【R18】退廃的な接吻を ー美麗な双子姉弟が織りなす、切なく激しい禁断愛ー

奏音 美都

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2.記憶の中の愛しい人

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 カタンと扉が閉まる音を確認すると、美羽は寝室のサイドテーブルの引き出しを慎重に開けた。ジュエリーボックスが置かれたその奥にしまってあるものを取り出す。

 小型の電気マッサージ器。もし義昭に見つかってしまっても、言い訳出来るようにと購入したものだった。

 事が済んだ義昭は、決して美羽の寝室に戻ってくることはない。

 そう分かっていても、鍵をかけていない状況に、不安と怖さが募っていく。けれど、そのスリルもまた、興奮の材料の一部となっていた。

 中断されてしまった妄想の続きに思いを馳せる。

 類の女性のような細くて白い指、滑らかな指遣い、ぴったりと吸い付き合う肌の感触を思い出すだけで、砂漠のように乾ききった井戸から泉のように愛蜜が溢れ出す。

『ミュー……僕の愛しいミュー。大好きだよ』

 記憶の中の声が、呼び掛ける。

 あぁ、類。好き……大好き……私を、愛して……

 シーツの隙間から、掌に収まるぐらいの小さな玩具をするりと滑り込ませる。妄想の中ではいつだって、これは類の手となり指となる。

 電源を押すと、緩く細かな振動が手に伝わってきた。

 全身をゆっくり愛撫したい欲に駆られつつも、美羽は少し開いた脚の間へとそれを近づける。くぐもったブブブ……という音が花芽に当てられることにより、消えた。代わりに、「クッ……」と美羽の喉の奥が鳴る音が静かな部屋に落とされた。

 確実に押し当てられ、一定に揺らされる振動。揺さぶられる衝動。波が、少しずつ押し寄せて高まってくる。そう、これは類の指遣い。

 あぁ、ダメ……く、くる……あぁ、類……!!

 脚が引き攣り、指の先まで緊張する。脳髄が熱くなり、真っ白に塗り潰されていく。

『フフッ……ミュー、いいよ。イって……』

「ッカハ!! ハァッ、ッックゥ……」

 きつく噛み締めた歯の隙間から漏れる声。ビクビクと痙攣する花芽に当たる振動が、絶頂に達してもなお、更なる快感を引き寄せようと手招く。

 だが、美羽は電源を押してスイッチを切り、躰を弛緩させた。

 また……しちゃった。

 絶頂の余韻にふんわりと包まれながらも、罪悪感が黒雲のように心を覆い尽くしていく。



 どうして、私は……



 突き上がってくる胸の衝動に耐えきれず、俯せになると枕に顔を埋めた。まだ美羽の花芽が、満たされない欲を求めてドクドクと蠢いていた。
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