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乾いていく蜜
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その後は、ファッションショー形式にて新たなブランド服が紹介された。
ショーに出演するモデルには、ターゲット層である20代前半から半ばの女性に人気の雑誌のモデル、更にはアイドルや女優までを迎え、ランウェイに彼女たちが姿を見せるたびに会場からは歓声が上がった。
通常のファッションショーでは半年後のシーズン物を披露するが、ここでは6月の店舗オープンに向けて夏物のファッションが展開された。
来栖財閥のロゴである『K』が大きく入っていたり、先ほど発表されたファッションブランド『KURUSU』のロゴが大きく入ったTシャツ。2017年春夏のトレンドカラーであるビビッドピンクのラッフルが入ったスカートやリボンのついたパンツ。ガーリーなボタニカル柄のアシンメトリーのワンピース。
春夏トレンドとしては、他にも「オタク」や「レトロ」、「エクストリームシルエット」などが注目されている。だが美姫はトレンドを押さえつつも奇抜すぎない、ショーのためではなく、自分が実際に着回したくなるようなお洒落で可愛くて、着ているだけで幸せになれるような日常着を考えてデザインした。
観客たちは事前に渡されたパンフレットを手に、会場に設置された大スクリーンに映るモデルの着ている服とを見比べていた。
パンフレットはカタログにもなっており、ネットにて注文することが出来る。QRコードも掲載されている為、その場で即、スマホで読み込みすることも可能だ。観客たちは、どれを買おうか真剣に品定めしていた。
プレゼン終了1時間後にネット販売が開始されるのだが、すでにアプリを取得し、販売を今か今かと待っている者もいた。限定販売となっている服もあるため、それを手に入れようと必死なのだ。
最後に美姫が披露宴で着たウェディングドレスを着て登場すると、歓声は一層大きくなった。
ランウェイを歩く美姫は笑顔を見せながらも、ここに大和がいたら......と思わずにはいられなかった。
本当はこのショーには大和が美姫の花婿としてタキシードを着て登場し、会場を沸かせる予定だった。それが、突然大地が亡くなったことにより中止になり、美姫は一人きりで舞台に立つことになったのだった。
大和は、自宅のパソコンでプレゼンの様子を見ていると言っていた。
大和は今頃、どうしているだろう......
フラッシュが焚かれ、錘がかかったように重くなりかけた意識を戻し、美姫は再び笑顔を見せた。
プレゼンが大成功を収め、その後の打ち上げパーティーではファッションショーに出演した人気モデルやアイドル、女優も呼ばれ、華やかな賑わいを見せた。美姫は精神的疲労を感じつつも、笑顔で皆に挨拶に回り、ホステスとしての役割を果たした。
美姫の夫である大和もパーティーに参加するのではないかと期待していた者たちも多かったが、大和は最後まで現れることはなかった。
取材陣も大勢来てるから、大和がいなくてよかった。
ここに来れば、大地お兄さんのことで質問を受けることになるかもしれないから......
そう思うものの、夫婦でこの大きなイベントを成功できたお祝いをしたかったという思いも、またあった。
ショーに出演するモデルには、ターゲット層である20代前半から半ばの女性に人気の雑誌のモデル、更にはアイドルや女優までを迎え、ランウェイに彼女たちが姿を見せるたびに会場からは歓声が上がった。
通常のファッションショーでは半年後のシーズン物を披露するが、ここでは6月の店舗オープンに向けて夏物のファッションが展開された。
来栖財閥のロゴである『K』が大きく入っていたり、先ほど発表されたファッションブランド『KURUSU』のロゴが大きく入ったTシャツ。2017年春夏のトレンドカラーであるビビッドピンクのラッフルが入ったスカートやリボンのついたパンツ。ガーリーなボタニカル柄のアシンメトリーのワンピース。
春夏トレンドとしては、他にも「オタク」や「レトロ」、「エクストリームシルエット」などが注目されている。だが美姫はトレンドを押さえつつも奇抜すぎない、ショーのためではなく、自分が実際に着回したくなるようなお洒落で可愛くて、着ているだけで幸せになれるような日常着を考えてデザインした。
観客たちは事前に渡されたパンフレットを手に、会場に設置された大スクリーンに映るモデルの着ている服とを見比べていた。
パンフレットはカタログにもなっており、ネットにて注文することが出来る。QRコードも掲載されている為、その場で即、スマホで読み込みすることも可能だ。観客たちは、どれを買おうか真剣に品定めしていた。
プレゼン終了1時間後にネット販売が開始されるのだが、すでにアプリを取得し、販売を今か今かと待っている者もいた。限定販売となっている服もあるため、それを手に入れようと必死なのだ。
最後に美姫が披露宴で着たウェディングドレスを着て登場すると、歓声は一層大きくなった。
ランウェイを歩く美姫は笑顔を見せながらも、ここに大和がいたら......と思わずにはいられなかった。
本当はこのショーには大和が美姫の花婿としてタキシードを着て登場し、会場を沸かせる予定だった。それが、突然大地が亡くなったことにより中止になり、美姫は一人きりで舞台に立つことになったのだった。
大和は、自宅のパソコンでプレゼンの様子を見ていると言っていた。
大和は今頃、どうしているだろう......
フラッシュが焚かれ、錘がかかったように重くなりかけた意識を戻し、美姫は再び笑顔を見せた。
プレゼンが大成功を収め、その後の打ち上げパーティーではファッションショーに出演した人気モデルやアイドル、女優も呼ばれ、華やかな賑わいを見せた。美姫は精神的疲労を感じつつも、笑顔で皆に挨拶に回り、ホステスとしての役割を果たした。
美姫の夫である大和もパーティーに参加するのではないかと期待していた者たちも多かったが、大和は最後まで現れることはなかった。
取材陣も大勢来てるから、大和がいなくてよかった。
ここに来れば、大地お兄さんのことで質問を受けることになるかもしれないから......
そう思うものの、夫婦でこの大きなイベントを成功できたお祝いをしたかったという思いも、またあった。
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