＜本編完結！AS開始＞【R１８】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

崩れゆく世界

６

　桃源郷だと信じた世界が崩れていく。美姫は、もうここが夢見た世界ではないことを知った。

「私と貴女の仲は、誰にも邪魔させません。
　誰にも......私たちの世界には、入り込ませない」

　秀一が唇を寄せる。

　しゅ、いち......さん。
　これは、貴方が本当に望んでいた世界なのですか？

　桃源郷というベールが剥がれたその先にある、復讐と狂気と欲望。

　わた、しは......私は......

　秀一に愛撫されながら、溢れる涙が止まらない。

　秀一の舌が、美姫の涙を掬い取る。

「愛しい私の美姫。貴女は、誰にも渡しません。
　永遠に、私だけのもの......」
「ｳｯ......ｯｸﾞ......ｳｩｯ......」

　美姫の脳裏に暗い思いが浮かび上がる。

　狂気に染まった愛の行く末は......破滅への道しか残されていない。


　それなら、いっそ......ふたりで死ねば、楽になるだろうか。


　美姫は、自分の上で美しい裸体を揺らす秀一を切ない瞳で見上げた。秀一が美姫の視線に気づき、ライトグレーの瞳を向けた。

「ｯﾊｧ...美姫......」

　欲情に濡れた瞳で見つめられ、名前を呼ばれるだけで、美姫の血液が沸騰し、ドクドクと脈うつ。

　秀一さんが、どんなに冷酷な一面を持っていることを知っていても、恐ろしいほどの狂気を孕んでいても、この人への愛は、揺るぐことはない。
　私は、何があっても秀一さんを愛している。

　だから......
　秀一さんになら、殺されても構わない。

　愛する人を瞳に焼き付けながら、見つめられて死ねるのなら、幸せ、かもしれない......

　美姫は秀一の両手を掴んで引き寄せると、自身の白く華奢な細い首へと誘った。

　殺して、下さい......私を。
　この世で結ばれることのない運命なら、今ここで命が果てても構わない。

　美姫は訴えるように、秀一を見上げた。

　美姫に誘導された秀一の指が、美姫の首筋をなぞる。まるで陶器のように白く滑らかな肌に、秀一の美しい指が回った。

　秀一の美麗な顔が寄せられ、美姫は心臓の爆動を感じながら、息を詰めて彼を見つめた。

「なんと華奢な首でしょう......」

　秀一が舌を伸ばし、美姫の首筋を舌先でねっとりとなぞる。

「ｯｸﾌｩ......」

　快感がゾクゾクと背中を走り、美姫は首筋を緊張させた。

　だが、秀一の手に力が込められることはなく、その手は首から肩へ、そして艶かしいカーブを描く膨らみへとおりていった。

「私が愛しい美姫を手に掛けるなど、出来るはずないでしょう？」

　秀一が耳元で甘く囁いた。

「貴女は私の唯一の光。その光を失うことなど、耐えられません。

　それとも......貴女が、終わりにしますか」

　秀一は、美姫の両手を掴むと、先ほど美姫がしたように手を秀一の首へと誘導した。

「さぁ、どうぞ」