＜本編完結！AS開始＞【R１８】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

首痕

３

　唯一の頼りであり、救いが大和だった。彼の自宅も当然マスコミに知られ、美姫と同じく連日のように追い掛け回される日々を過ごしていたのだが、そんな攻勢にも大和は負けることはなかった。幸い、大学が春休み中だったこともあり、毎日のように美姫を訪ねて一緒に過ごし、外にも連れ出してくれた。

　大和と一緒にいる時には不安や恐怖を一時的にでも忘れ、安心して過ごすことが出来た。

　だが、大和が家に帰り、ひとりになると、美姫は家に閉じこもっているしかなかった。カーテンを閉めきり、テレビさえつけず......暗い部屋の片隅で、ただただ怯えて過ごした。
　大和の優しさは支えとはなったが、秀一との関係を断ち、マスコミに追い込まれ、世間からの目に怯え、精神的にダメージを受けている美姫にとって、それは十分な支えとは言えなかった。

　ある日、大和と誠一郎の見舞いに行った帰り道。病院の駐車場で車に乗り込もうとしていた美姫を、隣の車の脇に隠れていた女性がいきなり現れ、ナイフで切りつけてきた。

「美姫っ！！」

　大和が咄嗟に気づき、女性からナイフを奪ったため、手首を軽く掠めただけで済んだ。

「あんたのせいで秀一様は！　あんたがいなければ！！
　殺してやる！殺してやる！殺してやるーーー！！　離せ！離し、てぇぇぇ！！」

　半狂乱になって叫びながら警備員に連行されていく女性を見つめ、美姫は恐怖で身を竦ませた。

「ﾊｯﾊｯﾊｯﾊｯﾊｯﾊｯ」

　全身が震え、過呼吸になり、心臓がバクバクと響き、耳鳴りがキーンと頭にこだまする。

　美姫はもう、限界だった。

「お、おい！　美姫、しっかりしろ！！」

　意識を失った美姫は、大和の腕の中に倒れ込んでいた。

「こんな状態になるまで、お前を追い詰めちまってごめん。
　なぁ......俺と一緒に住め。お前が、心配なんだ」

　意識を戻した美姫に、大和は眉を寄せ、苦しげにそう告げた。

　どうして、大和が謝るの。大和はなにも、悪くないのに......

　美姫の目尻から、涙が湧き上がる。

「大和に、一緒にいて欲しい。ひとりに、なりたくない......ｯｸ」

　弱気な言葉は吐きたくなかったのに。
　どうしてこの人といると、私はこうも弱い自分を曝け出してしまうのだろう。

　大和は黙って、美姫の頭に柔らかく手を置いた。