4 / 83
可愛い彼女の本心は……
4
しおりを挟む
その音にふたりでビクリと躰を震わせた。
こんな時間に、誰?
時計はもう1時を指している。
「俺、出るわ」
湊が立ち上がり、扉へと向かう。私も湊について行った。
ピンポーン♪ ピンポーン♪
続けざまに響くインターホンの音を聞きながら、湊が扉を開けた。
すると、扉の前に立っていたのは……
「やよ、い!?」
やよいが今にも泣き出しそうな顔で、目の前に包丁を震える手で握りしめ、膝をガクガクさせて立っていた。
「えっ、強姦に襲われてると勘違いしたの!?」
やよいは私の部屋のリビングルームに座り、ことの事情を話した。
「ごっ、ごめんなさいっっ!!
美来さんの部屋から『ギャーッッ』っていう叫び声がしたから、気が動転しちゃって……気がついたら、包丁持って美來さんの家の前に立ってました……」
「ハハッ。てか、強姦も襲うならぜってぇ美來じゃなくて、やよいちゃんにするでしょ? 美來から隣にめちゃめちゃ可愛い子が引っ越してきたって聞いてたけど、マジ可愛くてビックリした」
「えっ? い、いえ、そ、そんな……こと、ないで、す……」
やよいは、その言葉に縮こまって全身を赤くさせた。
ピクッ
まぁさ、事実だけど……普通、彼女目の前にして言うか? そのセリフ……
やよいって、湊の好みのどストライクなんだよね。
湊と付き合う前にいいって騒いでた女の子たち、みんなこんなタイプだったもんなぁ。
なんで湊は私と付き合うことにしたんだろ。
気楽だから? たまたま側にいたから? 暇つぶし?
かなり疑問だ。
「あ、あのぁ……おふたりは、同じバイト先で知り合ったんですよね?」
「そうそう」
「いいですね……そういうの、憧れます。私も、バイト始めようかな……」
「じゃさ、俺らんとこ来たら?今ちょうどバイト募集かけてるし」
「えぇっ! いいんですか!?」
「やよいちゃんみたいな可愛い子がバイト入ったら、みんな超やる気でるって。帰りは美來が送ってくから遅くなっても心配いらねーし」
はいはい、私の帰りの心配はしてないってことね。
「あ、あの……美來さん、は……私が同じバイト先になったら、嫌、ですか?」
やよいは恐る恐る私の顔を窺った。まるで小動物のようだ。そんな表情で聞かれて、嫌だと答えられる人がいたら見てみたい。
「嫌なわけ、ないじゃない。もちろん、大丈夫だよ」
湊はすっかり浮かれていた。
暫く話をした後、「ご迷惑をおかけしました……」とやよいはお辞儀をして帰って行き、私たちはキスの続きをすることはなかった。
こんな時間に、誰?
時計はもう1時を指している。
「俺、出るわ」
湊が立ち上がり、扉へと向かう。私も湊について行った。
ピンポーン♪ ピンポーン♪
続けざまに響くインターホンの音を聞きながら、湊が扉を開けた。
すると、扉の前に立っていたのは……
「やよ、い!?」
やよいが今にも泣き出しそうな顔で、目の前に包丁を震える手で握りしめ、膝をガクガクさせて立っていた。
「えっ、強姦に襲われてると勘違いしたの!?」
やよいは私の部屋のリビングルームに座り、ことの事情を話した。
「ごっ、ごめんなさいっっ!!
美来さんの部屋から『ギャーッッ』っていう叫び声がしたから、気が動転しちゃって……気がついたら、包丁持って美來さんの家の前に立ってました……」
「ハハッ。てか、強姦も襲うならぜってぇ美來じゃなくて、やよいちゃんにするでしょ? 美來から隣にめちゃめちゃ可愛い子が引っ越してきたって聞いてたけど、マジ可愛くてビックリした」
「えっ? い、いえ、そ、そんな……こと、ないで、す……」
やよいは、その言葉に縮こまって全身を赤くさせた。
ピクッ
まぁさ、事実だけど……普通、彼女目の前にして言うか? そのセリフ……
やよいって、湊の好みのどストライクなんだよね。
湊と付き合う前にいいって騒いでた女の子たち、みんなこんなタイプだったもんなぁ。
なんで湊は私と付き合うことにしたんだろ。
気楽だから? たまたま側にいたから? 暇つぶし?
かなり疑問だ。
「あ、あのぁ……おふたりは、同じバイト先で知り合ったんですよね?」
「そうそう」
「いいですね……そういうの、憧れます。私も、バイト始めようかな……」
「じゃさ、俺らんとこ来たら?今ちょうどバイト募集かけてるし」
「えぇっ! いいんですか!?」
「やよいちゃんみたいな可愛い子がバイト入ったら、みんな超やる気でるって。帰りは美來が送ってくから遅くなっても心配いらねーし」
はいはい、私の帰りの心配はしてないってことね。
「あ、あの……美來さん、は……私が同じバイト先になったら、嫌、ですか?」
やよいは恐る恐る私の顔を窺った。まるで小動物のようだ。そんな表情で聞かれて、嫌だと答えられる人がいたら見てみたい。
「嫌なわけ、ないじゃない。もちろん、大丈夫だよ」
湊はすっかり浮かれていた。
暫く話をした後、「ご迷惑をおかけしました……」とやよいはお辞儀をして帰って行き、私たちはキスの続きをすることはなかった。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
【ママ友百合】ラテアートにハートをのせて
千鶴田ルト
恋愛
専業主婦の優菜は、娘の幼稚園の親子イベントで娘の友達と一緒にいた千春と出会う。
ちょっと変わったママ友不倫百合ほのぼのガールズラブ物語です。
ハッピーエンドになると思うのでご安心ください。

〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
身体だけの関係です‐原田巴について‐
みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子)
彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。
ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。
その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。
毎日19時ごろ更新予定
「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。
良ければそちらもお読みください。
身体だけの関係です‐三崎早月について‐
https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

アラフォーOLとJDが出会う話。
悠生ゆう
恋愛
創作百合。
涼音はいきなり「おばさん」と呼び止められた。相手はコンビニでバイトをしてる女子大生。出会いの印象は最悪だったのだけれど、なぜだか突き放すことができなくて……。
※若干性的なものをにおわせる感じの表現があります。
※男性も登場します。苦手な方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる