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来訪者

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「では、背中を向いて頂けますか」

 背中が弱い美姫はその言葉に躊躇ったが、秀一の前では抵抗など意味がないと分かっているので、素直に応じた。

 あぁ......つい先日、弱くて脆くて心細そうな秀一さんを見たのが嘘みたい......

 俯せになっていると背中に秀一の気配を感じ、それだけで細かく背中から全身へと粟立ちが起こる。浮き上がったシーツの塊が花芽に刺激を与え、それを擦り付けたくてたまらない衝動に駆られる。

 た、耐えないと......だ、ダメ...理性を保つんだ......

 秀一の顔が寄せられる気配を背中に感じた瞬間、吐息がかかった。

「ハァァァァァ!!!!!」

 突然の出来事に、声を抑える余裕などなく、思いっきり上げた声が静寂に満ちた部屋に響き渡った。

「ふふっ、まだ何もしてませんよ」

 秀一は実に楽しそうだ。

 指先がツツーッと背中の上部から下部へと触れるか触れないかの微妙な間合いで下りてくると、美姫の背中は面白いほどビクビクと震えた。

「も、もぉぉぉぉぉ......だぁ、めぇぇぇっっ!!!!!」

 息を思いっきり吸い込んでから歯をガチガチと震わせ、両手でシーツを強く握り締め、快感の波が高まっていくのを必死で耐える。ドクドクと脈動を打つ秘部は、美姫の理性を簡単に押しのけてしまいそうな程に大きくなり、今にも呑み込まれそうだった。

 美姫はくるりと躰を反転させて仰向けになると半身を起こした。

「これ以上されたら、私......!!!」

 勢い込んだものの、秀一と視線が交わった途端、羞恥を感じて黙り込んだ。

「............」
「これ以上されたら...どうなってしまうんですか?」

 秀一のフレームがキラリと光り、その奥のライトグレーの瞳が妖しく揺らめいた。

「わ、私...も、もう......」
「もう?」

 美姫は、言葉で伝える代わりに秀一の首にしがみつくと、唇を奪った。形の良いバストを秀一の逞しい胸板に擦り付けるようにし、唇を角度を変えながら幾度も啄むように口づける。

「んっ、んっ......ンフ......」

 鼻から漏れる美姫の吐息はどんどん甘さを増していく。

 唇を離し、乱れた呼吸を整えながら秀一と瞳を絡ませる。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ......」
「いけないお客様ですね。マッサージの途中に......」

 秀一の言葉に、美姫は真っ赤になって俯いた。だがその顔は、秀一の親指と人差し指によってくいっと上げられることになる。

「誘ったのは、貴女ですからね。責任を取って下さい......」

 秀一の唇が寄せられると、それが合図であるかのようにお互い口を半開きにし、舌を滑り込ませる。

 秀一の腕が美姫の背中に回り、ぐっと引き寄せた。今までよりも更に強い刺激が美姫の胸の膨らみの先端に伝わる。

 大袈裟な程にお互い躰を揺らし合いながら激しい口づけに没頭すると、蕾が秀一のシャツと摩擦し、擦れるその刺激でドクドクと花芽が欲を膨らませていく。

 ッハァッ...き、もちいい......

 秀一が美姫の華奢な躰をベッドへと優しく押し倒し、覆い被さる。

「ッハァ...本当に、貴女を癒すだけのつもりでしたが......貴女といると、私の欲情は抑えきれなくなってしまう。貴女に触れていると、全てが欲しくなる......」

 美姫は秀一の首に回した腕に力を込めた。

「しゅ...いち、さん......欲っして...求めて下さい、私を。それが、私の存在意義だから......
 私も、秀一さんに触れられると全て欲しくなる......」

 潤んだ瞳で美姫に見つめられた秀一に野生の雄の本能の光が灯った。

「では、マッサージではなく、別の方法で貴女を癒させて下さい......」
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