<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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一抹の不安

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『ごめんなさい、お待たせしてしまって』

 美姫は急ぎ足で駆け寄ると、ラウンジで待っていたザックに手を振り、お辞儀をして謝った。

『ミキー!シューイチ!久しぶりぃっっ!!もっと早くに連絡してくれたら空港まで迎えに行ったのに。あぁ、でも会えてよかったぁ、嬉しいよ!』

 ザックはラウンジの壮麗な雰囲気など全く意に止めず、ピョンッと肘掛けチェアから立ち上がった。尻尾を振っているかのような喜びようで、こちらに向かって走り出しそうな勢いで美姫をハグしようと大きく腕を広げる。

 途端にビクンッと躰を震わした美姫の目の前に、秀一がスマートに立ちはだかった。

『さ、では朝食にしましょうか』

 美姫の背中に優しく手を添え、目線でザックに前に進むように促した。

 秀一さん……気づいたのかな。私が…一瞬恐怖で固まりそうになったの……
 ザックなら…大丈夫かも、って思ってたのに……

 美姫は目の前を歩くザックの背中を見ながら小さく溜息をついた。

 ホテル内にあるレストランの席に案内されると、ザックは息つく間もなく喋り出した。

『ここのホテルの朝食は本当に素晴らしいんだよっ!!卵料理もベーコンもパンも何もかも完璧で美味しいんだ。ハァッ、久しぶりに来たから何食べようか迷っちゃうな、ねぇねぇミキはどんな卵料理が好き?定番はスクランブルエッグだけど、オムレツもいいよねぇ?!』

 朝から以前に会った時と同じテンションの高さで接してくるザックに、美姫は感動にも似た驚きと感謝の気持ちが沸いてきた。

 昨夜、自分のせいで中途半端に秘事が終わったことで気まずさと罪悪感を感じ、心的外傷の症状が出てしまったことで落ち込み、暗い気持ちになってしまいそうだった美姫にとって、夏の太陽に向かって力強く主張する向日葵のような明るさのザックの存在は救いだ。

「朝から騒々しくなってしまい、申し訳ありません……」

 秀一が日本語でこっそり耳打ちする。美姫の耳が…途端に熱を持つ。

「いえ…オーストリアに行くならぜひまたザックに会いたいと思っていましたし。今日は、楽しくなりそうで嬉しいです」
「そうですか…」

 秀一の慈愛に満ちた眼差しに、ドキドキと美姫の胸が高鳴る。

 今朝、なんとなくぎこちない感じがしたけど、今はまた元の秀一さんに戻ってるみたい。よかった……

『あぁーーーっ!!!日本語でふたりで話すの禁止ーーー!!!僕、分かんないじゃん!!!』

 ザックが大袈裟に両手を振って間に割り込み、すっかりまた和やかな雰囲気になった。秀一を、除いては。

 結局、美姫はシンプルな玉ねぎとベーコンのオムレツを注文することにした。綺麗に整えられたフットボール形のオムレツはナイフで切った先からトロリと半熟の卵が溢れ出し、完璧な状態で仕上げられていた。決して家庭では出せない味わいだった。ここのチーズとハムは他では類を見ない程豊富な種類を取り揃えていて、どれにしようか迷った挙句、美姫は秀一のお勧めのものを頂くことにした。

『このホテルオリジナルのシャンパンも美味しいのですが、それは夜のためにとっておきましょうか……』

 潤いを帯びた艶やかな瞳で眼鏡越しに見つめながら放つ意味深な秀一の発言に、また美姫の胸のうちが座喚いてしまう……

『わっ!!そうそう、ここのシャンパンめちゃめちゃ美味しいんだよ!!僕、頼んでくる…』

 ザックは秀一の言葉に興奮して席を立ち上がろうとし、秀一に止められていた。

 ほんと、自由奔放だなぁ……

 その様子に美姫は思わずクスリと笑みを溢した。
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