2 / 124
降臨
2
しおりを挟む
「既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、社長職を退き、会長職に就任することになりました。これからは影から来栖財閥を支えていく所存でおります。
私の後任には、息子である来栖大和が代表取締役社長に就くこととなりました」
誠一郎の紹介を受け、大和が前に進み出ると誠一郎の隣に立った。歓声と拍手が沸く中、大和はマイクを受け取ると深々とお辞儀をした。
「ただいまご紹介にあずかりました来栖大和です。このたび、取締役会、および株主総会での総意を得て、代表取締役社長の大役をおおせつかることになりました。
父が長年にわたり粉骨砕身し、ここまで成長させた来栖財閥をお引き受けするのは、身の引き締まる思いがいたします」
それから、現在来栖財閥が力を入れている事業や、これからの目標、未来に向けての希望などを語った。大和のスピーチには自信と力強さが漲っており、これからの来栖財閥も安泰だという思いを聴衆たちに植え付けた。
「未だ不慣れな部分もたくさんありますが、前社長であり現会長となった父からの教えを胸に、皆様に愛される、信頼していただける来栖財閥のために新しい気持ちで全力を尽くす覚悟でいます。それにはみなさまのご協力が必要不可欠ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
それから、ここで妻である美姫にお礼を言わせてください。妻は、私が社長職に就くよりも早くにファッションブランド『KURUSU』を立ち上げました。当初は財閥のファッションラインとして設立したのですが、現在国内に8店舗、国外でもハワイのホノルル支店を構えるまでになり、財閥から独立した会社にまでなりました。
そんな彼女には、私生活でもビジネスの先輩としても頭が上がりません」
聴衆たちに笑いが起こった。
「妻には公私に渡り、ずっと支えてもらってきました。社長に就任し、ますますお互いに忙しい生活が続きますが、これからも私にとって1番の理解者であり、かえがえのないパートナーでいてください。どうぞ、よろしく。
以上をもちまして、就任の挨拶とさせていただきます」
先ほどよりも大きな歓声に、会場が包まれた。
「では、奥様もこちらに並んでお立ちください」
長岡に呼ばれた美姫は、皆からの羨望と祝福を受けながら会場前へと進んだ。新社長夫妻としてお祝いの言葉をかけられながら、報道陣からのフラッシュを浴びる。
長岡のアナウンスが力強く響き渡る。
「皆様、これからの来栖財閥を背負って立つ若き新社長夫妻をどうぞよろしくお願い致します」
私たちがおしどり夫婦であることをアピールすることは、消費者にとって好印象をもたらす。新社長の妻としての役目を果たさなければ......
美姫は大和に腰を抱かれながら、華やいだ笑顔を見せた。
私の後任には、息子である来栖大和が代表取締役社長に就くこととなりました」
誠一郎の紹介を受け、大和が前に進み出ると誠一郎の隣に立った。歓声と拍手が沸く中、大和はマイクを受け取ると深々とお辞儀をした。
「ただいまご紹介にあずかりました来栖大和です。このたび、取締役会、および株主総会での総意を得て、代表取締役社長の大役をおおせつかることになりました。
父が長年にわたり粉骨砕身し、ここまで成長させた来栖財閥をお引き受けするのは、身の引き締まる思いがいたします」
それから、現在来栖財閥が力を入れている事業や、これからの目標、未来に向けての希望などを語った。大和のスピーチには自信と力強さが漲っており、これからの来栖財閥も安泰だという思いを聴衆たちに植え付けた。
「未だ不慣れな部分もたくさんありますが、前社長であり現会長となった父からの教えを胸に、皆様に愛される、信頼していただける来栖財閥のために新しい気持ちで全力を尽くす覚悟でいます。それにはみなさまのご協力が必要不可欠ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
それから、ここで妻である美姫にお礼を言わせてください。妻は、私が社長職に就くよりも早くにファッションブランド『KURUSU』を立ち上げました。当初は財閥のファッションラインとして設立したのですが、現在国内に8店舗、国外でもハワイのホノルル支店を構えるまでになり、財閥から独立した会社にまでなりました。
そんな彼女には、私生活でもビジネスの先輩としても頭が上がりません」
聴衆たちに笑いが起こった。
「妻には公私に渡り、ずっと支えてもらってきました。社長に就任し、ますますお互いに忙しい生活が続きますが、これからも私にとって1番の理解者であり、かえがえのないパートナーでいてください。どうぞ、よろしく。
以上をもちまして、就任の挨拶とさせていただきます」
先ほどよりも大きな歓声に、会場が包まれた。
「では、奥様もこちらに並んでお立ちください」
長岡に呼ばれた美姫は、皆からの羨望と祝福を受けながら会場前へと進んだ。新社長夫妻としてお祝いの言葉をかけられながら、報道陣からのフラッシュを浴びる。
長岡のアナウンスが力強く響き渡る。
「皆様、これからの来栖財閥を背負って立つ若き新社長夫妻をどうぞよろしくお願い致します」
私たちがおしどり夫婦であることをアピールすることは、消費者にとって好印象をもたらす。新社長の妻としての役目を果たさなければ......
美姫は大和に腰を抱かれながら、華やいだ笑顔を見せた。
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる