85 / 498
81.伝わる絶頂
しおりを挟む
「美羽、顔が真っ赤だよ!! やっぱり、具合い悪いんじゃないの!?」
香織が心配そうに美羽の顔を覗き込んだ。
大学に入ってから仲良くなった香織は、それまで類中心だった美羽の人生において、初めてまともに友人として付き合うことの出来た女友達だった。美羽の紹介でこのカフェでも働くようになり、就活がうまくいかなかった香織は卒業後もここでフルタイムで働いていた。もちろん義昭との馴れ初めも知っている。
「だ、大丈夫……ちょっと、トイレ行ってくるね……」
心配する香織に無理やり笑みをつくり、美羽は控室の横に備え付けてあるトイレに入った。
躰が、熱い……あそこが、ジンジンする……
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
躰の深奥を掻き混ぜられているかのようだ。脈がドクドクと速くなり、血液が一気に淫部に流れ込んでくる。
「ンッ……ンンッ……」
押し寄せる肉欲を必死で抑え、美羽は一方の手で壁に寄りかかり、もう一方で口を抑えた。ブラジャー越しにも胸の尖りが硬くなっているのを敏感に感じ取る。全身が焼け付くように熱く、下半身がドクドクと脈打ち始めた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……ンクッ」
ブルブルッと花芽が震え、次第に熱が引いていくと同時に頭が冴えて冷静になってくる。絶頂に達した後にも余韻がじわじわと躰中に広がっていく、いつもの感覚とは違っていた。
間違いない。
類は今、私の家で……
ベッドに横たわり、淫らに自慰にふける類が浮かび上がり、再び熱を持ちそうになって慌てて掻き消した。
ハァ、と大きく溜息を吐いて個室から出て表に戻ると、香織が美羽の顔を再び覗き込んだ。背の高い香織がそうすると、まるで母親が娘を心配しているかのように見える。
実際、香織は姉御肌で面倒見がいい。大学で友人を作るきっかけを見つけられず、ひとりポツンと講義室で座っていた美羽に声をかけてくれたのが香織だった。
「美羽、大丈夫なの?」
まさか、類の自慰にあてられて気分が悪くなったとは言えず、美羽は困ったような笑顔を浮かべた。
「うん、もう大丈夫だから。心配かけてごめんね」
「今日は雨だからそんなにお客さんも多くないし、私ともえたんだけでこっちは何とかなるから、隼斗さんに話してみたら?」
「そ、そんなんじゃないの!!」
強めの調子で言うと、香織は目を瞠った。美羽とはもう7年以上の付き合いになるが、いつもクールで落ち着いている彼女が感情を剥き出しにしている。そんな友人の初めて見る姿に、香織は戸惑っていた。
そんな香織の心情を感じ取り、美羽は慌てて微笑んだ。
「ご、ごめん……本当に、大丈夫……だから」
「そう? 無理しないでね」
「うん。かおりん、ありがとう……」
美羽は余計な考えを追い出すためと、病気だと思われないよう、いつも以上に仕事に熱心に取り組んだ。
類が待つ家にひとりで帰るなんて、出来ない。
せめて、義昭さんが帰ってくるまでは働かないと……
香織が心配そうに美羽の顔を覗き込んだ。
大学に入ってから仲良くなった香織は、それまで類中心だった美羽の人生において、初めてまともに友人として付き合うことの出来た女友達だった。美羽の紹介でこのカフェでも働くようになり、就活がうまくいかなかった香織は卒業後もここでフルタイムで働いていた。もちろん義昭との馴れ初めも知っている。
「だ、大丈夫……ちょっと、トイレ行ってくるね……」
心配する香織に無理やり笑みをつくり、美羽は控室の横に備え付けてあるトイレに入った。
躰が、熱い……あそこが、ジンジンする……
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
躰の深奥を掻き混ぜられているかのようだ。脈がドクドクと速くなり、血液が一気に淫部に流れ込んでくる。
「ンッ……ンンッ……」
押し寄せる肉欲を必死で抑え、美羽は一方の手で壁に寄りかかり、もう一方で口を抑えた。ブラジャー越しにも胸の尖りが硬くなっているのを敏感に感じ取る。全身が焼け付くように熱く、下半身がドクドクと脈打ち始めた。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……ンクッ」
ブルブルッと花芽が震え、次第に熱が引いていくと同時に頭が冴えて冷静になってくる。絶頂に達した後にも余韻がじわじわと躰中に広がっていく、いつもの感覚とは違っていた。
間違いない。
類は今、私の家で……
ベッドに横たわり、淫らに自慰にふける類が浮かび上がり、再び熱を持ちそうになって慌てて掻き消した。
ハァ、と大きく溜息を吐いて個室から出て表に戻ると、香織が美羽の顔を再び覗き込んだ。背の高い香織がそうすると、まるで母親が娘を心配しているかのように見える。
実際、香織は姉御肌で面倒見がいい。大学で友人を作るきっかけを見つけられず、ひとりポツンと講義室で座っていた美羽に声をかけてくれたのが香織だった。
「美羽、大丈夫なの?」
まさか、類の自慰にあてられて気分が悪くなったとは言えず、美羽は困ったような笑顔を浮かべた。
「うん、もう大丈夫だから。心配かけてごめんね」
「今日は雨だからそんなにお客さんも多くないし、私ともえたんだけでこっちは何とかなるから、隼斗さんに話してみたら?」
「そ、そんなんじゃないの!!」
強めの調子で言うと、香織は目を瞠った。美羽とはもう7年以上の付き合いになるが、いつもクールで落ち着いている彼女が感情を剥き出しにしている。そんな友人の初めて見る姿に、香織は戸惑っていた。
そんな香織の心情を感じ取り、美羽は慌てて微笑んだ。
「ご、ごめん……本当に、大丈夫……だから」
「そう? 無理しないでね」
「うん。かおりん、ありがとう……」
美羽は余計な考えを追い出すためと、病気だと思われないよう、いつも以上に仕事に熱心に取り組んだ。
類が待つ家にひとりで帰るなんて、出来ない。
せめて、義昭さんが帰ってくるまでは働かないと……
0
お気に入りに追加
239
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。


【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる