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深まる愛情

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 全身から力が抜けた美姫の躰を秀一が抱き締め、丁寧にソファへと横たわらせた。息を乱す美姫の熱くなった頬を秀一の指先で愛撫され、美姫はフルフルッと震えた。

 美姫を見下ろし、見つめる秀一の瞳に熱が籠もる。美姫の胸に愛おしさと切なさが満たされ、絞られるように痛い。

 秀一の長く細い指先が眼鏡のフレームにかかり、優雅に外される。間近に迫るライトグレーの瞳は色濃く揺れていて、美姫の瞳を掴んで離さない。

 美姫は心臓が壊れそうなくらいドキドキと音をたて、部屋中に響き渡っているような感覚になった。

「貴女をこれ以上深く愛するのは……不可能だと思っていました。私はそれほど、美姫を深く愛しているという自負があった……

 けれど、それは...間違いだったようです。

 美姫、貴女を今までよりも深く……更に、深く……愛しています。
 貴女を…もっと深く……感じさせて下さい……」

 両脚を持ってV字型に広げられ、秀一が美姫の脚を肩にのせ、軽く体重をかけながら覆い被さってくる。秀一の長い艶やかな黒髪が美姫の首元にかかり、ゾクゾクと震えて内部にまで振動した。

「ッハァ……」

 躰を折り畳んだような状態になり、美姫の腹筋に力が入る。先程深いと感じたよりも更にその奥へと当たる圧迫感に呼吸が止まりそうになる。

 あぁぁぁぁ……ふ、かい……

「ハァ---------ッ」

 深く息が吐き出される。動いてもいないのに快感でどうにかなりそうだった。既に達した美姫の躰はそれでなくても敏感になっていて、少しの刺激でも物凄い快感が押し寄せてくる予感がした。

 秀一の美麗な顔が近づくと唇が重なり、躰を密着させたまま静かに腰を揺らし始めた。奥を揺さぶられて突き上げられるような快感が押し寄せてくる。

 甘い口づけの隙間から、秀一の艶やかな声が漏れる。

「ハァァ……美姫……貴女の温もりを…奥まで、感じます……ッハァ…」
「……」
 
 頭が朦朧として何も考えられない。

 気持ち良過ぎて……声さえ出すのを忘れてその快感に没頭してしまう……

 こんな強烈な快感、初めて……

「ハァッ、美姫……感、じる…ハァッハァッ感じ、ますっ……フゥッ貴女を…ハァッ……深、く……」

 美姫の頭から首にかけて痺れたような刺激が走り、全身へと深い深い快感が伝わる……

「!!!」

 伝わった快感が、内部の奥へと沁み渡っていく……

 ハ、ァッ
 あぁっっ!!!!!!く、る……!!!!!!!

 秀一の肩にのせた美姫の脚がピンと張り詰め、爪先が攣りそうな程真っ直ぐになる腰が浮き上がり、背中が大きくのけぞった。

「ッッッ……!!!!」

 全身が痙攣してギューッと硬く締まるような感覚の後、ふわっと緩んだ。

 全てが……真っ白になる。意識という感覚が途切れた後、夢の中にいるような気持ちのままゆっくりと覚醒していく……

 全身が温かいものに包まれ、胸の奥にも入り込んでくる。

 天高い水色の空の上を真っ白な雲のようにふわふわと浮かんでいるような、深い群青の海を流れに委ねてゆったりと揺蕩うような、胸の奥底から全身へと満たされていく。

 人は、なんて呼ぶの?

 ‘’幸福感‘’……そう…深い、幸福感が……私を…包み込んでいる……

 私を見下ろす秀一さんの顔。愛しい人が私に愛おしく微笑む。

 あぁ、私…この人を……愛している。
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