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女の子同士のエッチって、どうすればいいの!?
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ちゃんと聞いたことはないけど、やよいは多分女性しか好きになれない同性愛者なのだと思う。女性とか関係なく私自身を好きになってくれたって言ってくれたけど、もし私と出会わなかったとしても、男性と付き合うことはないんじゃないかな。
けど、私は……
「ねぇ……私ってさ、レズビアンじゃないと思うんだよね。だって、今まで好きになった人も男性だったし、仮にも湊と付き合って……その……いたしちゃったわけじゃん?
やよいに対して触れたいとか、抱き締めたいとか、キスしたいって気持ちはあるんだよ?……でも、超えられないんだよね。なんていうか……女同士の付き合いに抵抗があるわけじゃないんだけど、そこから先の想像がつかなくてさ」
光は手首を持ち上げてゴールドのブレスレットをずらし、スティックを咥えると煙を吐き出した。
「あんたたちさー、まだキスも何もしてないわけ?」
「キスは……したよ……」
「したんだ!!」
しまった……光の誘導尋問に引っかかった。
「で?どうだった?」
光は興味津々って顔で覗き込んでくる。ほんとにやだ、こういう時の光……
でも、女性同士の恋愛について教えて欲しいって呼び出したのは私なんだし、ここは覚悟決めてちゃんと答えないと。
「気持ち、良かったよ。甘くて柔らかくて、いい匂いがして……全然、今までのキスと違った」
「今までって……プッ。比べる対象、1人しかいないでしょ!」
「うるさい!!」
キッと睨みつけると、光の顔が間近に迫ってくる。
「じゃあさ、比較対象増やしてみる? そしたらもっと、分かるかもよ……」
ぇ。何、言ってんの……光?
光の顔はもう、鼻と鼻がくっきそうな距離まで近づいている。
「私、キス上手いよ? 試してみよっか……」
唇を舐め回し、低い声で囁いた光に
「無理無理無理ーーーっっ!!」
おでこを掌で押して、遠ざけた。
「ちょっと、失礼ね!」
「光とキスとかありえないから!てか、いくら女の子が甘くて柔らかくてもさ、やっぱり私には無理だよ」
「でも、やよいちゃんとはしたんでしょ」
「そりゃ、やよいはさ……突然キスされたから……」
そう、あの時はやよいから何の前触れもなく、突然キスされたから抵抗する暇なんてなかった。
光は私におでこを抑えられて乱れた髪を直しながら、不服そうな表情を浮かべた。
「で、やよいちゃんにキスされて、拒否したの?」
「いや……拒否する前に、逃げられて……」
「その後は?」
「それからは、一度もキスしてない」
光は自分のグラスが空なのを確認すると、私のマティーニをぐいっと飲み干した。
「あ!」
「やよいちゃん、可哀想。これじゃ、都合のいい女じゃん。朝ご飯作らせて、お弁当持たせてもらって、甲斐甲斐しく世話させておきながら、ずっと返事先延ばしにしてるなんて。蛇の生殺しじゃん」
「だって、まだ気持ちがわかんないんだもん、しょうがないじゃん!
それに、やよいは幸せだって言ってるし」
すると、光に頭を叩はたかれた。
「好きな人の側にいられるんだから、そりゃ幸せだよ? 幸せだけどさ……心の中では、不安で仕方ないんだよ。美来が自分をどう思っているのか分からないまま、この関係がずっと続いてんだから。
あんたは恋人ごっこしてて楽しいかもしれないけど、やよいちゃんにははっきりした恋愛感情があるし、自分からキスするぐらいだから、美来に欲情してんだよ」
「えぇっっ」
「当たり前でしょ!!」
だって、やよいと欲情って……なんだか結びつかなくて。あんな穢れを知らない女の子みたいな、可愛い顔なのに。
あ、でも待って……そ、そういえば以前にやよいに言われたことあったっけ。
『一緒にいれば、もっと近くに寄り添いたいって思ってしまうし、その躰に触れたい、唇に口付けたいって思ってしまうんです』
あの時は、深く考えてなかったけど、今思うとかなりの大胆発言だよね……
そっか。やよいはそういうこと……私としたいって、思ってるんだ。
けど、私は……
「ねぇ……私ってさ、レズビアンじゃないと思うんだよね。だって、今まで好きになった人も男性だったし、仮にも湊と付き合って……その……いたしちゃったわけじゃん?
やよいに対して触れたいとか、抱き締めたいとか、キスしたいって気持ちはあるんだよ?……でも、超えられないんだよね。なんていうか……女同士の付き合いに抵抗があるわけじゃないんだけど、そこから先の想像がつかなくてさ」
光は手首を持ち上げてゴールドのブレスレットをずらし、スティックを咥えると煙を吐き出した。
「あんたたちさー、まだキスも何もしてないわけ?」
「キスは……したよ……」
「したんだ!!」
しまった……光の誘導尋問に引っかかった。
「で?どうだった?」
光は興味津々って顔で覗き込んでくる。ほんとにやだ、こういう時の光……
でも、女性同士の恋愛について教えて欲しいって呼び出したのは私なんだし、ここは覚悟決めてちゃんと答えないと。
「気持ち、良かったよ。甘くて柔らかくて、いい匂いがして……全然、今までのキスと違った」
「今までって……プッ。比べる対象、1人しかいないでしょ!」
「うるさい!!」
キッと睨みつけると、光の顔が間近に迫ってくる。
「じゃあさ、比較対象増やしてみる? そしたらもっと、分かるかもよ……」
ぇ。何、言ってんの……光?
光の顔はもう、鼻と鼻がくっきそうな距離まで近づいている。
「私、キス上手いよ? 試してみよっか……」
唇を舐め回し、低い声で囁いた光に
「無理無理無理ーーーっっ!!」
おでこを掌で押して、遠ざけた。
「ちょっと、失礼ね!」
「光とキスとかありえないから!てか、いくら女の子が甘くて柔らかくてもさ、やっぱり私には無理だよ」
「でも、やよいちゃんとはしたんでしょ」
「そりゃ、やよいはさ……突然キスされたから……」
そう、あの時はやよいから何の前触れもなく、突然キスされたから抵抗する暇なんてなかった。
光は私におでこを抑えられて乱れた髪を直しながら、不服そうな表情を浮かべた。
「で、やよいちゃんにキスされて、拒否したの?」
「いや……拒否する前に、逃げられて……」
「その後は?」
「それからは、一度もキスしてない」
光は自分のグラスが空なのを確認すると、私のマティーニをぐいっと飲み干した。
「あ!」
「やよいちゃん、可哀想。これじゃ、都合のいい女じゃん。朝ご飯作らせて、お弁当持たせてもらって、甲斐甲斐しく世話させておきながら、ずっと返事先延ばしにしてるなんて。蛇の生殺しじゃん」
「だって、まだ気持ちがわかんないんだもん、しょうがないじゃん!
それに、やよいは幸せだって言ってるし」
すると、光に頭を叩はたかれた。
「好きな人の側にいられるんだから、そりゃ幸せだよ? 幸せだけどさ……心の中では、不安で仕方ないんだよ。美来が自分をどう思っているのか分からないまま、この関係がずっと続いてんだから。
あんたは恋人ごっこしてて楽しいかもしれないけど、やよいちゃんにははっきりした恋愛感情があるし、自分からキスするぐらいだから、美来に欲情してんだよ」
「えぇっっ」
「当たり前でしょ!!」
だって、やよいと欲情って……なんだか結びつかなくて。あんな穢れを知らない女の子みたいな、可愛い顔なのに。
あ、でも待って……そ、そういえば以前にやよいに言われたことあったっけ。
『一緒にいれば、もっと近くに寄り添いたいって思ってしまうし、その躰に触れたい、唇に口付けたいって思ってしまうんです』
あの時は、深く考えてなかったけど、今思うとかなりの大胆発言だよね……
そっか。やよいはそういうこと……私としたいって、思ってるんだ。
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