ダイエットの神様はドSスパルタイケメン王子でした！

ダイエットの神様はドSスパルタイケメン王子でした！

１１

「じゃ、リベンジ合コン行きますかー」
「ふふっ、男子共ぜーったいに美保見たら驚くよ！」
「びっくりさせちゃおー！！」

　陽菜、結衣、愛梨たちに付き合わされ、私は半年前と同じカラオケルームにいた。盛り上がる３人とは対照的に、私は浮かない顔つきでボーッとソファに座っていた。

　いや私、別にリベンジとか望んでないし、どおでもいいんだけど。

　あの日神様が消えちゃってから……私の胸の真ん中にはぽっかりと大きな穴が空いていた。

　食欲ないから爆食いとかジャンクフード食べたりはしてないけど、毎朝続けてたジョギングも毎晩のヨガもやる気にならず、陽菜たちがファッションやメイクやネイルの講習をしてくれても、気持ちが乗らない。

　やっぱり私、神様がいないとダメだよ……
　痩せて綺麗になっても、見て欲しい人がいなきゃ、意味ないよ。

　扉が開き、制服の男の子たち３人が入ってきた。リベンジ合コンという名の通り、半年前に私を散々馬鹿にした秀院の連中だ。

「うぉっ、マジでこの子あん時のデブ女なわけ？　超可愛いんですけどー」
「やっべー。モデルになれんじゃね？」
「ねぇねぇ、今度ふたりっきりでどっか行こーよ」

　まるで別人のように変わった私に３人が驚愕し、次々に声をかけてくる。

　あの時イケメンだと思ったはずの秀院の男共がカスに見える。神様じゃなきゃ、こんな褒め言葉も全然嬉しくないよ……

　ハァッと短く息を吐き、立ち上がった。

「私、帰る」
「えっ、美保？」
「な、何言ってんの！？」
「ちょっ、ノリ悪～！！」

　みんな口々に勝手なこと言ってるけど、私がいた方が絶対に盛り上がるのは目に見えてる。カバンを手にして、扉を開けると、カラオケを後にした。

　なんなんだろ、この喪失感……
　もしかして私、神様のこと好きになっちゃったのかな。

　神様に恋とか、どんだけ不毛なの。

　もう、会うことも見ることも出来ないのに……

　瞳の奥が熱くなって、喉に焼け石が詰まってるように苦しくなる。そんな気持ちを振り払うように、ダッシュで家に帰った。