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復讐の誓い ー久美回想ー
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翌日、大学の講義が終わった後、礼音の様子を見にアパートに向かった。
礼音の凄惨な姿を発見したあの日以来、私は大学が終わると毎日礼音のアパートに通っていた。
いつも礼音は、暗い部屋の隅で怯えたように座っている。私が無理やりご飯を食べさせ、お風呂に入れてあげ、失禁の始末もした。
匠や勝、麻子だけでなく、大学で礼音と親しかったみんなが、礼音はどうしているのかと心配していたが、私は礼音のことは知らないフリをした。
私が家にいる時に、匠と勝がアパートを訪ねて来たこともあった。
『おーい、礼音いるのかー』
『心配だから、顔だけでも見せろよー』
何度もインターホンが鳴らされ、扉がドンドン叩かれる。無表情で座る礼音の横で声を潜め、ドキドキしながらふたりが諦めて帰って行くのを待った。
礼音の家の近くまで来ると、古びたアパートには似つかわしくない真っ黒な車が停まっているのに気がついて、思わず身を隠した。電柱からじっと見つめていると、車の中にはふたりの男がいるのが見える。
あのアパートに住んでいるのは殆ど大学生だ。遠目からなのでよく分からないけど、どう見ても大学生にも、また、その保護者にも見えない。
やがて、助手席に座っていた男が車から降りた。
アパートへと向かうと、男は礼音の部屋の前で止まった。
ッ!!!
私の心臓がドクン、と勢いよく跳ね上がり、ドクドクドクドクと早鐘を打つ。
インターホンを鳴らし、何も反応がないのを確認すると、今度は台所の小窓から中の様子を窺っているようだ。それからポケットから鍵を取り出し、ドアノブに差し込んで開け、中に入った。
何を、してるんだろう......
考える間もなく、男が扉の奥に消えてから、1分も経たないうちに出てきた。
それからまた車に戻り、少し運転手の男と話した後、緩やかに発進する。
あ、行っちゃう!!! そ、そだ、証拠......
慌ててスマホを取り出して撮影モードにすると、既に小さくなった車の後ろ姿をズーム最大にしてなんとか捉えることが出来た。
車が角を曲がるまで見送っても、私の鼓動は収まらなかった。
絶対に、礼音の知り合いじゃない......
あの人たち、礼音の様子を調べてるようだった。鍵まで持ってるなんて、あいつらが礼音を襲った犯人に違いない。
私は周りをキョロキョロと見回してから、こそこそと礼音のアパートへと向かった。
鍵を開け、部屋の中に入ると、相変わらず礼音は部屋の片隅で座っていた。
『礼音......』
小さな声で呼びかけると、ビクリと肩が震え、こちらを見上げた。いつもは呼びかけても振り向きもしないのに、今日は縋るような目つきで見てきた。
礼音の元へと駆け寄ると、礼音が震えているのが分かった。
『こ、怖い......ッグ...こ、こわっっ......ッグ、ウゥッ......』
子供のように泣きじゃくる礼音を抱き締める。
怖がる礼音の姿を見て、私は確信した。
やっぱり、あの男たちが礼音を襲った犯人だったんだ。
『大丈夫。大丈夫だから......
礼音、ここにいるよ。私は、ずっとあなたの側にいる......
礼音は、私が守るから』
礼音を抱き締める腕に、力を込めた。
あの男たちが犯人だとしたら、来栖秀一は無関係ってこと?
それとも......あの男たちが、来栖秀一の共犯ってこと......?
礼音の凄惨な姿を発見したあの日以来、私は大学が終わると毎日礼音のアパートに通っていた。
いつも礼音は、暗い部屋の隅で怯えたように座っている。私が無理やりご飯を食べさせ、お風呂に入れてあげ、失禁の始末もした。
匠や勝、麻子だけでなく、大学で礼音と親しかったみんなが、礼音はどうしているのかと心配していたが、私は礼音のことは知らないフリをした。
私が家にいる時に、匠と勝がアパートを訪ねて来たこともあった。
『おーい、礼音いるのかー』
『心配だから、顔だけでも見せろよー』
何度もインターホンが鳴らされ、扉がドンドン叩かれる。無表情で座る礼音の横で声を潜め、ドキドキしながらふたりが諦めて帰って行くのを待った。
礼音の家の近くまで来ると、古びたアパートには似つかわしくない真っ黒な車が停まっているのに気がついて、思わず身を隠した。電柱からじっと見つめていると、車の中にはふたりの男がいるのが見える。
あのアパートに住んでいるのは殆ど大学生だ。遠目からなのでよく分からないけど、どう見ても大学生にも、また、その保護者にも見えない。
やがて、助手席に座っていた男が車から降りた。
アパートへと向かうと、男は礼音の部屋の前で止まった。
ッ!!!
私の心臓がドクン、と勢いよく跳ね上がり、ドクドクドクドクと早鐘を打つ。
インターホンを鳴らし、何も反応がないのを確認すると、今度は台所の小窓から中の様子を窺っているようだ。それからポケットから鍵を取り出し、ドアノブに差し込んで開け、中に入った。
何を、してるんだろう......
考える間もなく、男が扉の奥に消えてから、1分も経たないうちに出てきた。
それからまた車に戻り、少し運転手の男と話した後、緩やかに発進する。
あ、行っちゃう!!! そ、そだ、証拠......
慌ててスマホを取り出して撮影モードにすると、既に小さくなった車の後ろ姿をズーム最大にしてなんとか捉えることが出来た。
車が角を曲がるまで見送っても、私の鼓動は収まらなかった。
絶対に、礼音の知り合いじゃない......
あの人たち、礼音の様子を調べてるようだった。鍵まで持ってるなんて、あいつらが礼音を襲った犯人に違いない。
私は周りをキョロキョロと見回してから、こそこそと礼音のアパートへと向かった。
鍵を開け、部屋の中に入ると、相変わらず礼音は部屋の片隅で座っていた。
『礼音......』
小さな声で呼びかけると、ビクリと肩が震え、こちらを見上げた。いつもは呼びかけても振り向きもしないのに、今日は縋るような目つきで見てきた。
礼音の元へと駆け寄ると、礼音が震えているのが分かった。
『こ、怖い......ッグ...こ、こわっっ......ッグ、ウゥッ......』
子供のように泣きじゃくる礼音を抱き締める。
怖がる礼音の姿を見て、私は確信した。
やっぱり、あの男たちが礼音を襲った犯人だったんだ。
『大丈夫。大丈夫だから......
礼音、ここにいるよ。私は、ずっとあなたの側にいる......
礼音は、私が守るから』
礼音を抱き締める腕に、力を込めた。
あの男たちが犯人だとしたら、来栖秀一は無関係ってこと?
それとも......あの男たちが、来栖秀一の共犯ってこと......?
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