【R１８】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

３６２.気まずいふたりきり

　こんな最中に美羽は帰ると言い出すことができず、結局玄関で香織とふたり、待たされることになってしまった。

　きまり悪さを感じながらそわそわしていると、香織が訴えかけるような眼差しで美羽を見つめ、おずおずと口を開いた。

「美羽……私たち、友達だよね？」

　重いトーンで尋ねてくる香織に、心臓がドクドクと脈打つ。小指の先から体温が失われていく。

「あたり、まえじゃない。どうして、そんなこと聞くの？」
「これから……なにがあろうと、私たちの関係は変わらないんだよね？」



　類と恋人になっても……
　そう、言いたいの？



　けれど、美羽にそれを問うことはできなかった。聞いてしまったら……もう香織とは、友達で、親友でいられなくなってしまう気がした。

「変わるわけ……ないよ……」

　階段を降りる音が響いてきた。裕樹を抱いた芳子と萌がこちらに向かってくる。

「ごっめーん、バタバタしちゃって！」

　萌は芳子がマックスで痩せていた時のねずみの柄のトレーナーを着ていたが、それでもダボダボで、超ミニのふりふりひらひらのスカートとの相性は最悪だった。