<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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サプライズ

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 14時になり、招待客が席につき、両家の両親、媒酌人が席につくといよいよ披露宴の開演である。

 会場入口の扉の前には媒酌人の大瀧夫妻が立ち、その後ろには大和と美姫が立っている。高まる緊張を胸に、司会者の長岡の言葉を待つ。

「皆様、大変お待たせ致しました。それでは、新郎新婦の登場です」

 その言葉と共に扉が両側から開かれ、強烈に明るいスポットライトが四方から照らされる。

 まずは大瀧夫妻が前に進み出てお辞儀をする。今までに何度も仲人や媒酌人の経験がある大瀧夫妻は、慣れたものだった。

「では、行きましょうか」

 中園が小声で話し掛け、美姫は頷いた。

 小さな歩幅で内股ぎみに歩きながらゆっくりと扉の前に進み出ると、腰から折るようにして会釈し、はにかむような笑みを見せた。

 わぁ......すごい人......

 前日に荷物を運び込む際に会場を見せてもらっていたが、こうして実際に招待客が座っているのを見ると、圧巻だった。

 この披露宴で、美姫は白無垢、色打ち掛け、ウェディングドレス、カラードレスと実に4着もの衣装を着ることになっていた。まるでファッションショーである。けれど、今回は友人にお祝いしてもらうというよりは、来栖財閥の跡取りとなる夫妻のお披露目といった趣向が強い為、美姫たちは甘んじることにしたのだった。

 大瀧の先導により、大和の少し後ろを美姫が大瀧夫人に手を取られ、ゆっくりと歩く。とはいえ、スポットライトの当たらない陰から中園が大瀧に次に歩くルートをその都度指示し、大瀧はそれに従って歩いているだけだった。

 美姫は少し俯き加減に歩きながら、招待者それぞれに目線を送り、軽く会釈して回った。

 招待客の中に薫子と悠の姿を見つけると、美姫は一瞬目を大きく見開き、思わず笑顔になった。薫子は控えめに手を振って微笑むと、隣に座る車椅子の悠に顔を寄せ、何か話していた。
 もちろんその様子は、TVカメラにも映っていた。

 新郎新婦席についたところで司会の長岡が結婚披露宴の開始を宣言し、招待客へのお礼と簡単な自己紹介を述べる。短い自己紹介の中にもウィットの効いたジョークが盛り込まれ、会場が一気に沸き、さすがプロの司会者といった風情だった。

 長岡が媒酌人の大瀧詠十郎を紹介し、大瀧がマイクの前に立つ。挙式が無事に終了したことを報告し、新郎新婦の紹介をする。

 そこで、大和がウェルカムスピーチを披露した。

「本日は大変お忙しい中、私たちのためにお越しいただきまして誠にありがとうございます。
 先程私たちは明治神宮の神聖なる神前におきまして、夫婦の誓いを立ててまいりました。これも、ひとえに私達を育んで下さった皆様方のお陰と感謝しております。私達は、これより夫婦として手をとりあって歩んでいける喜びとともに、その責任感に身が引き締まる思いでございます。
  ささやかではございますが、少しでも日頃の感謝の気持ちをお伝えいたしたく、お食事をご用意させていただきました。短い時間ではございますが、お楽しみいただけましたら幸いでございます」

 大和がお辞儀をすると、会場中に拍手が響いた。

 新郎側の主賓は羽鳥大蔵の後援会会長が、新婦側は東京都知事の宮川綾子が祝辞を述べた。

 来賓代表として現在の内閣総理大臣である平山三郎が祝いの挨拶を述べた後、「乾杯!」の音頭をとる。シャンパンではなく、着物に合わせて升酒での乾杯となった。

 日本酒に口をつけ、席に座って一息つきたいところだったが、そんな余裕も無く、あっというまにお色直しの為、退場となる。

「え、もう出るのか!?」

 大和が名残惜しそうに、今ちょうど運ばれた前菜を見つめる。

 ふたりは席の前に立つと、先ほどと同じように揃って会釈をした。

 華やかな舞台裏は、どこでも慌ただしい。

 慎ましやかな笑みを浮かべて退場したら、「急いで下さい!」との声に急かされ、急いで新婦控室へと駆け込む。3人がかりで次々と着物を脱がせてもらい、肌襦袢も脱ぎ去り、洋装の下着を着けたらまずはメイク落としから始める。和装と洋装ではメイクが異なるため、いったん和のメイクを全て落とさないといけないのだ。

 顔だけでなく、首、肩、腕と広範囲に渡っているため、あちこちから手が伸び、丁寧にメイクが落とされていく。美姫はされるがままだ。その間に花かんざしが外され、髪の毛が解かれると鬢付け油の匂いが漂った。

 洋装のヘアメイク担当である花井が、美姫の髪にスプレーしながら丁寧にブラッシングする。主に舞台でのヘアメイクとして活躍している花井は、あっというまに洋髪にするためにブロッキングし、髪を纏めていった。

 前髪はふわっと上げ、後ろはシニヨンにしてすっきりしたスタイルとなっていた。白薔薇が飾られ、エレガントな雰囲気が漂う。

 ウェディングドレスは絹糸を用いた手編みの総レースのドレスに、一つずつ手で縫い付けられたスワロフスキーが千個飾られている。胸元の上に紅色のラインが入り、胸元で切り替えられた真ん中の煌めくスワロフスキーとダイヤモンドのブローチの下からも紅色のリボンが後ろへと流れ、背中で蝶々結びになり、4メートルあるロングトレーンと共に垂れ下がっているデザインとなっていた。

 これは、美姫が考え、デザインしたものだった。

「はい、間に合いました!」

 花井が汗を拭いながら、声を上げた。

 30分でなんとか和装から洋装へのチェンジを済ませ、美姫は控室を後にした。 
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