<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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修復できない関係

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 結婚式を夏にしたのは、その後の新婚旅行を大学の夏休み中に行けることを考えてのことでもあった。

 新婚旅行と言っても、バケーションではない。1ヶ月かけて世界中にある来栖財閥支社に顔を出したり、現地にある工場見学、大きな取引先への挨拶回りをするのだ。

 お隣韓国のソウルから始まり、上海、台北、香港、シンガポールとアジアを回ってヨーロッパへ飛び、フランクフルト、ベルリン、コペンハーゲン、アムステルダム、チューリッヒ、ミラノ、パリ、マドリッド、ロンドン。そこからアメリカへ渡り、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ロサンゼルス、最後にサンノゼから帰国となる。

 凛子も当初は一緒に回る予定だったのだが、国内での仕事があまりにも多忙の為、急遽、秘書の村田と新ロゴプロジェクトでも一緒だった海外事業部の横山が同行することになった。

 あんまり、寝られなかったな......

 昨日の夜、いつになく情熱的に躰を交えたというのに、その後あっけなく躰を背けて眠ってしまった大和の態度が気になり、美姫は十分寝付けないまま一夜を過ごした。

 私がピルを飲んでいたことを話してなかったから、大和が気分を悪くしちゃったのかな。

 隠していたわけではないし、聞かれれば答えるつもりではあった。だが、自分から言い出さなかったのは、どこかに後ろめたさがあったからというのも事実だ。

 朝起きたら、旅行に行く前にちゃんと大和と話し合おうと考えていた。大和と気まずくならない為にも、そうしなければいけないと。

 だが、予想に反して大和の態度はいつもとなんら変わらず、結局美姫は大和に昨日のことを聞くことなく、部屋を出ることになってしまった。
  
 エレベーターに乗ると、大和がお腹を押さえて項垂れた。

「ちょ、ちょっと、大和!? 大丈夫?」

 心配して覗き込む美姫の上に、大和が凭れかかる。

「あー、腹減って死にそう......昨日の夜からなんも食ってねぇとか、ありえないよな」

 美姫の思考が一瞬停止した後、プッと吹き出した。

 いつもの、大和だ。
 気にしなくても、大丈夫なんだよね......?
 ちゃんと、元どおりに戻れたんだよね?

 チェックアウトを済ませると、ロビーで朝からテンションの高い横山が出迎えてくれた。

「社長代理が僕のこと選んでくれてよかったぁー!!
 この頃、新ロゴプロジェクトの仕事にずっとつきっきりで、オフィスに閉じ籠められてたから、ようやく海外に飛べて嬉しいです! 本来は僕、海外事業部で、その中でも期待のホープって呼び声も高かったのに、もしかして忘れられてるんじゃないかって不安だったんですよね。
 はぁー、鮫島さんからも暫く解放されるし! あ、鮫島さんのことは好きですけど、やっぱり上司とずっと一緒って疲れるじゃないですか。

 今回の海外訪問では僕と村田さんが常にサポートとして側についていますので、安心して下さいね。あ、とは言っても新婚夫婦の夜の時間まで邪魔するような無粋なことはしませんので!」

 にっこりと笑みを浮かべた横山に、大和と美姫は思わず赤面し、言葉を失くした。

 横山さんって、こんなに喋る人だったんだ......今日はいつも以上にリラックスしてるように見える。

 横山の運転する車で、成田空港へと向かう。

「村田さんはもう、向こうで待ってるそうです」

 着いたのは、成田空港の第2旅客ターミナルビル横の南オペレーションセンターにある、ビジネスアビエーションターミナル プレミアゲート。今回の旅行は短い日程でたくさんの国や地域を回らなければいけない為、プライベートジェットを手配していた。

 専用ゲート出入口を目の前にし、美姫はゴクリと唾を飲み込んだ。どうしてもここに来ると、秀一との別れのことが脳裏に蘇ってしまう。

 もう、私はあの日のことを乗り越えたんだから大丈夫......

 美姫は拳を固く握ると、ゲートの中へと入っていった。
 
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