【R１８】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

９７.不安と喜び

　その後、類は家具を見たいと言い出し、家具屋やインテリアショップに付き合わされた。結局夕食も外食になり、家に着いたのは９時近くになってからだった。

　疲れた……

　ベッドに躰を投げ出し、美羽は大きく息を吐いた。

　外にいた時はオシャレな家具やインテリアグッズを見て巡るのが楽しくてなんともなかったが、家に着いた途端疲れがドッと出て、ずっと歩きっぱなしだった足がジンジンと悲鳴をあげている。

　カフェで立ちっぱなし、歩きっぱなしには慣れているつもりだったが、ショッピングで歩き回るのとはまた違う気がした。

　元からショッピングなんて興味もないし嫌いな義昭は、さすがに付き合いきれず、途中からは『ここで待ってるから』とベンチに座っていた。その間、美羽は類と二人きりだったが、危険な雰囲気になることはなく、類は次から次へと気に入ったものを見つけて美羽を引っ張っては見せ、まるで子供のようにはしゃいでいた。

　そんな類といると自然に笑みが溢れ、愛おしさが込み上げてくる。

　類はベッドカバーやスタンドライトだけでなくソファやローテーブル等の大きな家具も購入し、配送を手配した。

　類……ほんとに、ずっといるつもりなんだ。

　不安と喜びが入り混ざる中、重く伸し掛かる疲れに身を任せ、瞼を閉じると意識が薄れていった。