<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

文字の大きさ
上 下
448 / 1,014
復讐の誓い ー久美回想ー

13

しおりを挟む
 翌日、大学の講義が終わった後、礼音の様子を見にアパートに向かった。

 礼音の凄惨な姿を発見したあの日以来、私は大学が終わると毎日礼音のアパートに通っていた。

 いつも礼音は、暗い部屋の隅で怯えたように座っている。私が無理やりご飯を食べさせ、お風呂に入れてあげ、失禁の始末もした。

 匠や勝、麻子だけでなく、大学で礼音と親しかったみんなが、礼音はどうしているのかと心配していたが、私は礼音のことは知らないフリをした。

 私が家にいる時に、匠と勝がアパートを訪ねて来たこともあった。

『おーい、礼音いるのかー』
『心配だから、顔だけでも見せろよー』

 何度もインターホンが鳴らされ、扉がドンドン叩かれる。無表情で座る礼音の横で声を潜め、ドキドキしながらふたりが諦めて帰って行くのを待った。

 礼音の家の近くまで来ると、古びたアパートには似つかわしくない真っ黒な車が停まっているのに気がついて、思わず身を隠した。電柱からじっと見つめていると、車の中にはふたりの男がいるのが見える。

 あのアパートに住んでいるのは殆ど大学生だ。遠目からなのでよく分からないけど、どう見ても大学生にも、また、その保護者にも見えない。

 やがて、助手席に座っていた男が車から降りた。

 アパートへと向かうと、男は礼音の部屋の前で止まった。

 ッ!!!

 私の心臓がドクン、と勢いよく跳ね上がり、ドクドクドクドクと早鐘を打つ。

 インターホンを鳴らし、何も反応がないのを確認すると、今度は台所の小窓から中の様子を窺っているようだ。それからポケットから鍵を取り出し、ドアノブに差し込んで開け、中に入った。

 何を、してるんだろう......

 考える間もなく、男が扉の奥に消えてから、1分も経たないうちに出てきた。

 それからまた車に戻り、少し運転手の男と話した後、緩やかに発進する。

 あ、行っちゃう!!! そ、そだ、証拠......

 慌ててスマホを取り出して撮影モードにすると、既に小さくなった車の後ろ姿をズーム最大にしてなんとか捉えることが出来た。

 車が角を曲がるまで見送っても、私の鼓動は収まらなかった。

 絶対に、礼音の知り合いじゃない......
 あの人たち、礼音の様子を調べてるようだった。鍵まで持ってるなんて、あいつらが礼音を襲った犯人に違いない。

 私は周りをキョロキョロと見回してから、こそこそと礼音のアパートへと向かった。

 鍵を開け、部屋の中に入ると、相変わらず礼音は部屋の片隅で座っていた。

『礼音......』

 小さな声で呼びかけると、ビクリと肩が震え、こちらを見上げた。いつもは呼びかけても振り向きもしないのに、今日は縋るような目つきで見てきた。

 礼音の元へと駆け寄ると、礼音が震えているのが分かった。

『こ、怖い......ッグ...こ、こわっっ......ッグ、ウゥッ......』

 子供のように泣きじゃくる礼音を抱き締める。

 怖がる礼音の姿を見て、私は確信した。

 やっぱり、あの男たちが礼音を襲った犯人だったんだ。

『大丈夫。大丈夫だから......
 礼音、ここにいるよ。私は、ずっとあなたの側にいる......

 礼音は、私が守るから』

 礼音を抱き締める腕に、力を込めた。

 あの男たちが犯人だとしたら、来栖秀一は無関係ってこと?
 それとも......あの男たちが、来栖秀一の共犯ってこと......?
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

義妹のミルク

笹椰かな
恋愛
※男性向けの内容です。女性が読むと不快になる可能性がありますのでご注意ください。 母乳フェチの男が義妹のミルクを飲むだけの話。 普段から母乳が出て、さらには性的に興奮すると母乳を噴き出す女の子がヒロインです。 本番はありません。両片想い設定です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...