<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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新たな誓い

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「美姫さんは髪の長さが十分ありますし、毛量もありますから、地毛で結うのには最適ですね。しかもこの艶! 仕上がったら、とても素敵になりますよ」

 結髪師の女性に言われ、美姫は頭を下げる事が出来ないので目を細くしながら、「ありがとうございます」とお礼を言った。

 挙式の下見をした日から、美姫は地毛で文金高島田を結うために一度も髪を切る事なく、結婚式に備えてきた。結髪師はヘアピンなどの小物を一切使う事なく、柘植櫛と瓶漬け油で髪を整え、複雑な形を仕上げていく。その匠な技術は、鏡越しに見ていても思わず感嘆の息が漏れる。

 普段見慣れているはずの自分の髪が特別な装いをほどこされるのを見ていると、だんだんと気持ちが昂ってくるのを感じた。

 いよいよ、今日は結婚式......

 誠一郎が特別に退院許可をもらえた為、美姫は前日の夜に実家に泊まり、そこから結婚式場に向かう事にした。羽鳥の家に行くつもりはないと言った大和に、一緒に来るよう提案したのだが、そんな無粋なことはしたくないと優しく送り出してくれたのだった。

 久しぶりの実家で、親子水入らずで過ごす時間。入籍を既に済ませ、大和と一緒に住んでいるとはいえ、まるで独身最後の夜かのように感じ、美姫は嬉しく思った。

 アルバムを広げ、幼い頃の思い出を語り合った。そのアルバムの写真にも、皆の記憶の中にも、確かに秀一はいた。だが、まるで記憶から「来栖秀一」の部分が切り取られたかのように、誰も彼について語る事はなかった。

 穏やかな団欒の中に流れる不自然な空気に気がつかないようにして、3人は結婚前夜を慈しむようにして過ごした。
 
 文金高島田が結い上がると、続いて化粧をほどこしていく。結髪師も化粧師も、その世界で一流と言われる人間をこの日の為に呼び寄せた。

 美姫は、結婚式を迎えるまでにどれだけ多くの人たちが関わってきたのか、そしてこの当日にもまたこれまで以上に多くの人が関わるのだろうと思うと、身が引き締まる思いだった。

 これは、ただ単に私と大和の結婚式だけじゃない。
 来栖財閥次期社長と現社長令嬢という、世間に注目されている結婚式なんだ。

 来栖財閥の名を汚す事のないよう、素晴らしい式にしなくては......

 美姫は背筋を伸ばし、下腹に力を込めた。
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