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仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!
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「おはようございまぁす!
友美さん、入り作業何すればいいですか?」
短めのライトグレーのワンピースの制服に腰でキュッと結んだ白いエプロンを身に着けて、早足で歩きながら、ベテランウェイトレスの友美さんに声を掛けた。
ここはバイト先のファミレス。私はここで、ウェイトレスとして働いてる。
「あ、美愛ちゃん、おはよー。
今日さ、在庫チェックお願いできる? 私、あと1時間で上がりだから、それまでに終わらせて欲しいんだけど」
友美さんは、先程入ってきたお客様に出すお冷とおしぼりを2つ手早くトレーに置きながら、横目で私に手早く指示した。
在庫チェックかぁ、面倒いなぁ……
と思いつつ、
ま、1時間あるなら気楽にできるからいっか。
「はぁい。じゃ、行ってきまぁす!」
従業員控室に置いてある在庫管理表を取りに行くと、そこには豪がいてスマホを弄ってた。
豪は黒髪短髪で、中学ではサッカーやってたスポーツ得意な爽やかイケメン男子だ。喋りやすくて誰とでもすぐに打ち解ける。
高校入ってすぐここでバイト始めて先輩に囲まれて不安になってた私に声掛けてくれて、友達になったのが豪だった。厨房とウェイトレス、役目は違うけど、同じ職場で働く仲間意識をもっている。
「あれっ、豪、今から入るの?」
それにしては、中途半端な時間だけど。
「いやぁ、今日さぁ5時入りだと思ってたらスケジュール見たら6時入りでさぁ。マジ急いで来たのに……」
豪はハァ……と大袈裟に溜息をついた。
「ハハッ、スケジュールちゃんと見ないからだよ!」
「美愛は何してんの?」
「これから在庫チェック。
私、どこに何があるか分かんないから時間かかりそう……」
「ホールと厨房で共通に使うのとかなら場所分かるし、手伝ってやるよ。どーせヒマだし」
豪はスマホをポケットに入れると立ち上がった。
「えっ、マジで? うわー、めっちゃ助かるっ!!」
「じゃさ、管理表の1頁目は俺で、2頁目が美愛担当な」
豪が管理表をピリピリと破って私に2枚目を渡した。
「えっ! 2枚目の方が少ないじゃん。これ、私の仕事だし1枚目のでいいよ」
そう言って、紙を交換しようとしたけど……
「いいって、終わったら手伝ってもらうから」
豪に言われて、素直にお願いすることに。タメで同じ時期に入った同期にも関わらず、頼れるヤツだ。
「ありがと……」
そう言った私に、豪は爽やかな笑顔を見せた。
「おー。早く済ましちまおうぜ」
えっと……ペーパータオルってどこにあるんだろ……
全部の棚を、隅から隅まで覗いて探していた。
私の様子に気付いた豪が、後ろを振り返る。
「何探してんだ?」
「あ、ペーパータオル……」
「それなら、あそこだろ」
豪の指差した先を見上げると、棚の一番上にペーパータオルがある。
けれど……
奥まで入ってて、幾つあるのかここからじゃ、分かんないよ……
「ちょっと待ってろ……」
豪が出て行った。
戻ってきた豪は手に梯子を持っていた。
「バックヤードから持ってきた。いるだろ?」
「ありがと」
梯子をしっかりと広げて固定させると、手を掛けた。豪が心配そうに声をかける。
「俺、やろうか?」
けど、梯子の揺れ具合がなんだか心許ない。豪が体重かけたら壊れそうだ。
「ううん、大丈夫。豪はしっかり支えてて」
梯子に手を掛けると、足取り軽く上り始めた。結構、こういうのは得意だ。
ステップに足を乗せて立ったまま、奥に埋もれているペーパータオルの数を確認する。
あれっ、もしかして……まだ奥にも更に埋まってる?
どんだけ詰め込んでんの。ったく、誰、これ補充したのっ!
爪先立ちになり、身体を傾けて奥に隠れているペーパータオルを見つけ出して、ようやく数を確認できた。
8束ね……あっ! 管理表、手元にないわ。
豪に書いてもらえばいっか。
そう思って、下にいる豪を見下ろした。
「ねぇ、豪……」
言いかけた私は、下から私を見上げるその目線の先にあるものに気付く。
短い制服のスカートから覗くショーツを、豪はマジマジと見つめていた。
友美さん、入り作業何すればいいですか?」
短めのライトグレーのワンピースの制服に腰でキュッと結んだ白いエプロンを身に着けて、早足で歩きながら、ベテランウェイトレスの友美さんに声を掛けた。
ここはバイト先のファミレス。私はここで、ウェイトレスとして働いてる。
「あ、美愛ちゃん、おはよー。
今日さ、在庫チェックお願いできる? 私、あと1時間で上がりだから、それまでに終わらせて欲しいんだけど」
友美さんは、先程入ってきたお客様に出すお冷とおしぼりを2つ手早くトレーに置きながら、横目で私に手早く指示した。
在庫チェックかぁ、面倒いなぁ……
と思いつつ、
ま、1時間あるなら気楽にできるからいっか。
「はぁい。じゃ、行ってきまぁす!」
従業員控室に置いてある在庫管理表を取りに行くと、そこには豪がいてスマホを弄ってた。
豪は黒髪短髪で、中学ではサッカーやってたスポーツ得意な爽やかイケメン男子だ。喋りやすくて誰とでもすぐに打ち解ける。
高校入ってすぐここでバイト始めて先輩に囲まれて不安になってた私に声掛けてくれて、友達になったのが豪だった。厨房とウェイトレス、役目は違うけど、同じ職場で働く仲間意識をもっている。
「あれっ、豪、今から入るの?」
それにしては、中途半端な時間だけど。
「いやぁ、今日さぁ5時入りだと思ってたらスケジュール見たら6時入りでさぁ。マジ急いで来たのに……」
豪はハァ……と大袈裟に溜息をついた。
「ハハッ、スケジュールちゃんと見ないからだよ!」
「美愛は何してんの?」
「これから在庫チェック。
私、どこに何があるか分かんないから時間かかりそう……」
「ホールと厨房で共通に使うのとかなら場所分かるし、手伝ってやるよ。どーせヒマだし」
豪はスマホをポケットに入れると立ち上がった。
「えっ、マジで? うわー、めっちゃ助かるっ!!」
「じゃさ、管理表の1頁目は俺で、2頁目が美愛担当な」
豪が管理表をピリピリと破って私に2枚目を渡した。
「えっ! 2枚目の方が少ないじゃん。これ、私の仕事だし1枚目のでいいよ」
そう言って、紙を交換しようとしたけど……
「いいって、終わったら手伝ってもらうから」
豪に言われて、素直にお願いすることに。タメで同じ時期に入った同期にも関わらず、頼れるヤツだ。
「ありがと……」
そう言った私に、豪は爽やかな笑顔を見せた。
「おー。早く済ましちまおうぜ」
えっと……ペーパータオルってどこにあるんだろ……
全部の棚を、隅から隅まで覗いて探していた。
私の様子に気付いた豪が、後ろを振り返る。
「何探してんだ?」
「あ、ペーパータオル……」
「それなら、あそこだろ」
豪の指差した先を見上げると、棚の一番上にペーパータオルがある。
けれど……
奥まで入ってて、幾つあるのかここからじゃ、分かんないよ……
「ちょっと待ってろ……」
豪が出て行った。
戻ってきた豪は手に梯子を持っていた。
「バックヤードから持ってきた。いるだろ?」
「ありがと」
梯子をしっかりと広げて固定させると、手を掛けた。豪が心配そうに声をかける。
「俺、やろうか?」
けど、梯子の揺れ具合がなんだか心許ない。豪が体重かけたら壊れそうだ。
「ううん、大丈夫。豪はしっかり支えてて」
梯子に手を掛けると、足取り軽く上り始めた。結構、こういうのは得意だ。
ステップに足を乗せて立ったまま、奥に埋もれているペーパータオルの数を確認する。
あれっ、もしかして……まだ奥にも更に埋まってる?
どんだけ詰め込んでんの。ったく、誰、これ補充したのっ!
爪先立ちになり、身体を傾けて奥に隠れているペーパータオルを見つけ出して、ようやく数を確認できた。
8束ね……あっ! 管理表、手元にないわ。
豪に書いてもらえばいっか。
そう思って、下にいる豪を見下ろした。
「ねぇ、豪……」
言いかけた私は、下から私を見上げるその目線の先にあるものに気付く。
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