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23.双子の繋がり
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冷蔵庫を開けると食材は殆ど入っておらず、スカスカだった。置かれているのは調味料と飲み物、そしてケーキとゼリーだけだ。いつも類はどんな食生活をしているのか、心配になってしまった。
「はい。これでいい?」
「うん、ありがとう」
類は卵を割ると箸で掻き混ぜた。白く細い女性のような華奢な手が掻き混ぜるその動きが妙に淫らに感じてしまい、美羽は思わず目を反らした。
「私は何をすればいい?」
「じゃ、その棚に入ってる薄力粉とベーキングパウダー取って」
「うん」
戸棚を開けると、二段目に薄力粉とベーキングパウダーが入っている。踵を上げて手を伸ばそうとしたけれど、届かない。すると、背後から類の手が伸びてきて、思わず手を引っ込めた美羽はバランスを崩して類の胸に倒れこんでしまった。
「ごめん。びっくりさせちゃった?」
「う、うん……」
体勢を戻した美羽は、鼓動が速まっていることに気づかれたくなくて俯いた。
「ミューがこんなに小さいの、忘れてた。ハハッ」
揶揄うように類が美羽の頭をポンポンと撫で、薄力粉とベーキングパウダーを棚から下ろす。
小学生までは同じ身長だったのに、中学から少しずつ身長差が出てきて、類と離れ離れになった高1の時には10センチの差がついていた。けれど今は、それよりも随分類の身長は高くなっている。30センチ差近くはあるだろうか。小学生で身長が止まってしまった自分とは、随分差をつけられてしまった。
「踏み台があれば、自分で取れるのに……」
子供扱いされたかのようで不満に思った美羽が口を尖らせると、類は優しく目を細めて笑みを見せた。
「無理しないで。来たんでしょ、あれ」
あれが生理のことを指していることに気づいた美羽は、顔を赤らめた。
「な、なんで……」
「だってミュー、さっき抱き締めた時に昨日と匂いが違ったから……それに、なんとなく分かるんだ。双子だから、かな」
匂いが違う、だなんて……私、今、どんな匂いをしてるの?
凄く、恥ずかしい……
羞恥心が更に高まる。なんでもない顔をしてそんなことを言ってくる類が、恨めしく思えてくる。義昭には一度だって、そんなことを言い当てられたこともなければ、生理だと告げたことで気遣われることもなかった。
「はい。これでいい?」
「うん、ありがとう」
類は卵を割ると箸で掻き混ぜた。白く細い女性のような華奢な手が掻き混ぜるその動きが妙に淫らに感じてしまい、美羽は思わず目を反らした。
「私は何をすればいい?」
「じゃ、その棚に入ってる薄力粉とベーキングパウダー取って」
「うん」
戸棚を開けると、二段目に薄力粉とベーキングパウダーが入っている。踵を上げて手を伸ばそうとしたけれど、届かない。すると、背後から類の手が伸びてきて、思わず手を引っ込めた美羽はバランスを崩して類の胸に倒れこんでしまった。
「ごめん。びっくりさせちゃった?」
「う、うん……」
体勢を戻した美羽は、鼓動が速まっていることに気づかれたくなくて俯いた。
「ミューがこんなに小さいの、忘れてた。ハハッ」
揶揄うように類が美羽の頭をポンポンと撫で、薄力粉とベーキングパウダーを棚から下ろす。
小学生までは同じ身長だったのに、中学から少しずつ身長差が出てきて、類と離れ離れになった高1の時には10センチの差がついていた。けれど今は、それよりも随分類の身長は高くなっている。30センチ差近くはあるだろうか。小学生で身長が止まってしまった自分とは、随分差をつけられてしまった。
「踏み台があれば、自分で取れるのに……」
子供扱いされたかのようで不満に思った美羽が口を尖らせると、類は優しく目を細めて笑みを見せた。
「無理しないで。来たんでしょ、あれ」
あれが生理のことを指していることに気づいた美羽は、顔を赤らめた。
「な、なんで……」
「だってミュー、さっき抱き締めた時に昨日と匂いが違ったから……それに、なんとなく分かるんだ。双子だから、かな」
匂いが違う、だなんて……私、今、どんな匂いをしてるの?
凄く、恥ずかしい……
羞恥心が更に高まる。なんでもない顔をしてそんなことを言ってくる類が、恨めしく思えてくる。義昭には一度だって、そんなことを言い当てられたこともなければ、生理だと告げたことで気遣われることもなかった。
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