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ダイエットの神様はドSスパルタイケメン王子でした!
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そんな生活が2週間続いたある日。
後ろの席に座ってる陽菜から声を掛けられた。陽菜はクラスだけでなく、学年でもトップ3を争うぐらいに美人でスタイルがいい。そしてそれを自覚してて、自分を魅せるのがうまい、モテ女だ。
「ねぇ、美保痩せた? いつもより後ろ姿が小さく見えるんだけど」
「マジで!?」
学年3大美女の陽菜に褒められたら、悪気はしないし、寧ろ嬉しい。いや、寧ろっていうか、かなり嬉しい。
すると、いつも陽菜とつるんでる結衣と愛梨も駆け寄ってきた。ふたりは陽菜みたいな、誰もが振り返るような美人ってタイプではないけど、結衣は可愛さと男受けのいいメイクや喋り方、仕草の研究に余念がなく、愛梨は親しみやすい顔立ちから男に近づき、狙った男は逃さない隠れモテ女だった。いわゆる、絶対に敵に回したくない女だ。
「うちらもそれ、気づいてたー。美保、ダイエットしてるの!?」
「う、ん……まぁ、ね」
この3人とは、秀院のコンパに行った仲だ。数合わせだけでなく、私を引き立て役にしようとしてたのは、見え見えだったがな。でも、私だってイケメンと聞いたら、そりゃ行きたくなるじゃん?
別に、私をダシにして合コンでイケメンゲットしようとした腹いせでダイエットしてるとかじゃないからね、と心の中で3人に呟いてみる。
陽菜が身を乗り出した。
「いいじゃん、頑張りなよー。美保、痩せたらマジで可愛くなるって!」
すると、結衣と愛梨も同調する。
「うん、私も思ってたー!!」
「私もー!!」
オイコラ。それって、今の私はブスって言ってるようなもんだからね?
陽菜がシャンプーのCMかよって思うような仕草で、黒い艶のある長い髪をバサッと手で掻き上げた。
「この前、美保のことバカにしてた秀院のやつら、見返しちゃいなよ! 綺麗になってさぁ」
「うちらも協力したげるー♪」
「任せといて!」
私のことをダシにしておきながら、そんなことを言ってくる彼女たちにちょっと腹は立ったものの、陽菜も結衣も愛梨もみーんな揃って痩せてて、頭のてっぺんから爪先まで手入れにぬかりなくて、キラッキラオーラを纏ってる。
うん、確かに……可愛いよなぁ。私とは、大違いだ。
ちょっとメンドーだけど、でも……せっかく痩せたんだし。
いっちょ、がんばってみるか。
「うぎゃっ! さっ、3.5キロ減ってるーーっっ!!」
お風呂上がり、マッパで体重計乗った私は驚愕の雄叫びを上げていた。
「ねーちゃん、っるせー!!」
リビングでゲームしてた猛の怒鳴り声が聞こえてきたけど、知るかっ。こっちはそれどころじゃないっつーの。
神様、やったよ! 私、痩せてるよー!!
独り言のつもりで言った声は、神様にマッハの速さで届いてた。
『美保ちゃん、おめでとー! この調子で頑張ろうねぇ』
頭の中に神様から即レス来て嬉しくなったけど……
ちょっと待て。げっ、私、裸じゃん!
神様の笑い声が頭に響く。
『あははー、大丈夫。大事な部分にはモザイクかけといたから』
あっ、そうかー。なら安心……って、それAVみたいで余計やだわっ!
そんなツッコミ入れつつも、私でも痩せれるんだって思ったら俄然やる気になった。
これから頑張るぞ、おーっ!!
毎日見るたびに減ってく体重。痩せたことに気づいた周りの反応……
「あれ。美保、痩せたぁ? なんか綺麗になったみたい」
「おい、松木。お前、痩せたら可愛く見えるのな」
「一瞬、松木さんって分からなかった。すごく雰囲気変わったね」
みんなが私を見る目が、どんどん変わっていくのが分かる。
よいよい、よいわー。ぬふふ、楽しくなってきたー。
私だって、やろうと思えばやれるんだから。
痩せて周りの目が変わってくると、体型だけでなく、自然とそれ以外のことも気になってくる。
陽菜たちには自分に似合うファッションやコーデ、髪や爪のお手入れ、学校でもオッケーな薄化粧、透明ネイルの塗り方なんかを講習してもらって、自分が更に変わってくのを実感する。
そうなると、今までは食欲第一だったのに、太ると思うとあまり食べたくなったりして……
今までの私では考えられない。ほんと、ありえない!!
なにより、神様が喜んでくれるのが嬉しかった。
『美保ちゃん、すごいじゃーん! 頑張ってるね、この調子だよ♪』
優しく頭を撫でられたり、手を取られたりすると、女の子扱いされてる気になって……ちょっと、照れる。
って……ん?
なんなの、この感情……
後ろの席に座ってる陽菜から声を掛けられた。陽菜はクラスだけでなく、学年でもトップ3を争うぐらいに美人でスタイルがいい。そしてそれを自覚してて、自分を魅せるのがうまい、モテ女だ。
「ねぇ、美保痩せた? いつもより後ろ姿が小さく見えるんだけど」
「マジで!?」
学年3大美女の陽菜に褒められたら、悪気はしないし、寧ろ嬉しい。いや、寧ろっていうか、かなり嬉しい。
すると、いつも陽菜とつるんでる結衣と愛梨も駆け寄ってきた。ふたりは陽菜みたいな、誰もが振り返るような美人ってタイプではないけど、結衣は可愛さと男受けのいいメイクや喋り方、仕草の研究に余念がなく、愛梨は親しみやすい顔立ちから男に近づき、狙った男は逃さない隠れモテ女だった。いわゆる、絶対に敵に回したくない女だ。
「うちらもそれ、気づいてたー。美保、ダイエットしてるの!?」
「う、ん……まぁ、ね」
この3人とは、秀院のコンパに行った仲だ。数合わせだけでなく、私を引き立て役にしようとしてたのは、見え見えだったがな。でも、私だってイケメンと聞いたら、そりゃ行きたくなるじゃん?
別に、私をダシにして合コンでイケメンゲットしようとした腹いせでダイエットしてるとかじゃないからね、と心の中で3人に呟いてみる。
陽菜が身を乗り出した。
「いいじゃん、頑張りなよー。美保、痩せたらマジで可愛くなるって!」
すると、結衣と愛梨も同調する。
「うん、私も思ってたー!!」
「私もー!!」
オイコラ。それって、今の私はブスって言ってるようなもんだからね?
陽菜がシャンプーのCMかよって思うような仕草で、黒い艶のある長い髪をバサッと手で掻き上げた。
「この前、美保のことバカにしてた秀院のやつら、見返しちゃいなよ! 綺麗になってさぁ」
「うちらも協力したげるー♪」
「任せといて!」
私のことをダシにしておきながら、そんなことを言ってくる彼女たちにちょっと腹は立ったものの、陽菜も結衣も愛梨もみーんな揃って痩せてて、頭のてっぺんから爪先まで手入れにぬかりなくて、キラッキラオーラを纏ってる。
うん、確かに……可愛いよなぁ。私とは、大違いだ。
ちょっとメンドーだけど、でも……せっかく痩せたんだし。
いっちょ、がんばってみるか。
「うぎゃっ! さっ、3.5キロ減ってるーーっっ!!」
お風呂上がり、マッパで体重計乗った私は驚愕の雄叫びを上げていた。
「ねーちゃん、っるせー!!」
リビングでゲームしてた猛の怒鳴り声が聞こえてきたけど、知るかっ。こっちはそれどころじゃないっつーの。
神様、やったよ! 私、痩せてるよー!!
独り言のつもりで言った声は、神様にマッハの速さで届いてた。
『美保ちゃん、おめでとー! この調子で頑張ろうねぇ』
頭の中に神様から即レス来て嬉しくなったけど……
ちょっと待て。げっ、私、裸じゃん!
神様の笑い声が頭に響く。
『あははー、大丈夫。大事な部分にはモザイクかけといたから』
あっ、そうかー。なら安心……って、それAVみたいで余計やだわっ!
そんなツッコミ入れつつも、私でも痩せれるんだって思ったら俄然やる気になった。
これから頑張るぞ、おーっ!!
毎日見るたびに減ってく体重。痩せたことに気づいた周りの反応……
「あれ。美保、痩せたぁ? なんか綺麗になったみたい」
「おい、松木。お前、痩せたら可愛く見えるのな」
「一瞬、松木さんって分からなかった。すごく雰囲気変わったね」
みんなが私を見る目が、どんどん変わっていくのが分かる。
よいよい、よいわー。ぬふふ、楽しくなってきたー。
私だって、やろうと思えばやれるんだから。
痩せて周りの目が変わってくると、体型だけでなく、自然とそれ以外のことも気になってくる。
陽菜たちには自分に似合うファッションやコーデ、髪や爪のお手入れ、学校でもオッケーな薄化粧、透明ネイルの塗り方なんかを講習してもらって、自分が更に変わってくのを実感する。
そうなると、今までは食欲第一だったのに、太ると思うとあまり食べたくなったりして……
今までの私では考えられない。ほんと、ありえない!!
なにより、神様が喜んでくれるのが嬉しかった。
『美保ちゃん、すごいじゃーん! 頑張ってるね、この調子だよ♪』
優しく頭を撫でられたり、手を取られたりすると、女の子扱いされてる気になって……ちょっと、照れる。
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なんなの、この感情……
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