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詰問
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真剣な表情の美姫に、真奈美は心の中で狼狽えつつも、捨て台詞を吐いた。
「それでも、私には……スキャンダル起こしたその尻拭いさせるために大和の愛情を利用して、財閥の後継者とかいって騙して祭り上げて。そんな風にしか、思えん……」
そうでなきゃ、大和と付き合っとったあの頃を否定することになる。
大和と付き合っとった時、大和は私だけ愛しとったって……そう、信じたい。
だって、カラオケに行った時、大和は確かに言ってくれた。『お前と美姫を重ねて見たことはない』って。
あの時大和は、来栖美姫の身代わりなんかじゃなく、綾瀬真奈美としての私を好きでいてくれとった。
私たちは、好き合っとった。
真奈美は、背の高い美姫を斜めから睨み上げた。
「あんたは、本当に心から大和を愛しとるの? 大和のことを、裏切っとらんって言えるの?」
真奈美の視線が美姫に突き刺さる。少しでも動揺を見せれば、噛みつかれそうな勢いだ。
美姫はグッと喉を鳴らし、真奈美の視線に怯むことなく答えた。
「私は、心から大和を愛しています。大和を裏切ることはありません」
それを聞き、真奈美は唇を強く噛み締めた後、俯いた。
「大和を裏切ったら......許さんから」
彼女から放たれる空気すら、怒りを含んでピリピリと美姫の躰に伝わってくるようだった。
やがて真奈美は、美姫から背を向けた。
「陽ちゃん、私帰る」
ロゴを見せ付けるようにしてバッグを肩に担ぎ、大股で歩いて行く。
出口でくるりと振り向くと、美姫に向かって叫んだ。
「私、ずっと見張っとるでね!!」
ヒールの鳴り響く音が遠ざかっていき、美姫はフーッと細く息を吐いた。
あの娘、本当に大和のこと好きなんだ......
陽子が申し訳なさそうに首を竦めた。
「真奈ちゃん普段はあんな感じじゃないんだけど。羽鳥くんのこととなると、冷静にいられなくなっちゃうみたいで......ごめんね」
「ううん、陽子さんが謝ることじゃないから」
美姫は口角を上げたものの、その笑みは引き攣っていた。
「それでも、私には……スキャンダル起こしたその尻拭いさせるために大和の愛情を利用して、財閥の後継者とかいって騙して祭り上げて。そんな風にしか、思えん……」
そうでなきゃ、大和と付き合っとったあの頃を否定することになる。
大和と付き合っとった時、大和は私だけ愛しとったって……そう、信じたい。
だって、カラオケに行った時、大和は確かに言ってくれた。『お前と美姫を重ねて見たことはない』って。
あの時大和は、来栖美姫の身代わりなんかじゃなく、綾瀬真奈美としての私を好きでいてくれとった。
私たちは、好き合っとった。
真奈美は、背の高い美姫を斜めから睨み上げた。
「あんたは、本当に心から大和を愛しとるの? 大和のことを、裏切っとらんって言えるの?」
真奈美の視線が美姫に突き刺さる。少しでも動揺を見せれば、噛みつかれそうな勢いだ。
美姫はグッと喉を鳴らし、真奈美の視線に怯むことなく答えた。
「私は、心から大和を愛しています。大和を裏切ることはありません」
それを聞き、真奈美は唇を強く噛み締めた後、俯いた。
「大和を裏切ったら......許さんから」
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あの娘、本当に大和のこと好きなんだ......
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「真奈ちゃん普段はあんな感じじゃないんだけど。羽鳥くんのこととなると、冷静にいられなくなっちゃうみたいで......ごめんね」
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