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女の子同士の恋愛って難しいけど、女性としてやよいのこと愛したい
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ビキニを購入して袋に入れてもらうと、やよいを探すことにした。
やよいはまだ、迷ってるようだ。
「やよい、まだ決まってないの?」
「だってー、どれも美来さんに似合いそうで、ひとつに選べないんです」
そう言ってやよいが見せたのは、10枚の水着だった。
「え、こんなにあるの?」
「だって、どれも素敵なんですよ」
私が選びそうなシンプルなワンピースやタンキニのスポーツ系の水着もあったけど、中にはビキニもあった。
「い、いや……私にビキニは無理でしょ。私、ちっぱいだし」
「胸が小さい人に似合う形の水着もあるんですよ」
「いやいやいや……恥ずいし、やめてー!! 肌の露出面積が大きすぎるって!」
「美来さんはウエストのラインが凄く綺麗だし、脚が引き締まってて長いですから、絶対に出したほうが魅力的です!」
「いやーっ、ムリムリムリっっ!!」
「もぉっ、お互いの水着を選ぶって決めたんですから、美来さんは外で待っててください!」
やよいに押し出されて、外で待つことになっちゃった。
あー、どんな水着選ぶんだろ。際どいのとか、セクシー系とかはやめてほしい。逆に可愛い系とかも、絶対笑われるよ。うーっ、お互いの水着を選ぶの、失敗だったかも。
見下ろすと、やよいに買ってあげた水着が視界に映った。
でも……好きな娘に自分の選んだ水着着てもらえるのは、やっぱ嬉しいかも。
「お待たせしましたー!」
やよいに声をかけられて振り返った。
「どんなの選んだの?」
「ここでは見せませんよー。あとでのお楽しみです」
「うーっ」
「フフッ。美来さん、お腹空きません?」
「もうぺこぺこだよー。インター入るの怖くて、寄れなかったもん」
私が運転に自信がないせいで、休憩なしでここまで来たのだった。
やよいがスマホを取り出し、アウトレットパークのサイトからグルメ&フードの店舗をクリックした。
「何系が食べたいですか?」
「えーっ、今はどれ食べても美味しいと思うわ」
「じゃ、ここ行きません? ハワイアンバーガーのお店なんですけど……前に美来さんがTVでこのお店の紹介番組観てた時に、興味ありそうだなと思ったんですけど、どうですか?」
「うわっ、そこ行く行く! ハンバーガーがボリュームあって、めちゃめちゃ美味しそうだと思ったんだよね。それに、ハワイアンパンケーキも気になってたし」
「じゃ、デザートはそれで」
やよいって見た目はふわふわしてて、優柔不断って感じだけど、実は結構リードしてくれるんだよね。ちゃんと下調べしてくれるし、私の好みとか興味とか考えた上でいろいろ決めてくれるし、一緒にいてすごく居心地いい。
「あ、この場所の近くみたいですよ。よかったですね、離れてなくて」
「うん」
あー、うちの嫁が優秀すぎる。
そのハワイアンバーガーのお店は本店がハワイにあって、あとはイギリスのロンドンと東京に店舗を構えてるらしい。
お昼前に来たから、まだ店内には座れる余裕があってよかったー。前にTVで観た時は、すごい行列が並んでたんだよね。
夏らしくパティオに座ってるとビールが飲みたくなるけど……ダメだ。まだこの後、運転しないといけないんだった。
「美来さん、どれにします?」
やよいがメニューを広げてくれた。
さすがハワイと言いたくなるほど、ボリュームたっぷりのハンバーガーの写真がずらっと並んでる。
うわぁ、どれも美味しそうっ。
「厚切りチェダーアボカドバーガー美味しそぉ。あ、待って。この厚切りモッツァレラベーコンバーガー、やばくない? あぁっ、テリヤキバーガーも捨てがたいぃ!!」
興奮を隠しきれない私に、やよいがクスッと笑う。
「ねぇ、やよいは決めた?」
「私は普通サイズは食べきれなさそうなので、クォーターのアボカドバジルバーガーにしようかと」
「うわぁ、やよいっぽい! 私、お腹空いてるから余裕で普通サイズいけるわ」
結局、私は厚切りチェダーアボカドバーガーを頼むことにした。
目の前で実際に見ると、写真で見るよりも迫力があった。
「ふぁぁ、すごい美味しそー! 見て、このボリューム!!」
「ふふっ、凄いですね」
口を大きく開かないと食べられない。肉厚のハンバーグパテの上に蕩けたチーズ、香ばしく焼かれた玉ねぎ、フレッシュなアボカド、瑞々しいトマト、シャキッとしたグリーンレタス、ふんわりとしながらも弾力のあるバンズが口の中で合わさって、溢れ出す肉汁に幸せホルモンで満たされる。
「んーぅぅぅ!!」
そんな私を見つめるやよいの瞳が、限りなく優しくて、幸せそうで、それを見てると私も幸せになる。なんなの、この幸せの連鎖。
「美来さん。今日、旅行に連れてきてくれて、本当にありがとうございます。
私、とっても今幸せです」
あー、可愛い。可愛い。可愛すぎるー。
なんとかハンバーガーを飲み込むと、やよいの頭をぽんぽんと撫でた。
「何言ってんの。旅行はまだ、始まったばっかでしょ。これからたくさん楽しいことするんだから」
やよいが微笑んで頷いた。
「はい」
やよいはまだ、迷ってるようだ。
「やよい、まだ決まってないの?」
「だってー、どれも美来さんに似合いそうで、ひとつに選べないんです」
そう言ってやよいが見せたのは、10枚の水着だった。
「え、こんなにあるの?」
「だって、どれも素敵なんですよ」
私が選びそうなシンプルなワンピースやタンキニのスポーツ系の水着もあったけど、中にはビキニもあった。
「い、いや……私にビキニは無理でしょ。私、ちっぱいだし」
「胸が小さい人に似合う形の水着もあるんですよ」
「いやいやいや……恥ずいし、やめてー!! 肌の露出面積が大きすぎるって!」
「美来さんはウエストのラインが凄く綺麗だし、脚が引き締まってて長いですから、絶対に出したほうが魅力的です!」
「いやーっ、ムリムリムリっっ!!」
「もぉっ、お互いの水着を選ぶって決めたんですから、美来さんは外で待っててください!」
やよいに押し出されて、外で待つことになっちゃった。
あー、どんな水着選ぶんだろ。際どいのとか、セクシー系とかはやめてほしい。逆に可愛い系とかも、絶対笑われるよ。うーっ、お互いの水着を選ぶの、失敗だったかも。
見下ろすと、やよいに買ってあげた水着が視界に映った。
でも……好きな娘に自分の選んだ水着着てもらえるのは、やっぱ嬉しいかも。
「お待たせしましたー!」
やよいに声をかけられて振り返った。
「どんなの選んだの?」
「ここでは見せませんよー。あとでのお楽しみです」
「うーっ」
「フフッ。美来さん、お腹空きません?」
「もうぺこぺこだよー。インター入るの怖くて、寄れなかったもん」
私が運転に自信がないせいで、休憩なしでここまで来たのだった。
やよいがスマホを取り出し、アウトレットパークのサイトからグルメ&フードの店舗をクリックした。
「何系が食べたいですか?」
「えーっ、今はどれ食べても美味しいと思うわ」
「じゃ、ここ行きません? ハワイアンバーガーのお店なんですけど……前に美来さんがTVでこのお店の紹介番組観てた時に、興味ありそうだなと思ったんですけど、どうですか?」
「うわっ、そこ行く行く! ハンバーガーがボリュームあって、めちゃめちゃ美味しそうだと思ったんだよね。それに、ハワイアンパンケーキも気になってたし」
「じゃ、デザートはそれで」
やよいって見た目はふわふわしてて、優柔不断って感じだけど、実は結構リードしてくれるんだよね。ちゃんと下調べしてくれるし、私の好みとか興味とか考えた上でいろいろ決めてくれるし、一緒にいてすごく居心地いい。
「あ、この場所の近くみたいですよ。よかったですね、離れてなくて」
「うん」
あー、うちの嫁が優秀すぎる。
そのハワイアンバーガーのお店は本店がハワイにあって、あとはイギリスのロンドンと東京に店舗を構えてるらしい。
お昼前に来たから、まだ店内には座れる余裕があってよかったー。前にTVで観た時は、すごい行列が並んでたんだよね。
夏らしくパティオに座ってるとビールが飲みたくなるけど……ダメだ。まだこの後、運転しないといけないんだった。
「美来さん、どれにします?」
やよいがメニューを広げてくれた。
さすがハワイと言いたくなるほど、ボリュームたっぷりのハンバーガーの写真がずらっと並んでる。
うわぁ、どれも美味しそうっ。
「厚切りチェダーアボカドバーガー美味しそぉ。あ、待って。この厚切りモッツァレラベーコンバーガー、やばくない? あぁっ、テリヤキバーガーも捨てがたいぃ!!」
興奮を隠しきれない私に、やよいがクスッと笑う。
「ねぇ、やよいは決めた?」
「私は普通サイズは食べきれなさそうなので、クォーターのアボカドバジルバーガーにしようかと」
「うわぁ、やよいっぽい! 私、お腹空いてるから余裕で普通サイズいけるわ」
結局、私は厚切りチェダーアボカドバーガーを頼むことにした。
目の前で実際に見ると、写真で見るよりも迫力があった。
「ふぁぁ、すごい美味しそー! 見て、このボリューム!!」
「ふふっ、凄いですね」
口を大きく開かないと食べられない。肉厚のハンバーグパテの上に蕩けたチーズ、香ばしく焼かれた玉ねぎ、フレッシュなアボカド、瑞々しいトマト、シャキッとしたグリーンレタス、ふんわりとしながらも弾力のあるバンズが口の中で合わさって、溢れ出す肉汁に幸せホルモンで満たされる。
「んーぅぅぅ!!」
そんな私を見つめるやよいの瞳が、限りなく優しくて、幸せそうで、それを見てると私も幸せになる。なんなの、この幸せの連鎖。
「美来さん。今日、旅行に連れてきてくれて、本当にありがとうございます。
私、とっても今幸せです」
あー、可愛い。可愛い。可愛すぎるー。
なんとかハンバーガーを飲み込むと、やよいの頭をぽんぽんと撫でた。
「何言ってんの。旅行はまだ、始まったばっかでしょ。これからたくさん楽しいことするんだから」
やよいが微笑んで頷いた。
「はい」
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