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来訪
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『Islandっていっても、実際には島じゃない。城壁の外堀に幅の広い水路が張られ、跳ね橋を渡ってしか入ることが出来ないので、いつしかそう呼ばれるようになったそうだ。
中は広大な敷地を誇る一大リゾート施設となっているが、会員しか入ることは出来ない。ただし、身元の明確な上流階級の人間を1人だけ同行することが許されている。
会員になるには、同行者として最低一度は島に訪れていなければならない。つまり、他の会員からの紹介が必要で、上流階級の人間しかなれないってことだ。その後、莫大な入会金と年会費が要求される。僕は、あんたを連れて行く為に会員になった。
Desire Islandという名前の通り、そこでは皆、欲望のままに過ごすことができる。酒、ドラッグ、ギャンブル、セックス.....金さえあれば、なんでも手に入る』
『ドラッグって......犯罪でしょ!?』
美姫は予想もしていなかった言葉を聞き、動揺で声を震わせた。
『その場所は、スイスにある。スイスでは、マリファナだと10g以下の所持は1万円程度の罰金を課し、犯罪歴には残らない。その島には警察が介入できないようになっているから、そんな法律さえも意味がないらしいけど。
重度のヘロイン患者に対しては、ヘロインもしくは同じ作用のあるメタドンという薬と清潔な注射器を配布している。麻薬患者による犯罪を減らし、不衛生な注射器によるHIV感染の防止、そして薬を売れない密売組織の摘発の効果を狙ってのことだ。
Desire Islandでは、会員の為に非常に純度の高いヘロインを置いている。定期的に純度の高いヘロインを使用し続ければ、薬が切れて禁断症状に陥ることはない。だが、ヘロインの使用を続けたければそこに通い続けるか、住むしかない。
その為に、ずっとDesire Islandに暮らす会員も少なくないらしい......全財産を投じてね。そして、全財産を搾り取られた後には身包み剥がされて島から追い出されるか、抹消される』
『そ、んな......』
想定を遥かに超える恐ろしい話に美姫は顔を真っ白にし、躰を戦慄かせた。レナードの顔色も悪く、唇を震わせている。
『僕は、見たんだ。
そこに、秀一がいるのを......』
そこでいったん声を詰まらせてから、口を開いた。
『シューイチは......マリファナの匂いが充満する部屋で、たくさんの女たちに囲まれ......ック乱交に明け暮れていた。
もう全てどうでもいいと、自暴自棄になってた......』
美姫は欲望の島でたくさんの女たちと乱交する秀一を想像し、胸が引き裂かれる思いだった。
それ、でも......
『私が行ったって、秀一さんを助けることは出来ない。
だって私は......秀一さんを、裏切ったんだから』
---今更、許されるはずなど、ない。
美姫は俯き、肩を震わせた。
中は広大な敷地を誇る一大リゾート施設となっているが、会員しか入ることは出来ない。ただし、身元の明確な上流階級の人間を1人だけ同行することが許されている。
会員になるには、同行者として最低一度は島に訪れていなければならない。つまり、他の会員からの紹介が必要で、上流階級の人間しかなれないってことだ。その後、莫大な入会金と年会費が要求される。僕は、あんたを連れて行く為に会員になった。
Desire Islandという名前の通り、そこでは皆、欲望のままに過ごすことができる。酒、ドラッグ、ギャンブル、セックス.....金さえあれば、なんでも手に入る』
『ドラッグって......犯罪でしょ!?』
美姫は予想もしていなかった言葉を聞き、動揺で声を震わせた。
『その場所は、スイスにある。スイスでは、マリファナだと10g以下の所持は1万円程度の罰金を課し、犯罪歴には残らない。その島には警察が介入できないようになっているから、そんな法律さえも意味がないらしいけど。
重度のヘロイン患者に対しては、ヘロインもしくは同じ作用のあるメタドンという薬と清潔な注射器を配布している。麻薬患者による犯罪を減らし、不衛生な注射器によるHIV感染の防止、そして薬を売れない密売組織の摘発の効果を狙ってのことだ。
Desire Islandでは、会員の為に非常に純度の高いヘロインを置いている。定期的に純度の高いヘロインを使用し続ければ、薬が切れて禁断症状に陥ることはない。だが、ヘロインの使用を続けたければそこに通い続けるか、住むしかない。
その為に、ずっとDesire Islandに暮らす会員も少なくないらしい......全財産を投じてね。そして、全財産を搾り取られた後には身包み剥がされて島から追い出されるか、抹消される』
『そ、んな......』
想定を遥かに超える恐ろしい話に美姫は顔を真っ白にし、躰を戦慄かせた。レナードの顔色も悪く、唇を震わせている。
『僕は、見たんだ。
そこに、秀一がいるのを......』
そこでいったん声を詰まらせてから、口を開いた。
『シューイチは......マリファナの匂いが充満する部屋で、たくさんの女たちに囲まれ......ック乱交に明け暮れていた。
もう全てどうでもいいと、自暴自棄になってた......』
美姫は欲望の島でたくさんの女たちと乱交する秀一を想像し、胸が引き裂かれる思いだった。
それ、でも......
『私が行ったって、秀一さんを助けることは出来ない。
だって私は......秀一さんを、裏切ったんだから』
---今更、許されるはずなど、ない。
美姫は俯き、肩を震わせた。
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