【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!

奏音 美都

文字の大きさ
上 下
1 / 9
仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!

しおりを挟む
「おはようございまぁす!
 友美ゆみさん、入り作業何すればいいですか?」

 短めのライトグレーのワンピースの制服に腰でキュッと結んだ白いエプロンを身に着けて、早足で歩きながら、ベテランウェイトレスの友美さんに声を掛けた。

 ここはバイト先のファミレス。私はここで、ウェイトレスとして働いてる。

「あ、美愛ちゃん、おはよー。
 今日さ、在庫チェックお願いできる? 私、あと1時間で上がりだから、それまでに終わらせて欲しいんだけど」

 友美さんは、先程入ってきたお客様に出すおひやとおしぼりを2つ手早くトレーに置きながら、横目で私に手早く指示した。

 在庫チェックかぁ、面倒いなぁ……

 と思いつつ、

 ま、1時間あるなら気楽にできるからいっか。

「はぁい。じゃ、行ってきまぁす!」

 従業員控室に置いてある在庫管理表を取りに行くと、そこにはたけしがいてスマホを弄ってた。

 豪は黒髪短髪で、中学ではサッカーやってたスポーツ得意な爽やかイケメン男子だ。喋りやすくて誰とでもすぐに打ち解ける。

 高校入ってすぐここでバイト始めて先輩に囲まれて不安になってた私に声掛けてくれて、友達になったのが豪だった。厨房とウェイトレス、役目は違うけど、同じ職場で働く仲間意識をもっている。

「あれっ、豪、今から入るの?」

 それにしては、中途半端な時間だけど。

「いやぁ、今日さぁ5時入りだと思ってたらスケジュール見たら6時入りでさぁ。マジ急いで来たのに……」

 豪はハァ……と大袈裟に溜息をついた。

「ハハッ、スケジュールちゃんと見ないからだよ!」
「美愛は何してんの?」
「これから在庫チェック。
 私、どこに何があるか分かんないから時間かかりそう……」
「ホールと厨房で共通に使うのとかなら場所分かるし、手伝ってやるよ。どーせヒマだし」

 豪はスマホをポケットに入れると立ち上がった。

「えっ、マジで? うわー、めっちゃ助かるっ!!」
「じゃさ、管理表の1頁目は俺で、2頁目が美愛担当な」

 豪が管理表をピリピリと破って私に2枚目を渡した。

「えっ! 2枚目の方が少ないじゃん。これ、私の仕事だし1枚目のでいいよ」

 そう言って、紙を交換しようとしたけど……

「いいって、終わったら手伝ってもらうから」

 豪に言われて、素直にお願いすることに。タメで同じ時期に入った同期にも関わらず、頼れるヤツだ。

「ありがと……」

 そう言った私に、豪は爽やかな笑顔を見せた。

「おー。早く済ましちまおうぜ」

 えっと……ペーパータオルってどこにあるんだろ……

 全部の棚を、隅から隅まで覗いて探していた。

 私の様子に気付いた豪が、後ろを振り返る。

「何探してんだ?」
「あ、ペーパータオル……」
「それなら、あそこだろ」

 豪の指差した先を見上げると、棚の一番上にペーパータオルがある。

 けれど……

 奥まで入ってて、幾つあるのかここからじゃ、分かんないよ……

「ちょっと待ってろ……」

 豪が出て行った。

 戻ってきた豪は手に梯子を持っていた。

「バックヤードから持ってきた。いるだろ?」
「ありがと」

 梯子をしっかりと広げて固定させると、手を掛けた。豪が心配そうに声をかける。

「俺、やろうか?」

 けど、梯子の揺れ具合がなんだか心許ない。豪が体重かけたら壊れそうだ。

「ううん、大丈夫。豪はしっかり支えてて」

 梯子に手を掛けると、足取り軽く上り始めた。結構、こういうのは得意だ。

 ステップに足を乗せて立ったまま、奥に埋もれているペーパータオルの数を確認する。

 あれっ、もしかして……まだ奥にも更に埋まってる?
 どんだけ詰め込んでんの。ったく、誰、これ補充したのっ!

 爪先立ちになり、身体を傾けて奥に隠れているペーパータオルを見つけ出して、ようやく数を確認できた。

 8束ね……あっ! 管理表、手元にないわ。
 豪に書いてもらえばいっか。

 そう思って、下にいる豪を見下ろした。

「ねぇ、豪……」

 言いかけた私は、下から私を見上げるその目線の先にあるものに気付く。

 短い制服のスカートから覗くショーツを、豪はマジマジと見つめていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

【完結】大学で人気の爽やかイケメンはヤンデレ気味のストーカーでした

あさリ23
恋愛
大学で人気の爽やかイケメンはなぜか私によく話しかけてくる。 しまいにはバイト先の常連になってるし、専属になって欲しいとお金をチラつかせて誘ってきた。 お金が欲しくて考えなしに了承したのが、最後。 私は用意されていた蜘蛛の糸にまんまと引っかかった。 【この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません】 ーーーーー 小説家になろうで投稿している短編です。あちらでブックマークが多かった作品をこちらで投稿しました。 内容は題名通りなのですが、作者的にもヒーローがやっちゃいけない一線を超えてんなぁと思っています。 ヤンデレ?サイコ?イケメンでも怖いよ。が 作者の感想です|ω・`) また場面で名前が変わるので気を付けてください

優しい紳士はもう牙を隠さない

なかな悠桃
恋愛
密かに想いを寄せていた同僚の先輩にある出来事がきっかけで襲われてしまうヒロインの話です。

眠り姫は甘い悪魔に染められる

なかな悠桃
恋愛
仙徳ちなは、ある夢を見ていた。それは普段とは真逆の性格の同期、上出天音がいる世界・・・。 ※※今の連載が落ち着いたら続編を書く予定にしてるので、何カ所か含みのある内容になり意味が分からないと思います。すみません(´;ω;`) ※※見直してはおりますが、誤字脱字などお見苦しい点ございましたら申し訳ございません。

閉じ込められて囲われて

なかな悠桃
恋愛
新藤菜乃は会社のエレベーターの故障で閉じ込められてしまう。しかも、同期で大嫌いな橋本翔真と一緒に・・・。

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる

奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。 両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。 それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。 夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

コクって、フラれて、ツキあって

カゲ
恋愛
「私、彼氏居るから」 彼の告白に美穂はそう答えた。 落ち込む彼に美穂は続けて、 「彼氏じゃなきゃダメ?」 と美穂はそう聞いてくる。 彼は今まで通りの関係で居たい、という意味だと思ったが、実は美穂の意図は違っていて…? 彼と美穂の彼氏・彼女でない関係が始まっていく。

処理中です...