<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

文字の大きさ
上 下
109 / 1,014
美姫への想い ー大和過去編ー

22

しおりを挟む
  美姫はレストランから出ると、くるりと俺に振り向いた。

「大和、今日はありがとう。みんなでもっと話せなくて残念だったけど、また集まろっ!」

 俺の元から一刻も早く立ち去りたい、そんな雰囲気だった。

「待てよ、美姫……」

 美姫の手首をギュッと握り、引き止めた。俺を見つめる美姫の瞳に怯えた色が浮かんだ。

 俺は......このままお前を、帰すわけにはいかねぇんだ。

「話があるから、もう一軒付き合って……」

 重い沈黙の後、美姫の囁くほどの小さい声が落ちた。

「うん、分かった……」


 カラオケBOXの狭い空間に重苦しい空気が立ち込めていた。隣から聞こえる大音量の歌声やタンバリンの音がやけに耳について、それが俺を更に苛つかせていた。

 隣のやつらはあんな楽しそうにしてんのに、俺と美姫はなんでこんなとこで顔を突き合わせて深刻な話しなきゃいけねぇんだ......

「何か、飲むか?」

 この重苦しい空気をなんとかしたくて口にしてみたが、美姫は青ざめた顔で小さく首を振るだけだった。

「ううん、いい……」

 そんなビクつくぐらいなら、なんであいつと付き合ってんだよ。誰にも知られちゃいけねぇ後ろ暗いことしてるって意識、あんだろ。

 なんで、あいつなんだよ......

 先程の美姫と来栖秀一のキスしてる光景が脳裏に浮かんで、膝の上で組んでた手に力を込めた。

 俺は...お前の口から、ちゃんと聞きたいんだ。 

「美姫……あの人と付き合ってるのか?」
「え…あの人、って……?」

 なに今更、シラ切ろうとしてんだよ......

 あくまで知らないフリをしようとする美姫に、苛ついた声を上げた。

「……言わせんなよ。来栖、秀一……だろ」

 美姫は、明らかに動揺していた。目線は落ち着きなく、震えた声はいつもより早口になっていた。

「な、何言ってるの?そ、んな訳...ないでしょ。しゅ、いちさんは、私の叔父だって、大和だって知ってるじゃない。ほ、ほら、秀一さん、私のこと娘みたいに思ってるから、きっとそれで...」
「っざけんなよ!普通の叔父と姪が車の中でキスするわけねーだろっ!!!」

 感情が昂ぶって、やつとキスしてたことをぶちまけちまった。

 もう、後には戻れねぇ......

「あ、あれ、は......た、だのあいさ、つで......」
「分かんだよっ!!!」

 それでも言い繕おうとする美姫に感情が制御できず、思わず怒鳴っちまった。美姫は躰をビクリと震わせ、口を閉ざして黙って俯いた。

「遠くからでも、すぐ分かった......お前があいつを見るときの目......あいつの美姫への態度......
 あれは、恋人同士のやり取りだった」

 そう言いながらも、まだ俺はそれを認めたくない気持ちが心の中でせめぎ合っていた。

「......」

 もう言い逃れ出来ないと思ったのか、美姫はギュッと瞳を閉じ、拳を固く握った。俺は深く息を吐き、心を落ち着かせようとした。

 俺は、お前を怒りたいわけじゃねぇ。話が、したいんだ......

「...お前が来栖秀一を好きなのは、ずっと知ってた......俺と付き合い始めたのも、一線を越えたのも......あいつへの当てつけだって...分かってた」
「っ!!!」

 それまで俯いていた顔を上げ、瞳孔を見開き、美姫が俺を見つめる。その顔は真っ青だった。

 美姫は、想像もしなかったんだろうな。俺が、来栖秀一を好きなお前をずっと見ていたなんて。
 それを知りながらも、お前への恋心を抑えきれなかった、なんて。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

義妹のミルク

笹椰かな
恋愛
※男性向けの内容です。女性が読むと不快になる可能性がありますのでご注意ください。 母乳フェチの男が義妹のミルクを飲むだけの話。 普段から母乳が出て、さらには性的に興奮すると母乳を噴き出す女の子がヒロインです。 本番はありません。両片想い設定です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

処理中です...