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欲望の島 ーレナードsideー

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 すると医師が穏やかだが、はっきりと言った。

『検査を受けなければ、Desire Islandへは入れませんよ』

 そう言われれば、黙るしかない。
 
 まずは、問診表を渡された。異性愛者、同性愛者、またはバイセクシュアルであるかどうかから、SMやスカトロ、複数での性行為等の性癖、初体験はいつか、パートナーの有無、不純異性交遊、セックスの頻度等、ことこまかに書かされる。

 ルカはもうどんなことが書いてあるか既に知っている為すらすらと書き終え、診察へと入っていた。

 それから遅れて僕も基本的な診察を終え、性病の検査へと移る。

 まずは、咽頭クラミジアの検査だ。少量の食塩水が入った紙コップを渡され、それを口に含んでうがいをし、それをまた紙コップに戻す。綿棒で喉の粘膜をこする方法もあるが、こっちの方が若干精度が高いのだそうだ。しかも、非常に簡単なので、失敗も少ない。

 咽頭クラミジアは、オーラルやディープキスなどの行為で喉の粘膜に感染する。特に男性性器への口淫で、女性やゲイの喉に感染することが一番多いそうだ。

 つづいては空のコップを渡され、トイレで尿を採取するよう言われる。これは、クラミジアと淋病の検査だ。

 カーテンを開けてトイレに向かうと、ちょうどルカが採取を終えてコップを手に出てきたところだった。

『めちゃめちゃいっぱい出たぞ、ほら!』
『ッ見せんな!』
 
 ったく、小学生か......気分が悪い。

 最後に、HIV、クラミジア、梅毒、性器ヘルペス、B型肝炎、C型肝炎の検査のため、血を抜かれた。

『では、検査結果が出るまで、しばらくお待ち下さい』

 自分は絶対に性病にはかかっていないと思っていても、結果が出るまでは不安で胸がドキドキする。

 10分ほど経ち、受付の男が座っているデスクの後ろのソファで待っていた僕たちに、医師がカーテンから顔を出した。

『お二人とも陰性でした』
『ヨッシャー!』

 ルカがガッツポーズし、僕は肩の力が抜けてホッとしていた。

 男が僕たちに紙を渡した。

『では、こちらをよく読んだ上で誓約書にサインをお願いします』

 そこには、この島でのルールが書かれていた。

 この島全体がヌーディストエリアとなっており、会員と同行者は更衣室にて一切の衣服を脱ぎ、アクセサリーも外さなければいけない。ただし、従業員は会員との違いをわからせる為に制服を着ている。

 娼婦を紹介して欲しい場合は、斡旋所へ向かえば先ほど書いた問診表の内容がデータで送られているので、自分の趣向にあった相手を紹介してもらえる。その場での変更も可能だ。

 他の会員に声をかけることは違反ではないが、自分たちの責任において同意の上進めなければならない。もし何か問題が起きても、こちらでは一切関与しませんってことだ。

 従業員には業務妨害となること、つまり手を出すのは禁止だ。

 会員が同行者を連れていたり、手配した相手を伴っている時は声をかけない。

 それから、ここで見たこと、聞いたことは決して漏らさないこととある。もし漏洩した場合、社会的地位を失うことになるともあった。

 その他にも細々としたルールがあり、一番最後に日付を記入し、サインした。
 
 受付の男がブレスレットを渡した。伸縮性があり、嵌めると隙間なく手首に密着した。

『内側にバーコードがあり、支払いの際に必要になりますので失くされませんように。飲食やプール、ジム等の施設利用は無料ですが、買春やドラッグの購入、ギャンブルの賭け金、宿泊先の手配には随時料金が発生します。
 そこに書かれてある数字がロッカーの番号で、バーコードをかざすとロックができます』
『え、でも支払いって......』

 戸惑う僕に、ルカが説明する。

『同行者であるお前の支払いは、会員である俺に請求が来ることになる。つまり、俺のおごりってこと。
 ま、思いっきり楽しめ!』
『ふーん』
『っんだよ、その興味なそうな反応!』
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