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464.高まる期待
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帰りの電車に揺られながら、義昭は興奮が昂ってくるのを覚えた。
あと、少し。あと少しで、家だ……
喉を上下にゴクリとさせる。
車内には人がまばらに座っており、皆一様に疲れた顔を見せていた。
ノートパソコンを膝の上に広げて仕事の続きをしている者、スマホを一心に触っている者、これから夜の出勤なのか怠そうに鏡を手にメイクし始める者、酒に酔って真っ赤な顔をして大きないびきをかきながら深い眠りについている者……その中で、何もせずに爛々と瞳を輝かせている義昭は、異質な存在と言えるだろう。
最近は、仕事が忙しいという理由から毎晩終電ギリギリで帰るようにしていた。実際、4月に入ってから仕事は忙しいのだが、それでも毎日終電で帰るほどではない。
あぁ、今頃ふたりは……
類と美羽が抱き合う姿を想像して、股間の中心が膨らんでくるのを感じた義昭は、ビジネスバッグを膝の上に置いた。
盛り上がる中心に手を添えたい衝動に駆られるが、それを必死に抑えた。
ダメだ。こんなところで自慰なんかしたら、僕は変質者として警察に突き出されてしまう。
戒めのつもりでそう思ったのに、『変質者』、『警察に突き出される』その言葉にますます興奮が高まり、中心が硬く大きく膨らんだ。
電車のアナウンスが流れる。最寄駅だ。
義昭はビジネスバッグで不自然に前を隠したまま、電車を降りた。
2階ホームからエスカレーターで降り、改札口を出る前にチラリと公衆トイレに視線を向ける。ビジネスバッグをグッと猛りに押し付けた。
ハァッ、ハァッ……出し、出したい……だ、ダメだっっ。
まだ……もっと、気持ちよくなりたい……
ビジネスバッグを前で押さえつけるという不自然な格好に、向こうから歩いていた女性が不審の目を向ける。
やっぱりトイレに行って、スラックスの位置をずらしてごまかすべきか。いや、個室に入ったら絶対に抑えきれない。
はやる気持ちを抑えきれず、気持ちは駆け足で、実際は少し前屈みになりながら改札口を出る。商店街とは反対側になる道へと抜ける。家までの徒歩12分が、長く感じる。
歯医者を通り過ぎ、Y路地になっているコンビニの手前で左へと進み、小さな診療所や寺の前を歩いていく。反対側の通りであれば、深夜になっても営業している居酒屋やスナックなんかがあって賑やかだが、住宅街へと続くこの通りは静かで、道を歩いている人は滅多にいない。
先ほどよりも腰の角度が下がった前屈みの姿勢で、慎重に歩く。傍目から見たら、お腹が痛いのだろうかと思われるだろう。
痛い。痛い……はちきれそうだ。
ハァッ、ハァッ……早く、出したい……
だが、その痛みはどんどん快感へと変換され、義昭は恍惚とした表情でふらふらと歩いていた。
街灯が等間隔に並ぶだけの薄暗い通りに、真っ赤なネオンがボーッと遠目に見えてきた。深夜1時まで営業しているスーパーだ。側を通る時、真っ赤な看板に『営業25時まで』と書かれていた。
このスーパーを過ぎたら右折し、3本目を左。家が見えてきた。玄関のポーチが淡い黄白色の灯りを柔らかく灯している。
「ウグッ」
家を見て安心して力が緩んだ途端、先端の切っ先からトロリと熱い蜜が溢れ出てしまった。
駐車場には、類の車が停まっていた。
あと、少し。あと少しで、家だ……
喉を上下にゴクリとさせる。
車内には人がまばらに座っており、皆一様に疲れた顔を見せていた。
ノートパソコンを膝の上に広げて仕事の続きをしている者、スマホを一心に触っている者、これから夜の出勤なのか怠そうに鏡を手にメイクし始める者、酒に酔って真っ赤な顔をして大きないびきをかきながら深い眠りについている者……その中で、何もせずに爛々と瞳を輝かせている義昭は、異質な存在と言えるだろう。
最近は、仕事が忙しいという理由から毎晩終電ギリギリで帰るようにしていた。実際、4月に入ってから仕事は忙しいのだが、それでも毎日終電で帰るほどではない。
あぁ、今頃ふたりは……
類と美羽が抱き合う姿を想像して、股間の中心が膨らんでくるのを感じた義昭は、ビジネスバッグを膝の上に置いた。
盛り上がる中心に手を添えたい衝動に駆られるが、それを必死に抑えた。
ダメだ。こんなところで自慰なんかしたら、僕は変質者として警察に突き出されてしまう。
戒めのつもりでそう思ったのに、『変質者』、『警察に突き出される』その言葉にますます興奮が高まり、中心が硬く大きく膨らんだ。
電車のアナウンスが流れる。最寄駅だ。
義昭はビジネスバッグで不自然に前を隠したまま、電車を降りた。
2階ホームからエスカレーターで降り、改札口を出る前にチラリと公衆トイレに視線を向ける。ビジネスバッグをグッと猛りに押し付けた。
ハァッ、ハァッ……出し、出したい……だ、ダメだっっ。
まだ……もっと、気持ちよくなりたい……
ビジネスバッグを前で押さえつけるという不自然な格好に、向こうから歩いていた女性が不審の目を向ける。
やっぱりトイレに行って、スラックスの位置をずらしてごまかすべきか。いや、個室に入ったら絶対に抑えきれない。
はやる気持ちを抑えきれず、気持ちは駆け足で、実際は少し前屈みになりながら改札口を出る。商店街とは反対側になる道へと抜ける。家までの徒歩12分が、長く感じる。
歯医者を通り過ぎ、Y路地になっているコンビニの手前で左へと進み、小さな診療所や寺の前を歩いていく。反対側の通りであれば、深夜になっても営業している居酒屋やスナックなんかがあって賑やかだが、住宅街へと続くこの通りは静かで、道を歩いている人は滅多にいない。
先ほどよりも腰の角度が下がった前屈みの姿勢で、慎重に歩く。傍目から見たら、お腹が痛いのだろうかと思われるだろう。
痛い。痛い……はちきれそうだ。
ハァッ、ハァッ……早く、出したい……
だが、その痛みはどんどん快感へと変換され、義昭は恍惚とした表情でふらふらと歩いていた。
街灯が等間隔に並ぶだけの薄暗い通りに、真っ赤なネオンがボーッと遠目に見えてきた。深夜1時まで営業しているスーパーだ。側を通る時、真っ赤な看板に『営業25時まで』と書かれていた。
このスーパーを過ぎたら右折し、3本目を左。家が見えてきた。玄関のポーチが淡い黄白色の灯りを柔らかく灯している。
「ウグッ」
家を見て安心して力が緩んだ途端、先端の切っ先からトロリと熱い蜜が溢れ出てしまった。
駐車場には、類の車が停まっていた。
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