【R１８】１分で読める大人の童話・御伽集

ヘンゼルとグレーテル ー魔女side storyー

　甘い匂いにつられて
　さぁ、おいで

　お菓子の家が待ってるよ

　私が欲しいのは可愛い少年
　女なんかいらないよ

　ヘンゼルは檻の中
　あたし好みにしてあげる

　グレーテル、タダで食べさせてやってんだ
　さっさと働きな

　あぁ、堪らない……

　無垢で純粋な穢れなき瞳
　引き結ばれた薄いピンクの唇
　頼りない肩幅
　まだ筋肉の発達していない細く華奢な胸板
　まるで枝の伸びたような手足

　包皮に隠れた、まだ肉欲を知らぬ雄の象徴

　ﾊｧｯ、欲情が芯から滾る

　その涙目が、嗜虐心を呼び起こす
　まだ幼いその高い声で啼いて
　あたしの肉欲を煽ってちょうだい

　どんなに心が拒否しようとも
　躰は正直さ

　今夜も
　お前のその欲で滾る肉の塊を
　私の中に埋めてあげる

　鈍間のろまなグレーテル
　釜戸の炊き方も分かりやしない

　あぁっ、イライラする！！

　どきな！
　こうして覗くんだよ！！

　言ったが最後……

　背中に物凄い圧力がかかり
　勢い、燃え盛る火の中へ突き落とされた

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ！！
　あつっ、あつっ、あつっ！！」

　釜戸の扉を閉めたグレーテル
　したり顔のその表情

「兄さんは私のものよ
　あんたなんかに渡すもんですか」

「うううぅぅぅぅぅぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！」

　釜戸の中で断末魔の雄叫びが響く

　許さぬ、許さぬ、許さぬぅぅぅぅぅ！！

　だから女は、いらぬのだ