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426. 白く染められていく罪
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悲しいことに、ジンジンとした痛みは甘い快感へと移り変わっていく。切ない吐息を零しながら、美羽は眉を歪め続けた。
そんな美羽を苦しそうに見つめ、類は頬に睫毛の影を落とした。
ミューがそう、望むなら。
無となった心を、快感で満たしてあげるよ。
美羽の服が、類によって丁寧に脱がされていく。
「これから一緒に、シャワー浴びよ」
その言葉に、美羽が息を呑む。
さっき、かおりんが類との情事後の熱と匂いを洗い流したばかりのシャワーに、私を連れていくの!?
また黒い感情が蘇る。嫉妬の渦が、心に沸き起こる。
どこまで、残酷なの……類。
「じゃあ、このまま僕がシャワー浴び終えるまで待ってる? そうして、このまま抱かれる?」
「ッッ」
それも、嫌……だ。
「僕の命令は?」
「絶、対……」
そう答えた美羽の花芽が、ドクッと熱く震えた。
「何もかも、洗い流そう」
類に手を引かれ、浴室へと入る。
さっきまで、ここでかおりんが……
美羽の思考が、シャワーの音に掻き消された。立ち上っていく湯気が、ふたりの罪を白く染めていく。
泡のついた手が、美羽を後ろから抱き締めた。薔薇の香りが鼻腔を擽り、官能を煽られる。
「ンッック」
胸の膨らみを大きな手で包み込まれ、敏感な先端がくるくると指で弄ばれる。
「もう、硬くなった。相変わらず、敏感だね」
「ハァッ、類……」
温もりが、ふたりを包み込む。胸の尖りが類の指でキュッと摘まれ、踵が浮き上がる。
「嫌?」
「いぃ。もっ、と……」
かおりんが類の情欲を洗い流した浴室で、私は類の情欲に犯される。
どうか、罪深き私に罰を与えて……
更にきつく捻られ、内腿が震える。もう片方の類の手がそこに触れ、下から上へと撫であげられる。
「ッフ!」
「ここも、洗わないと」
泡が愛蜜に絡まれる。花弁が揺らされ、開かれる。隠れている赤い実を、暴かれる。
類の熱い欲が、背中に触れている。
「ハゥァッ……」
艶かしく漏れる吐息は、湯気に呑み込まれて消えた。
愛、なんてない。
私の意思なんて、ここにはない。
ただ痛みを、快感を与えられて……喘ぐ、だけ。
「僕も、洗ってよ」
美羽の躰を洗い終えた類が、背中を向く。背中一面に広がる傷痕が目の前に迫り、美羽は言葉を失った。
酷い、傷……
類がハッとし、正面へと躰を戻す。
「ごめん。自分では見えないから、無意識だった」
「いい。いい、の……後ろ、向いて」
美羽に促され、類は再び背中を向けた。
以前、類の背中を見たことはあったけれど、こんなに間近で見るのは初めてだ。思わず、見入ってしまう。
美羽は、泡のついた手で類の傷跡に触れた。温かい手の温もりを感じ、類が声をかける。
「傷痕、舐めて……」
一瞬躊躇したものの、泡をシャワーで洗い流し、先ほど類がした時のように舌を這わせて丁寧に舐める。古傷は舐めても染みることはないけれど、一生消えることはないだろう。
それほど、深く抉られていた。
「僕も……痛みを感じられたら、良かったのに」
悲しく響く類の言葉に、美羽の胸がキリキリと締め付けられる。
「ねぇ、こっちも舐めて」
類が正面を向き、視線を下げた。いきり勃つ彼の象徴からは、涙のような滴が溢れている。
美羽は膝立ちになり、顔を寄せた。
躰を洗い終え、浴室を出る。ふたりの欲情が、高まっている。今すぐにでも繋がりたいと、本能が叫んでいる。
「ミュー、綺麗だよ」
濡れたままの髪に手を差し入れ、類が深く口付ける。バスタオルへと伸ばしかけた美羽の手から、力が抜けた。
「ッンン!」
高い位置から唇をぴったりと押し付けられるような、息をもつかせぬほどの激しい呼吸に、苦しくなる。酸素を求めるように、類の背中に回した指の爪を立て、喘いだ。
「ンッ! ンッ! ンンッグ……」
ぁ、苦しい……息、が。
口内で暴れ回る舌は、類がいつもしてくれていたような、美羽の快感を引き出す愛撫とはまったく違う。一方的で、暴力的な口づけ。
腰が痙攣する。愛蜜が、内腿をゆっくりと伝って零れていく。激しく求める類の愛撫に、感じてしまっている。
「ンクッ」
唇が合わさったまま、類が歩き出す。扉が乱暴に開けられる。
「ンハッ!! ハァッ、ハァッ……」
背の高さが違い過ぎて、唇がついていかない。離れた瞬間、背中と膝裏を持ち上げられた。
類の焦りを含んだ表情に、美羽の心臓が掴まれる。
「あぁ、もぅっ……!」
類が小さく呟いた。美羽を抱き上げ、大股で部屋へと運ぶ。
そんな美羽を苦しそうに見つめ、類は頬に睫毛の影を落とした。
ミューがそう、望むなら。
無となった心を、快感で満たしてあげるよ。
美羽の服が、類によって丁寧に脱がされていく。
「これから一緒に、シャワー浴びよ」
その言葉に、美羽が息を呑む。
さっき、かおりんが類との情事後の熱と匂いを洗い流したばかりのシャワーに、私を連れていくの!?
また黒い感情が蘇る。嫉妬の渦が、心に沸き起こる。
どこまで、残酷なの……類。
「じゃあ、このまま僕がシャワー浴び終えるまで待ってる? そうして、このまま抱かれる?」
「ッッ」
それも、嫌……だ。
「僕の命令は?」
「絶、対……」
そう答えた美羽の花芽が、ドクッと熱く震えた。
「何もかも、洗い流そう」
類に手を引かれ、浴室へと入る。
さっきまで、ここでかおりんが……
美羽の思考が、シャワーの音に掻き消された。立ち上っていく湯気が、ふたりの罪を白く染めていく。
泡のついた手が、美羽を後ろから抱き締めた。薔薇の香りが鼻腔を擽り、官能を煽られる。
「ンッック」
胸の膨らみを大きな手で包み込まれ、敏感な先端がくるくると指で弄ばれる。
「もう、硬くなった。相変わらず、敏感だね」
「ハァッ、類……」
温もりが、ふたりを包み込む。胸の尖りが類の指でキュッと摘まれ、踵が浮き上がる。
「嫌?」
「いぃ。もっ、と……」
かおりんが類の情欲を洗い流した浴室で、私は類の情欲に犯される。
どうか、罪深き私に罰を与えて……
更にきつく捻られ、内腿が震える。もう片方の類の手がそこに触れ、下から上へと撫であげられる。
「ッフ!」
「ここも、洗わないと」
泡が愛蜜に絡まれる。花弁が揺らされ、開かれる。隠れている赤い実を、暴かれる。
類の熱い欲が、背中に触れている。
「ハゥァッ……」
艶かしく漏れる吐息は、湯気に呑み込まれて消えた。
愛、なんてない。
私の意思なんて、ここにはない。
ただ痛みを、快感を与えられて……喘ぐ、だけ。
「僕も、洗ってよ」
美羽の躰を洗い終えた類が、背中を向く。背中一面に広がる傷痕が目の前に迫り、美羽は言葉を失った。
酷い、傷……
類がハッとし、正面へと躰を戻す。
「ごめん。自分では見えないから、無意識だった」
「いい。いい、の……後ろ、向いて」
美羽に促され、類は再び背中を向けた。
以前、類の背中を見たことはあったけれど、こんなに間近で見るのは初めてだ。思わず、見入ってしまう。
美羽は、泡のついた手で類の傷跡に触れた。温かい手の温もりを感じ、類が声をかける。
「傷痕、舐めて……」
一瞬躊躇したものの、泡をシャワーで洗い流し、先ほど類がした時のように舌を這わせて丁寧に舐める。古傷は舐めても染みることはないけれど、一生消えることはないだろう。
それほど、深く抉られていた。
「僕も……痛みを感じられたら、良かったのに」
悲しく響く類の言葉に、美羽の胸がキリキリと締め付けられる。
「ねぇ、こっちも舐めて」
類が正面を向き、視線を下げた。いきり勃つ彼の象徴からは、涙のような滴が溢れている。
美羽は膝立ちになり、顔を寄せた。
躰を洗い終え、浴室を出る。ふたりの欲情が、高まっている。今すぐにでも繋がりたいと、本能が叫んでいる。
「ミュー、綺麗だよ」
濡れたままの髪に手を差し入れ、類が深く口付ける。バスタオルへと伸ばしかけた美羽の手から、力が抜けた。
「ッンン!」
高い位置から唇をぴったりと押し付けられるような、息をもつかせぬほどの激しい呼吸に、苦しくなる。酸素を求めるように、類の背中に回した指の爪を立て、喘いだ。
「ンッ! ンッ! ンンッグ……」
ぁ、苦しい……息、が。
口内で暴れ回る舌は、類がいつもしてくれていたような、美羽の快感を引き出す愛撫とはまったく違う。一方的で、暴力的な口づけ。
腰が痙攣する。愛蜜が、内腿をゆっくりと伝って零れていく。激しく求める類の愛撫に、感じてしまっている。
「ンクッ」
唇が合わさったまま、類が歩き出す。扉が乱暴に開けられる。
「ンハッ!! ハァッ、ハァッ……」
背の高さが違い過ぎて、唇がついていかない。離れた瞬間、背中と膝裏を持ち上げられた。
類の焦りを含んだ表情に、美羽の心臓が掴まれる。
「あぁ、もぅっ……!」
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