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あんなこと……イケメンとじゃなきゃヤれない!!
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四つん這いでエレベーターまで進み、よじ上るようにしてボタンを押した。
今これヒロ先輩に見られたら……死ぬ。
幸いエレベーターには誰も乗っておらず、四つん這いの姿勢で下まで降りる。
さすがにロビーを、四つん這いで歩くことはできないよね。
なんとか立ち上がり、歩き出すと『ピンポーンッ』と、LINEのお知らせ音がした。
誰だろ……
麗美だった。
『ちょっと、大丈夫だった!?
私、今ケイ君の車でドライブ中なんだけど、もしよかったら迎えにいこっか?』
「うっそ……」
まさに、天からの助け。
持つべきものは、心配性の幼なじみ。
ソッコー麗美に電話する。
「れみぃぃぃっっ、マジ天使っ!!
もぉさぁ~、ほんとありえないっ!! めっちゃ痛くてズキズキして動けないよぉ~っ!!
梨絵が蹴り飛ばしたいって言ってたのめっちゃわかったわぁっ。やっぱりハジメテ、めっちゃ痛かったよぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
大きな声で興奮して喚く私に、
「はいはい。今からケイ君と迎えに行くから、そこの住所、言って?」
淡々と麗美が答える。
「えっと……」
どこか……
住居者用のポストに住所を見つけ、麗美に伝える。
「うん……ちょっと待って。あっ、ケイ君……」
どうやらケイ君に、どのあたりか聞いてるみたいだ。
「あ、もしもし?
ここからならあと10分ぐらいで行けそうだって。ちゃんと大人しく待っててよ」
「動けないんだもん。待ってます、待ってます!」
ロビーのソファに腰掛け、大人しく麗美とケイ君の迎えを待った。
「お待たせー」
「麗美ーーっ!! 大好きぃ!!」
ギューッと抱きつくと、その後ろから声がする。
「あの、運転して迎えに来たの、実際俺なんですけど?」
運転席のケイ君に首を伸ばす。
「あっ、ケイ君もありがとね」
すると、ケイ君がニヤッと笑いを浮かべた。
「美愛、処女喪失オメデトーーッ!」
な、なにっ!?
キッと麗美を睨む。
何、話してんの?
すると麗美は呆れ顔で、
「あんたが大声でわぁわぁ喚いてるから、スマホから声がケイ君にダダ漏れだったの。
私、なんにも言ってないからね」
そ……
「それは……しゅみましぇんでした……」
小さくなる。
「もう、はいっ。乗って乗って!」
私は後部座席を思いっきり陣取り、くの字に横たわった。
ケイ君が笑いながら話しかける。
「女子は大変だなぁ~」
「うるさいっ! もう、ほっといてっ!」
「っだよ、命の恩人に向かって」
「命の恩人は麗美なの! ケイ君はただの運転手なんだからっ!」
「はーいはい、そこそこ。ケンカしない。
美愛、腰にくるよ」
麗美の一言で、忘れていた激痛が戻ってくる。
「ゔっ……!!」
麗美とケイ君に家まで送り届けてもらった。
「じゃ、また明日学校でね」
「ほんとに、ありがとう……ケイ君も」
「おう、じゃ、またな!」
家に帰って尿意を感じて、トイレに入った。
「あ、血だ……」
ヒロ先輩のシーツ、汚さなくてよかった。あれ、いかにも高そうだったし、弁償できないよ。
私の処女は失われた。
これから何か、変わるのかな?
それとも、何も変わらないのかな?
今は、ただ……
うっ。やっぱり……痛い……
何も考えず、眠りたい……
今これヒロ先輩に見られたら……死ぬ。
幸いエレベーターには誰も乗っておらず、四つん這いの姿勢で下まで降りる。
さすがにロビーを、四つん這いで歩くことはできないよね。
なんとか立ち上がり、歩き出すと『ピンポーンッ』と、LINEのお知らせ音がした。
誰だろ……
麗美だった。
『ちょっと、大丈夫だった!?
私、今ケイ君の車でドライブ中なんだけど、もしよかったら迎えにいこっか?』
「うっそ……」
まさに、天からの助け。
持つべきものは、心配性の幼なじみ。
ソッコー麗美に電話する。
「れみぃぃぃっっ、マジ天使っ!!
もぉさぁ~、ほんとありえないっ!! めっちゃ痛くてズキズキして動けないよぉ~っ!!
梨絵が蹴り飛ばしたいって言ってたのめっちゃわかったわぁっ。やっぱりハジメテ、めっちゃ痛かったよぉぉぉぉぉっっ!!!!!」
大きな声で興奮して喚く私に、
「はいはい。今からケイ君と迎えに行くから、そこの住所、言って?」
淡々と麗美が答える。
「えっと……」
どこか……
住居者用のポストに住所を見つけ、麗美に伝える。
「うん……ちょっと待って。あっ、ケイ君……」
どうやらケイ君に、どのあたりか聞いてるみたいだ。
「あ、もしもし?
ここからならあと10分ぐらいで行けそうだって。ちゃんと大人しく待っててよ」
「動けないんだもん。待ってます、待ってます!」
ロビーのソファに腰掛け、大人しく麗美とケイ君の迎えを待った。
「お待たせー」
「麗美ーーっ!! 大好きぃ!!」
ギューッと抱きつくと、その後ろから声がする。
「あの、運転して迎えに来たの、実際俺なんですけど?」
運転席のケイ君に首を伸ばす。
「あっ、ケイ君もありがとね」
すると、ケイ君がニヤッと笑いを浮かべた。
「美愛、処女喪失オメデトーーッ!」
な、なにっ!?
キッと麗美を睨む。
何、話してんの?
すると麗美は呆れ顔で、
「あんたが大声でわぁわぁ喚いてるから、スマホから声がケイ君にダダ漏れだったの。
私、なんにも言ってないからね」
そ……
「それは……しゅみましぇんでした……」
小さくなる。
「もう、はいっ。乗って乗って!」
私は後部座席を思いっきり陣取り、くの字に横たわった。
ケイ君が笑いながら話しかける。
「女子は大変だなぁ~」
「うるさいっ! もう、ほっといてっ!」
「っだよ、命の恩人に向かって」
「命の恩人は麗美なの! ケイ君はただの運転手なんだからっ!」
「はーいはい、そこそこ。ケンカしない。
美愛、腰にくるよ」
麗美の一言で、忘れていた激痛が戻ってくる。
「ゔっ……!!」
麗美とケイ君に家まで送り届けてもらった。
「じゃ、また明日学校でね」
「ほんとに、ありがとう……ケイ君も」
「おう、じゃ、またな!」
家に帰って尿意を感じて、トイレに入った。
「あ、血だ……」
ヒロ先輩のシーツ、汚さなくてよかった。あれ、いかにも高そうだったし、弁償できないよ。
私の処女は失われた。
これから何か、変わるのかな?
それとも、何も変わらないのかな?
今は、ただ……
うっ。やっぱり……痛い……
何も考えず、眠りたい……
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