ている。痛みで目を押さえながら、煙に向かって声をかける。
「大和、どうしたの!?」
煙の中に入ると、大和は火災センサーに向かってタオルを扇いでいた。
「ごめ......美姫のプレゼン成功お祝いしようと思って、ビーフシチュー作るつもりだったんだけど、気づいたら鍋焦がしててセンサー鳴ってた」
それを聞き、美姫の躰から力が抜けた。
「もぉ......何かあったんじゃないかって、心配したよ......」
まだ心臓がドクドクなっているのが全身に響いていた。
センサーが鳴り止むと、焦がしてしまった鍋はそのままに、大和が常備しているカップラーメンをふたりで食べることになった。
「ごめんな、美姫。心配かけちまって......」
謝る大和に、美姫は微笑んだ。
「大和がなんともなくてよかった。それに、初めてカップラーメン食べられたし」
「えっ、おま、カップラーメン食べたことねぇの!?」
「うん、家にいた時は佐和さんが作ってくれてたし、大学は寮生活だったからご飯ついてたし」
「おまえってお嬢様だったんだな」
「何、それ。今更?」
「ハハッ、だな......」
たとえ大和が無理をしていると知っていても、なにげない会話が嬉しかった。
食べ終わったカップラーメンの器を片付けようとすると、大和が美姫の腕を引き、抱き寄せた。
「美姫......ほんと、ごめん。今日、行けなくて......」
大和の言葉に、今日一日大和がいなかったことへの寂しさが溶かされていく。
「気にしないで。分かってるから」
微笑んだ美姫の髪を大和が掻き上げ、柔らかい唇に自らの唇を重ねた。美姫は内心動揺しつつも大和の唇を受け入れ、それに応える。
ゆっくりと何度も唇が重なった後、吐息と共に大和が漏らした。
「もっと、お前に触れたい......」
「うん......」
大和が美姫を抱き上げ、寝室への階段を上ろうとすると、美姫は小さく声を上げた。
「ぁ、シャワー......」
「このままでいいから」
大和の言葉にドキドキしつつ、美姫は素直に従った。
大和の逞しい腕に支えられながら、ゆっくりと美姫の躰がベッドに横たえられていく。美姫の心臓が高鳴り、期待が高まっていく。
こうして肌を重ねるのはいつぶりだろう......
大和が求めてくれる、その想いに応えたい。
精悍だけれど、影を背負った切ない顔が近付くと、美姫は瞼を閉じた。
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