<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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サプライズ

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 その頃会場では、招待客を退屈させない為にジャズの生伴奏が入っていた。

 しっとりとした音楽が流れる中、正面にスクリーンが下ろされる。招待客の注目が集まると、大和と美姫が生まれてから今までの「ふたりの歩み」のスライドショーが流された。

 このスライドショーは京香が提案し、TV局側の意向もあり決まったのだが、大和も美姫も乗り気ではなかった。

 美姫の幼い頃の写真を紹介するには、どうしても秀一と写った写真を公開しなくてはならない。そこが、高視聴率を狙うTV局側の狙いである。

 美姫は、例え披露宴の場に秀一がいなくても、スキャンダルを利用して視聴者の興味を引くようなことは秀一との美しい思い出を汚すことになる気がして、躊躇われた。

 一方、大和は秀一のことに触れることで美姫が傷つくことを心配し、彼女の気持ちが揺さぶられるのではという不安も抱いていた。

 秀一の写真の他にも問題があった。

 中等部以降の写真は殆どが悠と薫子と一緒に写っているため、それらを公開すればふたりがカップルであることを暴露する事になる。それを避けるために彼らの写真を外せば、今度は公開できる写真がなくなってしまうのだ。

 特に大学生になってからは、大和と会う時には薫子と悠がいる時にしか会っていない。そうなると、大学生に入ってからの美姫と大和の写真はつい最近のものしかなくなってしまうため、大和と美姫が恋人同士であったのかということも疑われかねなくなってしまう。

 それらを考慮し、スライドショーを却下させようと試みたのだが、京香はこういったお宝写真こそが皆が見たがるものであり、視聴者が望むものだからと決して譲ろうとはしなかった。

「世間では、未だに美姫さんと来栖秀一の仲を疑っている人もいるわ。ここで世間の疑いを一掃する為にも、ふたりが単なる叔父と姪であることを証明するのに、これ程いい絶好の機会はないのよ。
 これからの来栖財閥の為にも、このスライドショーを流すことには大きな意味があるの」

 財閥のことを持ち出されては、美姫と大和は従うより他なかった。だが、スライドショーの作成は決定したものの、作業は一向に進まないまま日にちだけが過ぎていった。

 そんな時、披露宴の5日前になって薫子から連絡が入り、風間家の人間として悠と夫婦で披露宴に出席したいという申し出があった。

 迷ったものの、ふたりの写真をスライドショーに使ってもいいか確認すると、薫子は少し躊躇したものの、美姫と大和の為ならと承諾してもらえたのだった。食事の追加と席次の変更は披露宴の5日前までには済ませなければならなかった為、ぎりぎり間に合わせることが出来た。

 大学時代の写真については、顔は変わっていないので、このスライドショーの為に数枚写真を撮影することになり、紆余曲折を経てようやくスライドショーが完成したのだった。

 スライドショーが流れると、産まれたばかりの美姫が凛子に抱かれ、その隣に満面の笑顔を向ける誠一郎、そしてランドセルを背負った固い表情の秀一が写し出され、会場は一気にざわついた。

 秀一と写っている写真を選ぶのは辛い作業でもあったが、結果それは美姫にとって過去への決別をし、未来へと歩む為の作業ともなった。

 もちろん未だ来栖秀一とのスキャンダルは忘れられておらず、ふたりの本当の関係を疑う者や興味津々の者も中にはいた。

 そんな彼らの気持ちが、秀一が美姫を抱っこしていたり、美姫が秀一にしなだれかかって甘えていたり、美姫のままごと遊びに付き合っている秀一の写真を見ているうちに、少しずつ変化していった。そこからは、秀一が来栖家の家族として過ごし、美姫とは歳の離れた兄妹であるかのような雰囲気が溢れ出ていた。

 秀一の美姫を見つめる瞳には彼女を慈しみ、愛しく思う気持ちが滲み出ており、彼がいかに美姫を大事に思っていたのかが窺える。それは決して年少に向けた淫らな愛などではなく、純粋で尊いものであることが伝わってきた。

 京香の言った通り、このスライドショーを流すことにより、美姫と秀一の関係がいかに家族として深いものであったのかを招待客、そしてTVを見ている視聴者たちにアピールする機会となったのだった。
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