【R１８】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

４６１.龍也の目的

　ふたりを見送り、龍也と類が残された。

　先ほど感情を露わにした時とは一変し、龍也は気軽な調子で類に話し掛けた。

「おぉ、おぉ、荷物係が来たさかい、ようけ買えるなぁ。
　ほな、兄はんが何かひとつ買こうてあげよか」
「結構です。自分のものは、自分で買うんで」
「あー、こわい、こわい。敵意むきだしやなー。類とは仲ようしたいのに、悲しいわぁ」

　人をおちょくったような態度をとる龍也を、類が睨みつけた。



「一体、何が目的なの？」


　
　龍也が狐目を上げて、ニヤリと笑った。

「はて、なんやろね」
「あんた、絵麻って人のことが好きだったから、それでミューのこと逆恨みしてんでしょ」

　龍也の目が一瞬大きく見開かれ、鋭い眼差しで威嚇した。

「ええかげんにしよし。なに言うてんねん。そんなん、あるわけあらへんやろ。
　あんな、俺は、隼斗と絵麻に幸せになってほしかっただけや。親友やったら、当然やろ」
「あんたが絵麻って人のことを好きかどうかなんて、別にどうでもいいし興味もないけど、関係ないミューを巻き込むのはやめろ」
「へぇ、自分、そないな言い方もできるんやな……食えへん奴やなぁ」
「お互い様だ」

　類が黙り込むと、龍也が彼の腕を取った。

「なっ！」
「ほな、まずはお酒買おか。ほんで、次は焼き鳥な」
「ｯｯ」

　ほんと、こいつ……何考えてるか分かんなくて、気持ち悪い。

　類は仕方なく、龍也に付き合って歩き出した。