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女の子同士の恋愛って難しいけど、女性としてやよいのこと愛したい
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すると、やよいもムキになって言い返してきた。
「言えるわけないじゃないですか!!
それに、美来さんが最後に言った言葉を気にしてるの、分かってましたし……私から誘ったら美来さんにプレッシャーかけちゃうって思って、連絡するの我慢してたんですっっ!!」
今更ながら、『勉強して、次会う時にはちゃんと出来るようにするから!!』なんて言わなきゃよかったって、後悔する。やよいは私を気遣って……私のプライドを傷つけないように、私の意思を尊重してくれてた。嫌われたわけじゃなかった。避けられてたわけじゃなかった。
いつだってやよいは、私のことを大切に思ってくれてる……
そう思って、安心したのと罪悪感とがまぜこぜになってグルグルした。
やよいは「ウッ」と嗚咽を漏らし、肩を震わせた。
「……」
私、自分だけにプレッシャーかかってる、自分だけが悩んでると思ってたけど、やよいだって同じように悩み、苦しんでたんだ。
「ご、めん……やよい」
「それ、に……怖かったんです」
「ぇ、なにが?」
「美来さんが、私の裸を見て、同じ女性である私と躰を重ねることが嫌になったんじゃないかって。もう、私には触れたくないのかもしれないって。
だって、美来さんは元々、女性を好きなわけじゃないし、湊さんという彼氏もいて、男性の躰を知っていて。
だから、女性の私の躰を見て、気持ちが萎えたんじゃないかって……」
「そんなこと絶対ない!!」
そう言いながらやよいをギュッと抱き締めると、フワッといい匂いが香った。
男とは違う、女の子の甘い匂い。柔らかな感触……
やよいは、私の胸に躰を預けて震えた。
「私もそう、信じたくて……美来さんは今、大事な時期だから連絡ないだけ。私のことを嫌いになったわけじゃない。避けてるわけじゃないって言い聞かせました。
それ、でも……不安になるんです。会えないことが、顔を合わせないことが。誰か、知らない人と会って笑ってることが。
わた、しは……こんなに苦しいのに。美来さんのことしか、考えられないのに……
私が会いたくない、連絡したくないだなんて、思わないでください」
子犬のようなウルウルとした瞳で見上げられ、胸がキュッと締め付けられる。
ほんと、なんでこの子こんなに可愛いの。
「やよい……ごめん。ほんと、ごめん……ね」
腕に回したやよいの華奢な躰を、きつく抱き締めた。
「ッッせんぱ……ッッ」
「やよいを避けてたのは、私がやよいを抱ける自信がなくて。気持ちよくさせられないってプレッシャーに感じてて、そんな情けない自分を見せたくなかったから。決して、やよいを嫌いになったわけじゃないから。
電話やLINEまでしなかったのは、ほんっとごめん。私、不器用で……いっぺんにいろんなことに頭が回らなくて」
「美来先輩……私のこと、好き……ですか。まだ、好きでいてくれますか」
肩を震わせながら、窺うようにやよいが見上げた。
「好き。
今まで会った誰よりも、やよいが好き。こんなに強い気持ちで、誰かのことを想ったことなんてないぐらい、好きだよ」
「良かっ、た……」
ハラリとやよいの瞳から綺麗な涙が零れた。
「その気持ちがあれば、私には十分です。恋人だからキスしなきゃ、抱かなきゃ、気持ちよくさせなきゃ……だなんて、思わないでください。
もちろん私は美来さんと肌を合わせたい、温もりを、熱を感じたいって気持ちはありますけど、大事なのはお互いの心が通じ合ってることですから。
だから、私を抱くことを義務だなんて感じないでください。そうやって避けられるぐらいなら、一生抱き合わず、ただ側にいられることの方が幸せなんです。
先輩に会えない、顔を見られないことが、ほん、とに……辛いん、です。避けられてる時、辛くて、苦しくて……ッッ仕方なかった」
罪悪感に胸がきつく縛り上げられる。
大切な存在なのに、大好きな子なのに、私は泣かせて、苦しませて、悩ませ続けてた……サイテーだ。
「私、ほんとバカだね……こんな可愛い子、ほっとくなんて。
こんなに……愛おしくて、堪らないのに」
「言えるわけないじゃないですか!!
それに、美来さんが最後に言った言葉を気にしてるの、分かってましたし……私から誘ったら美来さんにプレッシャーかけちゃうって思って、連絡するの我慢してたんですっっ!!」
今更ながら、『勉強して、次会う時にはちゃんと出来るようにするから!!』なんて言わなきゃよかったって、後悔する。やよいは私を気遣って……私のプライドを傷つけないように、私の意思を尊重してくれてた。嫌われたわけじゃなかった。避けられてたわけじゃなかった。
いつだってやよいは、私のことを大切に思ってくれてる……
そう思って、安心したのと罪悪感とがまぜこぜになってグルグルした。
やよいは「ウッ」と嗚咽を漏らし、肩を震わせた。
「……」
私、自分だけにプレッシャーかかってる、自分だけが悩んでると思ってたけど、やよいだって同じように悩み、苦しんでたんだ。
「ご、めん……やよい」
「それ、に……怖かったんです」
「ぇ、なにが?」
「美来さんが、私の裸を見て、同じ女性である私と躰を重ねることが嫌になったんじゃないかって。もう、私には触れたくないのかもしれないって。
だって、美来さんは元々、女性を好きなわけじゃないし、湊さんという彼氏もいて、男性の躰を知っていて。
だから、女性の私の躰を見て、気持ちが萎えたんじゃないかって……」
「そんなこと絶対ない!!」
そう言いながらやよいをギュッと抱き締めると、フワッといい匂いが香った。
男とは違う、女の子の甘い匂い。柔らかな感触……
やよいは、私の胸に躰を預けて震えた。
「私もそう、信じたくて……美来さんは今、大事な時期だから連絡ないだけ。私のことを嫌いになったわけじゃない。避けてるわけじゃないって言い聞かせました。
それ、でも……不安になるんです。会えないことが、顔を合わせないことが。誰か、知らない人と会って笑ってることが。
わた、しは……こんなに苦しいのに。美来さんのことしか、考えられないのに……
私が会いたくない、連絡したくないだなんて、思わないでください」
子犬のようなウルウルとした瞳で見上げられ、胸がキュッと締め付けられる。
ほんと、なんでこの子こんなに可愛いの。
「やよい……ごめん。ほんと、ごめん……ね」
腕に回したやよいの華奢な躰を、きつく抱き締めた。
「ッッせんぱ……ッッ」
「やよいを避けてたのは、私がやよいを抱ける自信がなくて。気持ちよくさせられないってプレッシャーに感じてて、そんな情けない自分を見せたくなかったから。決して、やよいを嫌いになったわけじゃないから。
電話やLINEまでしなかったのは、ほんっとごめん。私、不器用で……いっぺんにいろんなことに頭が回らなくて」
「美来先輩……私のこと、好き……ですか。まだ、好きでいてくれますか」
肩を震わせながら、窺うようにやよいが見上げた。
「好き。
今まで会った誰よりも、やよいが好き。こんなに強い気持ちで、誰かのことを想ったことなんてないぐらい、好きだよ」
「良かっ、た……」
ハラリとやよいの瞳から綺麗な涙が零れた。
「その気持ちがあれば、私には十分です。恋人だからキスしなきゃ、抱かなきゃ、気持ちよくさせなきゃ……だなんて、思わないでください。
もちろん私は美来さんと肌を合わせたい、温もりを、熱を感じたいって気持ちはありますけど、大事なのはお互いの心が通じ合ってることですから。
だから、私を抱くことを義務だなんて感じないでください。そうやって避けられるぐらいなら、一生抱き合わず、ただ側にいられることの方が幸せなんです。
先輩に会えない、顔を見られないことが、ほん、とに……辛いん、です。避けられてる時、辛くて、苦しくて……ッッ仕方なかった」
罪悪感に胸がきつく縛り上げられる。
大切な存在なのに、大好きな子なのに、私は泣かせて、苦しませて、悩ませ続けてた……サイテーだ。
「私、ほんとバカだね……こんな可愛い子、ほっとくなんて。
こんなに……愛おしくて、堪らないのに」
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