<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

文字の大きさ
上 下
217 / 1,014
決意

しおりを挟む
 美姫は、今までずっと心の奥に閉じ込めていた、叔父と姪という禁忌の恋愛についての苦悩を秀一の前で吐露した。

 心の澱を話し始めたらもう、止められなくて……
 こんな事…分かって、たのに……秀一さんから告白された時点で、覚悟していたはずなのに……

 でも何度も…何度も……繰り返し、考えてしまう。
 終わりのない螺旋階段を歩き続けているような気持ちに陥る。

 今まで……言えなかった。言っては…いけないと思っていた。
 だって、あの時……秀一さんと恋人になるって決めたのは私、だったから……

 秀一さんは私の恋心に気付きながらも、私が成人になるのを待って、私に選ばせたのだ。このまま叔父と姪の関係を続けるのか。それとも、その関係を忘れて禁忌の恋愛に足を踏み入れるのか……
 私には……迷いなんてなかった。秀一さんが好きだったから。ずっと、秀一さんのことが好きで……諦めることなど出来なかったから。秀一さんだけいてくれればそれでいい、と本気で思っていた。

 今でも、その気持ちに変わりはない。

 けれど……世界は秀一さんと私だけで動いてはくれない。
 世間という壁に突き当たり、友達の気遣いと心配と…怒りに触れ、そして……私の家族であり、秀一さんの家族でもあるお父様とお母様の愛情と信頼を知ってしまった……

 今になって私は…叔父と姪という禁断の恋愛関係が世間にとって、友達にとって、家族にとって何なのか……ようやく、実感したのだった。

 秀一さんの気持ちは分かっているつもりだけど……はっきり、言葉で聞かせて欲しい……
 私に、迷いなど感じさせないぐらい、確かな愛情を感じた上でなら……触れてもらえない理由を聞く勇気が起きるかも、しれないから。

 色々な感情が一遍に溢れ出した途端、美姫の目の端に涙が溜まっていく。それが溢れないように美姫は瞳を大きく見開き、天井を見つめた。

「っ!!!」

 涙の膜で揺れる美姫の瞳に眉を寄せ、睫毛を揺らし、唇を引き結ぶ秀一の顔が近付く。指先が伸ばされ、涙の溜まった目尻に触れようとするのに……それは美姫の涙を拭うことなく、宙を虚しく舞っただけだった。

 やっぱり、触れて…くれなかった……

 ツツーッと涙が美姫の頬を伝って流れ落ちた。秀一の硬く重い声が落とされる。

「美姫…...私はもう、どんなことがあろうと貴女を離しませんよ。たとえ兄様たちに私達の関係を知られようと、私の気持ちは決して変わりません。荊の道になろうとも、私が生涯愛することのできるのは美姫、貴女だけなのです……
 もちろん、私だって兄様たちや世間に知られたいとは思っていません。貴女との関係を守る為なら、どんな事だってしてみせる。

  私は…どんな嘘をつくことも、罪を犯すことさえも厭いません」
「秀一さん……」

 秀一の揺るぎない想いに比べて、美姫はまだ自分の覚悟が甘いことを強く感じさせられる。秀一の瞳には濁りがなく美姫への深い愛情が籠っており、嘘をついているとはどうしても思えなかった。

 それ、なのに......
 それなのに、なぜ……どうしてそこまで思っていてくれるのに、私に触れるのを避けるんですか?

 喉まで出かかる言葉がどうしても言えず、美姫はカクテルグラスを再び手に取り、煽るように涙と共に飲み干した。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

義妹のミルク

笹椰かな
恋愛
※男性向けの内容です。女性が読むと不快になる可能性がありますのでご注意ください。 母乳フェチの男が義妹のミルクを飲むだけの話。 普段から母乳が出て、さらには性的に興奮すると母乳を噴き出す女の子がヒロインです。 本番はありません。両片想い設定です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...