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豹変
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支社の重役との顔合わせを兼ねた会食が、無事に終わった。
支社長は少し堅物すぎる感じもあったが、真面目で仕事に対して誠実で、さすが来栖財閥の海外支社トップを率いるだけあるといった印象だった。
支社長始め皆へ今日のお礼を述べ、別れの挨拶を告げたあと、横山が大和と美姫に声を掛けた。
「これからアダムたちとバーで飲みなおそうって話してるんですけど、一緒に行きませんか」
「おっ、いいな!」
大和はまだ車内でのサッカーの話が物足りなかったので、ふたつ返事だった。
「私は、遠慮しとくね。体調は戻ったけど、まだ油断は出来ないし。
先にホテルに戻ってるね」
美姫の言葉に、大和が慌てたように言い直した。
「なら、俺も一緒に帰るよ」
「大丈夫だよ。せっかくだから、横山さんたちと一緒に行ってきて」
そこへ、村田が進み出た。
「お嬢......美姫さんは、私がホテルまで送り届けますから、取締役は一緒に行ってきてください。
従業員との交流を深めることも、大切ですので」
「え、でも......」
躊躇う大和の背中を美姫が押した。
「行っておいでって。村田さんがいるし、私は大丈夫だから」
その一言で、大和は横山たちと行くことに決めた。
「あんま、遅くならないようにするから」
「気にしなくていいってば! 楽しんできて」
夜中、美姫は扉の開く音で目が覚めた。
「大和......おかえり」
その声に、大和がビクッとした。
「なんだぁ、美姫ぃ。まーだ起きてんのかぁ?」
いつもより柔らかく高い声のトーンに、美姫は戸惑った。
あれ、大和......酔ってるのかな?
どことなく、歩き方もおぼつかない感じがした。
大和がスーツも脱がず、美姫の寝ているベッドにダイブしてきた。
「みぃきぃぃぃ」
バサッ!
スプリングが思いっきり軋みながら沈む。
「ちょ、ちょっと大丈夫!? 飲み過ぎじゃない!?」
「へっへぇー、だぁいじょうぶ」
大和がお酒を飲んだのを見たのは数える程しかなかったし、泥酔したのを見るのは初めてだった。
もう、仕方ないなぁ。
美姫はベッドから半身を起こすと、力を入れて大和を転がして上向きにさせた。上着を脱がせる為、ボタンに手を掛ける。
「キャッ......」
大和が美姫の手をぐいっと引っ張り、美姫は大和の胸の上に倒れ込んだ。
「スーツ脱がないと、皺になっちゃうよ?」
心配して覗き込んだ美姫の唇を、大和の唇が塞ぐ。
「ンンッ...」
すぐに舌が入り込み、口内を蹂躙する。ビールの苦みと香辛料の香りが一気に美姫の口内に入り込み、鼻から抜けていく。煙草の匂いが染み付いたスーツでギュッと抱きしめられ、美姫の清潔な肌に染み込んでいく。
こ、んな強引な大和、初めて......
呼吸すら、させてもらえない。口を離そうとしても、後頭部を手で押さえつけられ抵抗出来ない。手で胸を押そうとしても、美姫のかよわい力ではびくともしなかった。
ドン、ドン、と拳で胸を叩くと、大和がようやく解放してくれた。
「ッハァ、ハァッ......大和、最初にスーツ、ちゃんと脱ごう? それで、シャワー浴びて来て。 ね?
私、待ってるから」
大和は膝立ちになると上着を脱ぎ捨て、シャツのボタンを荒々しく外して放り投げ、スラックスを下ろして投げ捨てた。
「俺は、待てねぇ」
支社長は少し堅物すぎる感じもあったが、真面目で仕事に対して誠実で、さすが来栖財閥の海外支社トップを率いるだけあるといった印象だった。
支社長始め皆へ今日のお礼を述べ、別れの挨拶を告げたあと、横山が大和と美姫に声を掛けた。
「これからアダムたちとバーで飲みなおそうって話してるんですけど、一緒に行きませんか」
「おっ、いいな!」
大和はまだ車内でのサッカーの話が物足りなかったので、ふたつ返事だった。
「私は、遠慮しとくね。体調は戻ったけど、まだ油断は出来ないし。
先にホテルに戻ってるね」
美姫の言葉に、大和が慌てたように言い直した。
「なら、俺も一緒に帰るよ」
「大丈夫だよ。せっかくだから、横山さんたちと一緒に行ってきて」
そこへ、村田が進み出た。
「お嬢......美姫さんは、私がホテルまで送り届けますから、取締役は一緒に行ってきてください。
従業員との交流を深めることも、大切ですので」
「え、でも......」
躊躇う大和の背中を美姫が押した。
「行っておいでって。村田さんがいるし、私は大丈夫だから」
その一言で、大和は横山たちと行くことに決めた。
「あんま、遅くならないようにするから」
「気にしなくていいってば! 楽しんできて」
夜中、美姫は扉の開く音で目が覚めた。
「大和......おかえり」
その声に、大和がビクッとした。
「なんだぁ、美姫ぃ。まーだ起きてんのかぁ?」
いつもより柔らかく高い声のトーンに、美姫は戸惑った。
あれ、大和......酔ってるのかな?
どことなく、歩き方もおぼつかない感じがした。
大和がスーツも脱がず、美姫の寝ているベッドにダイブしてきた。
「みぃきぃぃぃ」
バサッ!
スプリングが思いっきり軋みながら沈む。
「ちょ、ちょっと大丈夫!? 飲み過ぎじゃない!?」
「へっへぇー、だぁいじょうぶ」
大和がお酒を飲んだのを見たのは数える程しかなかったし、泥酔したのを見るのは初めてだった。
もう、仕方ないなぁ。
美姫はベッドから半身を起こすと、力を入れて大和を転がして上向きにさせた。上着を脱がせる為、ボタンに手を掛ける。
「キャッ......」
大和が美姫の手をぐいっと引っ張り、美姫は大和の胸の上に倒れ込んだ。
「スーツ脱がないと、皺になっちゃうよ?」
心配して覗き込んだ美姫の唇を、大和の唇が塞ぐ。
「ンンッ...」
すぐに舌が入り込み、口内を蹂躙する。ビールの苦みと香辛料の香りが一気に美姫の口内に入り込み、鼻から抜けていく。煙草の匂いが染み付いたスーツでギュッと抱きしめられ、美姫の清潔な肌に染み込んでいく。
こ、んな強引な大和、初めて......
呼吸すら、させてもらえない。口を離そうとしても、後頭部を手で押さえつけられ抵抗出来ない。手で胸を押そうとしても、美姫のかよわい力ではびくともしなかった。
ドン、ドン、と拳で胸を叩くと、大和がようやく解放してくれた。
「ッハァ、ハァッ......大和、最初にスーツ、ちゃんと脱ごう? それで、シャワー浴びて来て。 ね?
私、待ってるから」
大和は膝立ちになると上着を脱ぎ捨て、シャツのボタンを荒々しく外して放り投げ、スラックスを下ろして投げ捨てた。
「俺は、待てねぇ」
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