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誘惑 ー大和視点ー
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唐突にそんなことを言われ、直ぐに頭で理解が出来ない。
「え、ちょ…美姫が危ないって……そ、それより、警察には…」
『警察に何と話せと?来栖家令嬢が襲われた、なんて世間に知られたらマスコミの格好の餌食になるでしょうね』
ヤツは冷ややかに言った。この前はあんなに俺に対してさんざん敵対心剥き出しにしてきたくせに、掌を返したかのように今は俺に美姫を助けに行けと上から目線でいうヤツの言い方に頭にきた。
「っっ……!!!てか、なんで、じゃああんたは俺に美姫の救出を頼むんだよ。分かってんのかよ、俺が美姫を好きだってこと」
ライバルである俺に美姫を頼むとか、何考えてんだコイツは......もしかして、何か裏でもあんのか?
『えぇ…だから、貴方に頼んでいるのですよ。貴方なら何があろうと、命に替えても美姫を守るでしょうから。
それに、貴方は美姫を傷付けることなど出来るはずないですし......美姫が、私の次に信頼をおいている男は...貴方、のようですので。
もちろんこれは本意ではありませんが、この状況での最上の選択肢と言わざるをえないでしょう。つべこべ言っている時間はありませんよ。やりますか?やらないのですか?』
来栖秀一の声音には切迫感があった。どうやら本当に美姫が危ない状況にあるらしい。
悔しいが…ヤツの言う通りだ……
たとえヤツの頼みは聞きたくなくても、もし...本当に、美姫が危ない目に遭っているなら......俺は、今すぐに助けにいかなきゃなんねぇ。
今は……美姫のことだけ考えるんだ……
「ック……やるよ」
『そう言うと思っていましたよ。では、これから言う住所に向かって下さい。裏稼業専門の鍵屋を手配しましたので、彼が鍵を開けてくれるはずです』
チッ。俺が承諾すると踏んで、先に鍵屋まで手配していたなんて……ほんとにしたたかな男だ。
住所と家主の名前を急いでスマホのメモ機能に保存する。
『頼みましたよ……』
「あんたの為じゃない、美姫の為だ」
『分かっています。では後ほど、貴方の家に美姫を引き取りに伺います』
俺のことも調べ済みってことか……
電話を切ると、直ぐに親父の第一秘書である二番目の兄貴に電話する。
「あ、ひろ兄か? 悪いんだけど、急用が出来たからこれから出るから…」
『えっ!?おい、どういう……』
終了ボタンを押す。今は説明している時間も惜しい。
早く、美姫の元へ……
ホテルのロビーを走り抜け、エントランスに並んでいるタクシーへと直行した。
「すみません、この住所まで急いでお願いします……」
「え、ちょ…美姫が危ないって……そ、それより、警察には…」
『警察に何と話せと?来栖家令嬢が襲われた、なんて世間に知られたらマスコミの格好の餌食になるでしょうね』
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「っっ……!!!てか、なんで、じゃああんたは俺に美姫の救出を頼むんだよ。分かってんのかよ、俺が美姫を好きだってこと」
ライバルである俺に美姫を頼むとか、何考えてんだコイツは......もしかして、何か裏でもあんのか?
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それに、貴方は美姫を傷付けることなど出来るはずないですし......美姫が、私の次に信頼をおいている男は...貴方、のようですので。
もちろんこれは本意ではありませんが、この状況での最上の選択肢と言わざるをえないでしょう。つべこべ言っている時間はありませんよ。やりますか?やらないのですか?』
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悔しいが…ヤツの言う通りだ……
たとえヤツの頼みは聞きたくなくても、もし...本当に、美姫が危ない目に遭っているなら......俺は、今すぐに助けにいかなきゃなんねぇ。
今は……美姫のことだけ考えるんだ……
「ック……やるよ」
『そう言うと思っていましたよ。では、これから言う住所に向かって下さい。裏稼業専門の鍵屋を手配しましたので、彼が鍵を開けてくれるはずです』
チッ。俺が承諾すると踏んで、先に鍵屋まで手配していたなんて……ほんとにしたたかな男だ。
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『頼みましたよ……』
「あんたの為じゃない、美姫の為だ」
『分かっています。では後ほど、貴方の家に美姫を引き取りに伺います』
俺のことも調べ済みってことか……
電話を切ると、直ぐに親父の第一秘書である二番目の兄貴に電話する。
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『えっ!?おい、どういう……』
終了ボタンを押す。今は説明している時間も惜しい。
早く、美姫の元へ……
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