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来訪者
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だ、ダメ...絶対に私......身が持たなくなる......
「やっぱり、今夜は...」
断ろうとした美姫の言葉を遮るかのように、秀一の掌が美姫の左右の鎖骨に触れた。
「ッハ!」
途端に、もう逆らう気力は失われた。
秀一の親指が鎖骨の窪んでいる鎖骨リンパ節を押さえ、グリグリと押しほぐした。美姫はその刺激に普通以上に反応してしまうのを肌で感じていた。
今度は掌で鎖骨の中心から外側へとリンパに沿って掌で押し流す。アロマオイルの心地よい香りが鼻腔にすぅっと入り込み、途端にふわっと躰が浮き上がるような軽さを覚える。
嗅覚が脳に神経を通じて伝わり、そこで花が咲いたように幸せな心地に包まれる。
「は、ぁぁぁ......」
秀一の掌の圧は痛くもなく、かといって緩すぎず、絶妙だった。アロマオイルで滑りがよくなった肌を掌で圧力をかけながら押し流されると、今まで硬く強張っていた疲れがどっと外側へ流れていく気がした。
「気持ちいいですか?」
秀一の低く艶のある声に、閉じていた瞳をうっとりと開ける。
「えぇ...とても、気持ち良いです......」「顔のマッサージもしたかったのですが、それは難しいので躰だけにしますね。脇をあげてもらえますか」
美姫は一瞬躊躇ったが、マッサージという行為に恥じらいを見せる方が変な期待を抱いていると思われかねない為、勇気を出して片腕を挙げた。
秀一の掌が脇の下を撫で下ろすその感触に、ゾクゾクと躰が震えてしまう。
「んんっ!!」
涙目で見上げると、秀一が蠱惑的に見つめ返す。
「お客様...ここはマッサージの店ですので、そのような表情と声で私をそそのかそうとするのはおやめ下さい」
「っっ!!!」
美姫は唇を噛み締め、声を出すことを耐える努力をした。
もう片方の脇をあげると、先ほどは一気に掌で圧をかけながら撫で下ろしたのに、今は羽根で撫でるようにスルッと指先で撫でられた。
「ック...」
秀一さん、意地悪......
明らかにわざと美姫の反応を見て楽しんでいる秀一に涙目で抗議する美姫だが、そんな表情は秀一を喜ばせただけだった。
秀一さんが指先で触れるだけで切ないぐらい感じてしまうのに、オイルマッサージなんて、本当に無理......
秀一の掌は美姫の腕へと移り、先ほどよりも少し強めに圧をかけて指先に向かってリンパを流している。普通に他人からマッサージを受けていればなんてことのない行為だが、秀一の掌で受けていることが、美姫の躰全体を否応なく反応させ、甘く切ない声が零れそうになり、躰の中心が熱くなってくる。
秀一の掌が美姫の掌へと到達し、指を絡め取られ、丁寧に指の一本一本、指の間までマッサージされる。その行為が浴室での行為を思い起こさせ、美姫の蜜壺からドロリと濃厚な蜜が溢れ出す。
だ、ダメ...考えないようにしなくちゃ......
そう思うのに、秀一の指が絡め取る度にあの淫らな映像が流れ、美姫の欲情を押し上げていく。
「ぁぁ......」
思わず切ない吐息を零した美姫に、秀一がクスリと微笑んだ。
「そんな淫らな声をあげて。営業妨害なさるおつもりですか」
「い、いえっ。そんな、つもり...では」
美姫は躰全体をピキーンと硬直させ、慌てて否定した。
「まだマッサージは始まったばかりですから、気を楽にして下さいね」
完璧な笑みを湛える秀一とは対照的に、美姫は追い詰められた表情をしていた。
む、無理だよ、そんなの......
腕のマッサージを終えた秀一は、美姫の胸の膨らみへと手を伸ばす。
「あ、あのそこは...大丈夫です」
美姫は腕で胸を隠して防御した。
ここを触られたら、我慢できる自信がない......
そんな美姫の必死の防御も虚しく、秀一は完璧な笑みを崩さないままゆっくりと美姫の手首を掴むと下ろした。
「豊かな胸の方は疲れが溜まりやすいそうですから、ちゃんと揉みほぐして差し上げますよ」
秀一さん...絶対に楽しんでる......
「やっぱり、今夜は...」
断ろうとした美姫の言葉を遮るかのように、秀一の掌が美姫の左右の鎖骨に触れた。
「ッハ!」
途端に、もう逆らう気力は失われた。
秀一の親指が鎖骨の窪んでいる鎖骨リンパ節を押さえ、グリグリと押しほぐした。美姫はその刺激に普通以上に反応してしまうのを肌で感じていた。
今度は掌で鎖骨の中心から外側へとリンパに沿って掌で押し流す。アロマオイルの心地よい香りが鼻腔にすぅっと入り込み、途端にふわっと躰が浮き上がるような軽さを覚える。
嗅覚が脳に神経を通じて伝わり、そこで花が咲いたように幸せな心地に包まれる。
「は、ぁぁぁ......」
秀一の掌の圧は痛くもなく、かといって緩すぎず、絶妙だった。アロマオイルで滑りがよくなった肌を掌で圧力をかけながら押し流されると、今まで硬く強張っていた疲れがどっと外側へ流れていく気がした。
「気持ちいいですか?」
秀一の低く艶のある声に、閉じていた瞳をうっとりと開ける。
「えぇ...とても、気持ち良いです......」「顔のマッサージもしたかったのですが、それは難しいので躰だけにしますね。脇をあげてもらえますか」
美姫は一瞬躊躇ったが、マッサージという行為に恥じらいを見せる方が変な期待を抱いていると思われかねない為、勇気を出して片腕を挙げた。
秀一の掌が脇の下を撫で下ろすその感触に、ゾクゾクと躰が震えてしまう。
「んんっ!!」
涙目で見上げると、秀一が蠱惑的に見つめ返す。
「お客様...ここはマッサージの店ですので、そのような表情と声で私をそそのかそうとするのはおやめ下さい」
「っっ!!!」
美姫は唇を噛み締め、声を出すことを耐える努力をした。
もう片方の脇をあげると、先ほどは一気に掌で圧をかけながら撫で下ろしたのに、今は羽根で撫でるようにスルッと指先で撫でられた。
「ック...」
秀一さん、意地悪......
明らかにわざと美姫の反応を見て楽しんでいる秀一に涙目で抗議する美姫だが、そんな表情は秀一を喜ばせただけだった。
秀一さんが指先で触れるだけで切ないぐらい感じてしまうのに、オイルマッサージなんて、本当に無理......
秀一の掌は美姫の腕へと移り、先ほどよりも少し強めに圧をかけて指先に向かってリンパを流している。普通に他人からマッサージを受けていればなんてことのない行為だが、秀一の掌で受けていることが、美姫の躰全体を否応なく反応させ、甘く切ない声が零れそうになり、躰の中心が熱くなってくる。
秀一の掌が美姫の掌へと到達し、指を絡め取られ、丁寧に指の一本一本、指の間までマッサージされる。その行為が浴室での行為を思い起こさせ、美姫の蜜壺からドロリと濃厚な蜜が溢れ出す。
だ、ダメ...考えないようにしなくちゃ......
そう思うのに、秀一の指が絡め取る度にあの淫らな映像が流れ、美姫の欲情を押し上げていく。
「ぁぁ......」
思わず切ない吐息を零した美姫に、秀一がクスリと微笑んだ。
「そんな淫らな声をあげて。営業妨害なさるおつもりですか」
「い、いえっ。そんな、つもり...では」
美姫は躰全体をピキーンと硬直させ、慌てて否定した。
「まだマッサージは始まったばかりですから、気を楽にして下さいね」
完璧な笑みを湛える秀一とは対照的に、美姫は追い詰められた表情をしていた。
む、無理だよ、そんなの......
腕のマッサージを終えた秀一は、美姫の胸の膨らみへと手を伸ばす。
「あ、あのそこは...大丈夫です」
美姫は腕で胸を隠して防御した。
ここを触られたら、我慢できる自信がない......
そんな美姫の必死の防御も虚しく、秀一は完璧な笑みを崩さないままゆっくりと美姫の手首を掴むと下ろした。
「豊かな胸の方は疲れが溜まりやすいそうですから、ちゃんと揉みほぐして差し上げますよ」
秀一さん...絶対に楽しんでる......
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