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可愛い彼女の本心は……
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意を決して、やよいの家のインターホンを鳴らす。
やよいとはあれ以来会っていない。大学にも来ていないみたいだし、バイトも辞めたと店長から聞いていた。
『はい……』
小さなやよいの声が聞こえた。
「やよい? 話したいことがあるの」
やよいは小さくドアを開け、迎え入れてくれた。
こうして改めて向かい合っていると本妻と愛人の修羅場のように思えて緊張する。まぁ私はもう振られてるわけだし、全然違うんだけど。
「よかった……」
やよいの小さな呟きに「え?」と聞き返す。
「私……もう、美來さんは私とは話してくれないと思っていたので……」
やよいの小さく浮かべた笑みにドキッとした。
ちゃんと、話してあげなきゃ。
「やよい。もう、楽になっていいよ。自分の好きな人のとこに行きな、私は大丈夫だから。
泣くだけ泣いたらスッキリしちゃった。元々私と湊って友達の延長上で始まった付き合いだったし、やよいの切ない表情見てたらさ、私の湊への思いなんて叶わないなぁ、なんて感じちゃって」
「美、來さん……」
「私に遠慮しないで、ちゃんと好きって言って」
「好、き……」
「そうそう」
「好き……好き、なんです」
「うん。だからね、湊に言っておいでって」
「私……湊さんじゃ、ない。
わたし、は……美來さんが、好き……なんです」
「え……」
一瞬、頭が真っ白になり、躰が固まった。
やよいとはあれ以来会っていない。大学にも来ていないみたいだし、バイトも辞めたと店長から聞いていた。
『はい……』
小さなやよいの声が聞こえた。
「やよい? 話したいことがあるの」
やよいは小さくドアを開け、迎え入れてくれた。
こうして改めて向かい合っていると本妻と愛人の修羅場のように思えて緊張する。まぁ私はもう振られてるわけだし、全然違うんだけど。
「よかった……」
やよいの小さな呟きに「え?」と聞き返す。
「私……もう、美來さんは私とは話してくれないと思っていたので……」
やよいの小さく浮かべた笑みにドキッとした。
ちゃんと、話してあげなきゃ。
「やよい。もう、楽になっていいよ。自分の好きな人のとこに行きな、私は大丈夫だから。
泣くだけ泣いたらスッキリしちゃった。元々私と湊って友達の延長上で始まった付き合いだったし、やよいの切ない表情見てたらさ、私の湊への思いなんて叶わないなぁ、なんて感じちゃって」
「美、來さん……」
「私に遠慮しないで、ちゃんと好きって言って」
「好、き……」
「そうそう」
「好き……好き、なんです」
「うん。だからね、湊に言っておいでって」
「私……湊さんじゃ、ない。
わたし、は……美來さんが、好き……なんです」
「え……」
一瞬、頭が真っ白になり、躰が固まった。
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