<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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 すると今度は廊下の奥からドイツ語で何か呼び掛けるような声がしたかと思うと、誰かがこちらに向かって大又で歩いてくる足音が近づいてきた。

『…シューイチ!!』

 ドイツ語で何か話しかけた後、レナードが腕を絡めているのも気にせず、覆い被さるようにハグをし、チュッ、チュッというリップ音をたてながら両頬を合わせた。

 纏わりつくような強烈な香水の匂いが彼が近付いただけで放たれて、美姫は鼻孔をつかれて噎せ返りそうだった。

 秀一よりも背の高いその男は、肩まであるブルネットのウェーブがかった髪を揺らめかせていた。下がり気味の眉と目尻が、鷲鼻の冷たい印象を抑え、優しさを感じさせる。尖った顎にはオシャレに整えられた顎鬚が生えており、柔らかなオーラを纏っていた。深緑に赤やピンクの薔薇が描かれた芸術的な柄のスーツを身に纏い、ボタンは留めらておらず、中の白をベースにしたスーツと同じ薔薇柄のサテンシャツが覗いて見えた。これ程個性的な服装であるにも関わらず、彼の顔立ちと体格にしっくりとはまっていた。

 目の前で交わされた、本物ではないけれど口づけのような行為に、落ち着きを取り戻した美姫の鼓動が再びバクバクと速まる。

『ミシェル!!!何やってんの!?僕のシューイチに勝手に触れないでよね!!!』

 レナードが今度はミシェルと呼んだ男に向かって牙を剥いた。

『あら、英語なのね…いやーん、何、怒ってんのよぉ。ただの挨拶でしょぉ?フランスでは、これが普通なのっ。
 まぁ、シューイチには特別な感情が入ってなくもないけど、ね…ウフッ』

 少し籠もった鼻にかかるような、色気を纏った英語でミシェルが答えた。

 オ、オネエ言葉......って、全世界共通、なんだ......

 英語で話していても、その喋り方や仕草から、オネエ言葉であることが分かってしまう。

『じゃあ僕もフランスの挨拶する!』
『いえ、ミシェルはフランス人だから慣習として仕方なく認めていますが、貴方はイギリス人なのでお断りします』

 秀一に素気すげなく断られ、レナードはなぜか美姫を睨みつけた。その視線でようやく美姫の存在に気付いたミシェルが艶やかな笑みを浮かべた。秀一は滲み出るような色気だが、ミシェルは躰全体から放たれる強い色気を持っていた。浴びるように纏った香水が更にその効果を高めている。

『初めましてぇ、ミシェルって呼んでね?シューイチの姪っ子ちゃんが、こんなに美しいマドモアゼルだったなんて、知らなかったわ……あたし、綺麗な娘も大好きなのぉ。ふふっ…どうぞよろしく、ね?』

 ミシェルは秀一にしたように美姫に先程の挨拶をしようとしたが、それを秀一によって阻まれた。

『美姫はフランス流の挨拶には慣れておりませんので、日本流で……離れてお辞儀をして下さいますか』

 美姫は秀一の背中越しにお辞儀をした。

『あ…美姫です。……どうぞ、よろしくお願いします』

 すると、ミシェルがそれをきょとんと見つめた後、ニヤリと笑った。

『ふふっ、ヤマトナデシコ♪いいわね……初めてのタイプよ。日本の女性は躰が貧相な娘ばかりだと思っていたけど‥…そうじゃない娘もいるなんて、嬉しいサプライズだわぁ……悪くないわね……』

 カクテルドレスに身を包んだ美姫を下から舐め回し、少し開いた胸元で目線が止まった。値踏みするようなその目付きに美姫はゾクリと震える。美姫にとって、直接性的な言葉を投げ掛けてくるのはミシェルが初めてで、どう返していいのか分からない。オネエ言葉を話すのでゲイなのかと思っていたが、どうやらミシェルはバイセクシュアルのようだ。

 なんだか、怖い……

 美姫は思わず後退りした。

『ミシェル…美姫をそういう目で見るのは止めて下さい。いくら貴方でも許しませんよ』

 秀一の冷ややかな声が落ち、その本気さに場が静まり返る。

『ま、まぁまぁまぁまぁ……ミシェルも、まさかシューイチの可愛い姪っ子ちゃんに手ぇ出すワケないし!!ほんと、冗談キツ過ぎだってぇ。ほらほら、モルテッソーニが待ってるから、みんな中はいろーよぉ』

 ザックがミシェルと秀一の間に入り、取りなした。

『ごめんなさい、冗談が過ぎたようね』

 ザックの機転のおかげでミシェルもバツが悪そうに謝り、なんとかその場は収まった。
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