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桃源郷
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戻ってきた秀一の手には赤ワインの入ったワイングラスと、葡萄が盛られたグラスの器があった。
サイドテーブルがないので、ワイングラスとフルーツの器をベッドの下に置く。
「美姫、こちらにおいでください」
その言葉に従い、美姫が秀一に躰を寄せると、彼の膝の上に乗せられ、横抱きにされた。頭を持ち上げられたかと思った途端、熱い舌が滑り込む。
「ンッ...ンンウッ」
唇と唇をぴったりと合わせ、呼吸さえも奪うような濃厚な交わり。気怠かった躰が一気に覚醒させられ、全身が熱く火照り、ドクドクと脈打つ。呼吸が出来なくて苦しいのに、渇望したくなるほど凄い快感が美姫の全身を熱く巡る。
美姫は縋るように、秀一の腕を指先に絡ませた。
秀一が唇を解放した途端、美姫は「ッハァ!!!」と大きく息を吸い込んだ。
「ッハァ、ハァッ、ハァッ......」
呼吸を整えている間に、秀一は美姫を抱いたまま躰を傾け、ベッドの下に置いたワイングラスへと手を伸ばした。ステムに人差し指を絡めてから、包み込むようにしてボウル部分を支える。
日本ではステム(脚の部分)を持つのが正しいマナーとされているが、ボウル部分をもつのが国際的なマナーだ。
優美にグラスを傾け、ワインを含むとじっくりと口の中で転がした。芳醇な赤ワインの匂いがワイングラスと秀一の唇から漂い、妖艶な空気が部屋中を満たしていく。
秀一が空いている手で美姫の後頭部を支えたのを合図に、彼女は口を少し開いた。秀一が目を細め、その美麗な顔が美姫へと寄せられる。美姫の心臓がバクバクと高鳴り、目を閉じてしまいたいほど恥ずかしいと思うのに、秀一の美しい顔から目を逸らすことが出来ないまま、魅入られる。
秀一が口を窄め、口の中の赤ワインが少しずつ美姫の口へと移されていく。秀一の愛液と絡み合って濃度を増したそれは、芳醇な香りと味わいで美姫を躰の芯から熱くさせる。
互いの口を繋ぐように、赤い糸が引いていた。
秀一の唇が、少しずつ離れていく。零れ落ちる高度が高くなり、それは細く赤い滝のようにも見えた。
なんて......甘美な行為、なの......
少しずつ送り込まれる赤ワインを飲み下しながら陶酔していると、不意に赤ワインが唇の端に零れ落ち、撒き散らされた。
「ぁっ!!」
口に含んでいた赤ワインを全て移し終えた秀一が、艶やかに笑みを見せた。
「指で、掬って舐めて下さい」
美姫は人差し指をおずおずと伸ばし、唇の端や頬を伝う赤ワインを掬い、舌をゆっくりと出してその上に乗せた。もう一度、零れ落ちたワインを掬い上げ、今度は舌の上に指を這わせていく。
「あぁ.....なんと艶かしい姿でしょう」
更に良く見えるようにと、秀一が美姫をしっかりと抱きかかえた。
秀一の甘い言葉と力強い抱擁が、美姫の行為に拍車をかける。舌を使ってチロチロと指を舐め、それから指の付け根から先端まで、舌を添わせていく。秀一の熱い欲情を含んだ眼差しで見つめられているだけで、美姫は絶頂に達しそうなほどの快感を感じていた。下腹部が熱くなり、秘部がドクンドクンと力強く脈を打つのが響く。
「ッハァ......」
噎せるほどの雌の匂いが内側から放たれていくのが分かる。
美姫は、切ない瞳で秀一を見つめた。秀一の瞳に野生の炎が燃え上がるのを見て、美姫の全身が期待で疼く。
躰を傾けてグラスをベッドの下へ戻した秀一は、美姫の指を口の中へと咥えるように誘導する。秀一の手によって口の中で抽送される指は、行為を疑似するようだ。
「ッハ...ハァッ、ハァッ......」
擬似行為は妄想の中で現実となり、それに従って腰が浮き沈みし、花芯が細かく震え、蜜壺からねっとりとした濃い蜜が滴り落ちる。その部分に触れていないのに、痙攣が大きくなり、快感の波が高まっていくのが全身に伝わって来る。
「ゃ......ッハァ、い...イくぅ......ッハ!!!......ン、だめェ」
歯の隙間から言葉を漏らした美姫に、秀一は妖しく美しい表情で美姫に迫った。
「もっと、快感の深みへ......」
サイドテーブルがないので、ワイングラスとフルーツの器をベッドの下に置く。
「美姫、こちらにおいでください」
その言葉に従い、美姫が秀一に躰を寄せると、彼の膝の上に乗せられ、横抱きにされた。頭を持ち上げられたかと思った途端、熱い舌が滑り込む。
「ンッ...ンンウッ」
唇と唇をぴったりと合わせ、呼吸さえも奪うような濃厚な交わり。気怠かった躰が一気に覚醒させられ、全身が熱く火照り、ドクドクと脈打つ。呼吸が出来なくて苦しいのに、渇望したくなるほど凄い快感が美姫の全身を熱く巡る。
美姫は縋るように、秀一の腕を指先に絡ませた。
秀一が唇を解放した途端、美姫は「ッハァ!!!」と大きく息を吸い込んだ。
「ッハァ、ハァッ、ハァッ......」
呼吸を整えている間に、秀一は美姫を抱いたまま躰を傾け、ベッドの下に置いたワイングラスへと手を伸ばした。ステムに人差し指を絡めてから、包み込むようにしてボウル部分を支える。
日本ではステム(脚の部分)を持つのが正しいマナーとされているが、ボウル部分をもつのが国際的なマナーだ。
優美にグラスを傾け、ワインを含むとじっくりと口の中で転がした。芳醇な赤ワインの匂いがワイングラスと秀一の唇から漂い、妖艶な空気が部屋中を満たしていく。
秀一が空いている手で美姫の後頭部を支えたのを合図に、彼女は口を少し開いた。秀一が目を細め、その美麗な顔が美姫へと寄せられる。美姫の心臓がバクバクと高鳴り、目を閉じてしまいたいほど恥ずかしいと思うのに、秀一の美しい顔から目を逸らすことが出来ないまま、魅入られる。
秀一が口を窄め、口の中の赤ワインが少しずつ美姫の口へと移されていく。秀一の愛液と絡み合って濃度を増したそれは、芳醇な香りと味わいで美姫を躰の芯から熱くさせる。
互いの口を繋ぐように、赤い糸が引いていた。
秀一の唇が、少しずつ離れていく。零れ落ちる高度が高くなり、それは細く赤い滝のようにも見えた。
なんて......甘美な行為、なの......
少しずつ送り込まれる赤ワインを飲み下しながら陶酔していると、不意に赤ワインが唇の端に零れ落ち、撒き散らされた。
「ぁっ!!」
口に含んでいた赤ワインを全て移し終えた秀一が、艶やかに笑みを見せた。
「指で、掬って舐めて下さい」
美姫は人差し指をおずおずと伸ばし、唇の端や頬を伝う赤ワインを掬い、舌をゆっくりと出してその上に乗せた。もう一度、零れ落ちたワインを掬い上げ、今度は舌の上に指を這わせていく。
「あぁ.....なんと艶かしい姿でしょう」
更に良く見えるようにと、秀一が美姫をしっかりと抱きかかえた。
秀一の甘い言葉と力強い抱擁が、美姫の行為に拍車をかける。舌を使ってチロチロと指を舐め、それから指の付け根から先端まで、舌を添わせていく。秀一の熱い欲情を含んだ眼差しで見つめられているだけで、美姫は絶頂に達しそうなほどの快感を感じていた。下腹部が熱くなり、秘部がドクンドクンと力強く脈を打つのが響く。
「ッハァ......」
噎せるほどの雌の匂いが内側から放たれていくのが分かる。
美姫は、切ない瞳で秀一を見つめた。秀一の瞳に野生の炎が燃え上がるのを見て、美姫の全身が期待で疼く。
躰を傾けてグラスをベッドの下へ戻した秀一は、美姫の指を口の中へと咥えるように誘導する。秀一の手によって口の中で抽送される指は、行為を疑似するようだ。
「ッハ...ハァッ、ハァッ......」
擬似行為は妄想の中で現実となり、それに従って腰が浮き沈みし、花芯が細かく震え、蜜壺からねっとりとした濃い蜜が滴り落ちる。その部分に触れていないのに、痙攣が大きくなり、快感の波が高まっていくのが全身に伝わって来る。
「ゃ......ッハァ、い...イくぅ......ッハ!!!......ン、だめェ」
歯の隙間から言葉を漏らした美姫に、秀一は妖しく美しい表情で美姫に迫った。
「もっと、快感の深みへ......」
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